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今回はトレンド情報シリーズ。
長らく続いた2018年秋冬トレンド情報もそろそろ終盤となりました。
今回は第4回目です。「首元レイヤード」について解説しましょう。
ユニクロUとの関連がありますので、今期ユニクロUをチェックしていた方は必見ですよ。
海外コレクションで注目される「スーパーレイヤード」とは?
海外コレクションでは「スーパーレイヤード(重ね着)」と呼ばれるトレンドが注目されています。
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現代のトレンドセッターであるブランド「VETEMENTS/ヴェトモン」はスーパーレイヤードを提案する代表格。ごちゃごちゃに重ねたコレクションピースが並びます。最早何を何枚重ねているのか判別できないほどですね。
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「LANVIN/ランバン」もレイヤードスタイルが顕著でした。チルデンニットのインナーに柄シャツ、さらに柄シャツの下にハイネックのカットソーと重ね着を繰り返すスタイル。コレクションピースではスーツスタイルに袖を外したマウンテンパーカーを重ねた突飛なものもあったくらいです。
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「DRIES VAN NOTEN/ドリスヴァンノッテン」は厚手のコートの上に薄手のコートを重ねたり、シャツの上にコートを重ねてその上にさらにコートを重ねたりとアウターの重ね着が目立ちました。
これら海外ブランドがこぞって追求する「スーパーレイヤード」とは一体どこから来たトレンドなのでしょうか。答えは「ノームコアの反動」にあります。
トレンドの本質を知る
上記にリンクをつけてある過去のトレンド解説記事で語っている通りなのでそちらを参考にして頂きたいですが・・・トレンドとは反動で決まります。ここ数年長らく続いていたトレンドは「ノームコア」です。
「ノームコア」とは?一体どこから来たのか?デニムを穿けばいいの?着こなしは?2015年春夏メンズファッショントレンドを徹底解説!!
シンプルで地味な着こなしを良しとするトレンド。コーディネートは重ね着もせず「ワンツーコーデ」(トップス1枚、ボトムス1枚の最低限の組み合わせのこと)が多く、柄より無地を好んだスタイル。ノームコアが飽和状態となり市場で価値を失ったため、徐々に反動で「装飾性」を求め始めました。
無地から少し柄のあるものへ、
シンプルデザインから少し変化のあるものへ、
のっぺりとした素材から表情のある素材へ、
ワンツーコーデから重ね着へ、
こうしてトレンドは移行していっているのです。
ここで注意して欲しいのは2つ。
何度も説明していることですが簡単に繰り返します。
まず1つは「トレンドはすぐには変わらない」こと。いくらノームコアに飽きたからといって明日からすぐに「派手な柄づくしがおしゃれ」と皆が思うはずもありません。トレンドとは市場の気分を反映したものです。気分は徐々に変わっていくもの、今年は「過剰に派手」ではなく「無地よりちょっと変化がある」くらいが程よいのです。
もう1つは「絶対的にカッコイイは存在しない」こと。「どんな時代もこれさえ着ていればカッコイイ」なんて絶対的価値は100%ありません、諦めてください。あるのは「相対的な価値」のみです。そもそも「あの人おしゃれだね」という評価は「その他大勢と異なる」から発生するわけでしょう。その他大勢と全く同じであったら区別すらされません。そしてカッコイイ人やスタイルが見つかれば当然のことながら皆真似しだすわけですね。そうして真似が飽和して市場が「ノームコア」だらけになったら「相対的な価値」はどうなるでしょうか?・・・想像できますね、「皆と同じ」状態になるわけですから5年前は「おしゃれ」だったものも今は「まあおしゃれ」くらいに価値が下がるわけ。こうしてトレンドはアーリーアダプターからレイトマジョリティーへと進み飽和したら徐々に徐々に次へと向かう繰り返しになっているわけです。
今回の「スーパーレイヤード」も上記の説明をされるとすんなり理解できるはずです。シンプルな「ワンツーコーデ」が飽和し、もっとも先見性の高い海外コレクションでは逆方向の「スーパーレイヤード」が発生しているわけです。
服は他人に評価されるものである
ここで注意してほしいことがもう一つ。海外コレクションのスタイルが日本のトレンドとすぐにマッチするわけではありません。基本的に海外コレクションは時代の先端です、次世代を象徴するものではありますが、これがそのまま日本にマッチするわけではない。「ノームコア」がまだまだ多い日本の市場では「スーパーレイヤード」まで進んでしまうと「やりすぎ」になっちゃうでしょう。おしゃれとはつまりTPO、客観性を持ったものでなければ他人から評価されることもありません。「これ海外で流行ってるからイケてるはずだよフフン」というのはいかにも独りよがり。
服は他人に見られ他人に評価されるものであるからこそ、自分が相手にしている他人をきちんと考えなければいけません。
あなたがいかに海外ファッションに詳しかろうと、知見が優れていようと、周囲の他人にとっては微塵も関係ないことです。
一番褒めてほしいあなたの周りの他人のことを考えると「海外コレクションのトレンド」から半歩下がって考えるべきです。つまり今の日本市場では「ノームコアよりちょいと半歩先に進んだ重ね着スタイル」を目指すのが正解と言えるでしょう。服は本質的に「他人のために着るもの」ですから。
それともう一つ。
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こんな人街にいたら職質されるってこと。
コレクションとはショーですから象徴的なものであるからこそ、インパクトを残す必要があります。時に芸術として、時にショーとして追求しているのがランウェイの世界です。ここにはトレンド情報が詰まっていますが、だからといって「ショーのスタイルのまま着るのがおしゃれなのだ」というのは間違っています。
上記と同じことなのですが・・・海外コレクションの正しい使い方は「トレンド情報を獲得すること」。その上でTPOに応じて自分の周りの環境や他人に応じて理解しやすいようにローカライズすることが必要なのです。
ユニクロUで静かに表現されていたこと
さてでは本題。
海外コレクションで生まれた「スーパーレイヤード」は今の日本市場にローカライズすると何になるのか。多くのデザイナーやブランドはそれを「首元レイヤード」として表現しています。
さあそこで今年の「ユニクロU」の登場です。
今年メンズのトップイメージである画像は・・・一体どうなっているでしょうか?
そうですね「首元レイヤード」したスタイルになっています。
さあびっくりしてください・・・
Photo by https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/411340-38
Photo by https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/412230-58
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Photo by https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/412957-12
Photo by https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/412097-35
Photo by https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/412098-12
Photo by https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/411592-05
もう一度ユニクロUの商品一覧ページを確認してみてください。
ありえないくらい、不自然なくらい首元のレイヤードが多いはずです。
シャツもインナーにタートルを入れたスタイルが多いし、コートのスタイルは2重どころか3重にレイヤードしているものも。
言われてみれば確かにそうだ、と気がつくでしょう。ユニクロUを手がけるのは世界トップのデザイナー「クリストフ・ルメール」。彼がトレンドを理解していないはずもありません。そして彼がローカライズをしないわけがありません。スーパーレイヤードは確かに首元レイヤードとして日本市場にわかりやすくローカライズされているのです。
トレンドは「首回り」に象徴される
では何故「首元」なのか。
それは「首元が最も目立つから」です。
人間の脳は顔を優先的に認識するようにできています。それは我々が集団で群れて行動する生き物だから。仲間を認識しやすいように意識と関係なく自動的に顔に注目するように出来ています。コーディネートの中で最も目立つのは視線が止まる先端であり、本能的な認識能力が働く「顔まわり」です。
トレンドを象徴的にローカライズする時、この顔まわり・首回りが用いられることは往々にしてあります。これは歴史をみれば明らかです。
スーツのトレンドだってそうでしょ?
スーツの流行はどこに一番出る?首回りである「襟」でしょ?
シャツのトレンドはどこに一番出る?
ボタンダウンやレギュラーカラー、ノーカラーなどの「襟」でしょ?
Tシャツのトレンドはどこに出る?
クルーネック、Vネック、Uネックなどの「襟」でしょ?
このように実は「首回り」というのは目立つ部分だからこそトレンドが象徴的に出やすいところなのです。
つまり今期、地味なノームコアから脱却したい人は「首回りを気をつけろ」ってなことです。
新しい服なんて買わなくても大丈夫です、無理にコートを買い換える必要はありません。
一番簡単ですぐできるのは「首回りを重ねろ」ってこと。これで客観性をおびた差別化が実現できます。
首元レイヤードの比較画像
簡単に具体例を出しましょう。
こんな風にシンプルに着るニットスタイルももちろん素敵ですが・・・
シャツを入れて首元レイヤードした方がより洗練されて見えやすいはずです。
こんな風にシンプルにチェックシャツを着ても良いですが・・・
首元レイヤードすると更におしゃれにランクアップするはずです。
ニットも一枚ではなく中にタートルやハイネックやシャツなどを挟むとさらにランクアップします。
UNIQLO タートルネックT(長袖) 2,990円
UNIQLO エクストラファインメリノタートルネックセーター(長袖) 3,990円
インナー用にとユニクロもちゃんと考えて展開しています。
これらでも良いですし・・・
UNIQLO ヒートテックタートルネックT(9分袖)990円
より節約したければヒートテックタートルで良いでしょう。
どうせ重ねるんだから一枚になるわけじゃありません。首元のことだけ考えるならこれで十分です。990円で自分の持ってるニットやシャツの印象が変わるなら安いもんでしょ?
いかがでしたでしょうか。
トレンドとはちゃんと意味と理由があり広まるものなのです。これを理解することが「相対的な格好よさ」の追求になります。自分で読み取ることはかなり難しいと思いますが、そのために私のメルマガがあります。
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私はこれで日本のメンズファッションを変えるつもりです。
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