スポンサーリンク
今回はこれからのZOZOTOWNがどうなるのかについて解説します。
コロナ禍において割と好調なZOZOTOWNではありますが、実は服好きの中では「ZOZOはダサくなった」と言われることが多いのも事実。
確かに私もそうだと思いますが・・・実はZOZOがやっていることってビジネス的にはものすごく正しいんです。
今回はそんなZOZOTOWNの今後をビジネス的な観点から紐解いていきます。
「ZOZOはオワコン」は真実ではない・・・?
先日洋服好きの方と話したときに、その方が「ZOZOTOWNのランキングでおしゃれなものってほとんどないですよね」という話をされていました。
正直言って私もまったく同感です。
ランキングを見る限りではZOZOTOWNの客層は決しておしゃれな層ではないことが明確に分かります。
これは普段ZOZOで買い物している方からすると「えっ?!」と思われるかもしれません。
もちろんZOZOにはスタンダードで使いやすいアイテムが揃っているしファッションECとしてはすごく正しいと思う。
ただ洋服好きな人たちに正直な話を聞くと「ZOZOTOWNはおしゃれな人が集まっているECサイト」という認識ではあり得ないです。
オーラリーやコモリなどのデザイナーズブランドもないし、マルジェラやジルサンダーなどのハイブランドもセレクトショップでほんの少し扱っているくらいでほとんど見かけないでしょう。
日本の中堅ブランドもほとんどはZOZOTOWNから撤退しているのが現状です。
なぜ中堅ブランドが撤退しているのかというとZOZOTOWNが路線変更をしたから。
昔ZOZOTOWNはハイブランドやデザイナーズブランドを集めて「デザイナーズフロア」みたいなものを作っていたし、国内の中堅ブランドも根こそぎ参入していたんですね。
だからZOZOTOWNなら感度の高いハイブランドやデザイナーズブランドまで揃えられるというECサイトに仕立てていたわけ。
ところが最近はガラッと変わってきています。
これは数字を見れば明らかで、ZOZOTOWNの2014年度の商品単価は5,595円でしたが2019年度だと3,877円とかなり落ちているんですね。
つまり昔はZOZOでカットソーを買おうとしたら6,000円くらい出さないと買えなかったけれど、今は2,000〜3,000円くらいで買えてしまう、というくらい変わってきています。
商品単価が下がった理由としては
楽天系の格安ブランドが大量に流入してきたことと、トレンドを追いかけてこだわったモノづくりをしているハイエンドブランドが撤退しているという2点が挙げられます。
そのため洋服好きな人たちがピンとくるようなトレンド性の高い洋服がなくなり、ZOZOから離れていくというわけです。
でもそれは戦略としてすごく正しいことでZOZOにはタームがあったんです。
第1タームではハイブランドやラグジュアリーブランドをガンガン誘致して感度の高いおしゃれな服が集まっているイメージを作った。
そして第2タームの今は洋服好きからするとおしゃれな服が集まっているイメージはもうないけれど、マス層からは「ZOZOTOWNにはおしゃれな洋服がたくさん揃っている」というイメージが植え付けられているわけ。
ファッションも取り扱っている楽天にそんなイメージはないでしょう。
楽天におしゃれな服が集まっているイメージがないのは、実用品も一緒に販売しているから。
もちろん楽天でも中価格帯のデザイナーズブランドを取り扱っているので探せば良いものも見つかりますが・・・探さないとないんです。
楽天のデメリットはおしゃれ着だけを売っている通販サイトというイメージはなく、実用品や食品まで販売している通販モールなのでどうしても「ここで買えばおしゃれになれる」というブランディングが成立しにくいんですね。
だから楽天は既存のイメージを払拭してZOZOに対抗するため、今は名前が変わりましたが「楽天ブランドアベニュー」というファッションモール専門のページを作ったわけ。
このことから楽天がいかにこのイメージ戦略で悩んでいるかが分かると思いますが、その点ZOZOTOWNはイメージやブランド戦略がとてもうまかったんです。
ZOZOTOWNのビジネス戦略とは?
ZOZOは最初にブランディングを構築したんですね。
結局世の中におしゃれな人というのは数パーセントしかいない。仮に100人いるとすればおしゃれな人は5人ほどでしょう。
そのおしゃれな5人のためにわざわざハイブランドを誘致し、商品を展開し、物流のリソースを割くなんてはっきり言って無駄でしょう。
でもZOZOはしっかりやってきたんです。
そうして「ZOZOTOWNにはおしゃれな服が集まっているからここで買えばハズレはない」というイメージを最初に作れたわけ。
イメージができた後は当然企業なので利益を取らないといけない。
だからおしゃれなブランディングができた後に売りに走ったわけ。
不採算なデザイナーズ、ラグジュアリーブランドは置いておき、値段が安く手に取りやすいスタンダードなアイテムに的を絞り楽天系のブランドを誘致した。
その結果、正直洋服好きからするとおしゃれとまではいかないけれど、ソツなく使いやすい服が揃っている領域ができたわけ。
最初は服好きをターゲットにしていたから営業効率が悪かったけれど、今度はマス層に向けて、つまり100人中の95人を狙った単価が低くわかりやすいビジネスをブランディングが確立した状態でやっているから勝てるわけです。
楽天はブランディングがまだできていないのにおしゃれに見せようとしているから難しい。
楽天で買ったらおしゃれになるイメージはないけれどZOZOで買うとハズレはない、というイメージは広く浸透しているはず。
ここが楽天とZOZOの大きな違いなんですね。
ハズレがないというイメージの中で安売りに転嫁しているから強いわけです。
私のメルマガ読者の方で多いのは、最初はユニクロでおしゃれになれることがわかって次第に「これくらいで良いや」では終わらなくなり、もっと良いものが知りたくなるし欲しくなる。
するとユニクロからZOZOまで手を伸ばすようになるわけです。
ブランディングをしっかり行いマス向けに転換する、ピラミッドの上を取ってから下を取りに行くという本当にブランドビジネスの基本をZOZOでは実践しているわけです。
「ブランディングの最終着地点は香水である」とよく言われています。
そもそも香水の原価率ってものすごく安いんです。
誤解を生むかもしれませんが、言ってしまえば水ですから。
洋服と比べてそこまで原価率は高くない。
で、その水がどのくらい売れるのかという話。
香水って何のラベルもなしにボンっと置くだけだと絶対に売れないんです。
でもそこに「GUCCI」と書いてあるから売れる。
これは原価が安いから詐欺だと言っているわけではなく、香料が入ったただの水を1〜2万円で売れるのはブランドがこれまでに様々な工夫と努力をしてブランディングしてきた結果。
対して洋服は生地の値段、縫製の手間、デザイナーの格など様々な要素があるから価値を測りやすい。
でも香水はただ並べるだけでは価値がわかりにくい。
ではどうやって高い値段で売るかというとブランディングなんです。
香水はブランディングの最終着地とよく言われるのは、香水が売れるということはブランディングが成功しているから何でも売れる、というわけ。
香水の話で例えると、楽天はブランディングを飛ばしていきなり香水を売ろうとしている状態だから苦労している。
だからブランドアベニューというファッション専用モールを作り香水を売れるくらいまでブランド価値を高めようとしているけれど、ZOZOは事前にブランディングをしっかりやってきたからこそ香水が売れる段階にまでなっているわけですね。
そういうわけでZOZOTOWNは服好きにはオワコンに見えているかもしれないけれど、ビジネス的に見ると香水が売れるくらいの段階になっているのでこれからどんどん伸びていくと思います。
ZOZOで服を買うと大当たりはないけれどハズレもない、というイメージ戦略ができているのはすごく強いですね。
なぜかというと世の中にいる人たちの95%はおしゃれに興味がないから。
おしゃれな人に向けたビジネスというのは限界があるんです。
感覚として100人いたら実際おしゃれな人は5人くらいだと思うし、それだけの市場規模しかない。
だからおしゃれな人に向けたフリをしてマスに向けて展開するのが最強ファッションビジネスだと私は思います。
そういうわけでZOZOTOWNは今後もおそらく拡大が続いていくでしょう。
今後のZOZOTOWNはどうなる・・・?
過去のZOZOスーツなどは失策だったと思いますが、どのような方向性で進んでいくのか迷っていたことはあったと思うんですね。
これまで通りおしゃれな人に向けて提案していくのか、そうじゃないマス層に舵を切るのか・・・なかなかターゲティングができてない時期もあったと思いますが、ここ数年はかなりシビアに「自分たちは洋服好きを相手にする仕事ではない」と認識し、楽天の格安ショップや格安ブランドを誘致して戦っているのはビジネス的に非常に正しいことだと思います。
今のZOZOTOWNではソツのない安くてそれなりにサマになるアイテムがどんどん増えている。
だからZOZOで洋服を買ったからと言ってすごくおしゃれになれるわけではない。
すると今度は私たちのような洋服の着こなし方を教えるインフルエンサーの需要が高まるわけです。
だから最近ZOZOTOWNではインフルエンサーと一緒にD2Cブランドを立ち上げる企画を展開しています。
ZOZO側が洋服作りを担当し、売上の30〜40%をインフルエンサーに渡す、という仕組み。
このようにインフルエンサーとZOZOTOWNが組んだD2Cブランドが何個も生まれようとしているわけですが・・・それはインフルエンサーを巻き込んだ方がZOZOにうまみがあるから。
というのもZOZOTOWNの洋服は基本的にスタンダードなものばかりになっている。
それは1つの戦略としては正しいけれど、おしゃれにはなりにくいんですね。ユニクロと同じ状態。
そうなれば、おしゃれでいるために着こなしで工夫しなければいけない。
モノで差別化できないなら着こなしで差別化する必要があるわけです。
おしゃれという概念はモノと着こなしが両立して成り立つもの。
もちろんモノ単体で差別化できるものもあります。
ジルサンダーのジャケットは驚くほど形が綺麗なので1枚で着るだけでサマになる。
しかしそうではないアイテムの場合は着こなしが重要になります。
ユニクロのジャケットを普通に着たらただの普通の人です。
では普通の人からおしゃれな人にランクアップするためには、同じユニクロのジャケットでも着こなしでおしゃれにする必要がある。
モノと着こなしが合わさることでおしゃれという概念は生まれるわけです。
そしてZOZOTOWNではモノで差別化できなくなったため着こなしで差別化する必要がある。
着こなしで差別化できるのは今の時代ならインフルエンサーなんです。
だからインフルエンサーを巻き込んでおくとインフルエンサーがZOZOのアイテム を使った着こなし指南をしてくれて、ZOZOはマス層だけでなくおしゃれな層まで食い込めるという構造になっているわけです。
こうした戦略はすごく賢いですね。
ZOZOはここ1、2年で吹っ切れたのではないかと感じられます。
そして今後もZOZOはどんどん活発に成長していくと思うので注目していきましょう。
ということで今回はビジネス的観点から見る今後のZOZOTOWNの未来について解説しました。是非参考にしてみてください。
教科書の様に読んで「おしゃれ」をマスターする唯一無二のメルマガ
毎週日曜日配信のメールマガジン「現役メンズバイヤーが伝える洋服の着こなし&コーディネート診断」では、具体的なアイテムや着こなしまで指南した内容を毎週なんと5万文字程度のボリュームで配信しています。
月550円で、雑誌などよりも遥かに具体的なファッション指示書が送られてきます。
想像してみてください。
周りの友人から「最近なんでそんなおしゃれになったの?」と言われているあなたを。洋服屋さんに入ってショップスタッフに話しかけられてもビクビク臆せず対応できるあなたを。普段なら気負う様な高級レストランでも彼女を堂々とエスコートできるあなたを。
それらが実現できるようにフルサポートするのがこのメルマガです。
ユニクロなどのファストファッションでおしゃれをする内容はもちろん、今のトレンドやファッション情報を網羅したもの。中にはQ&Aやコーディネート診断など個別の悩みにも答えるコンテンツも用意しています。
試し読みをして気に入らなければ初月解約で全く構いません。
タダで読んで辞めたければ当月で辞めてください。全く構いません。
私はこれで日本のメンズファッションを変えるつもりです。
10年以上かけて構築した論理であり絶対の自信があります。
騙されたと思って読んでください。
おかげさまで日本最大のメルマガ配信スタンド、
「まぐまぐ」様のメルマガランキングでは人気第2位となりました。(日本のメルマガの金字塔である堀江貴文さんが第3位)
登録は上部メニュー「メールマガジンはこちら」から、もしくは下記リンクよりどうぞ。
※携帯キャリア決済を希望される方はこちら(note)から登録ください。(内容はまぐまぐメルマガとほぼ同様です)
スポンサーリンク