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2018-19年秋冬メンズファッショントレンド解説1.「スウェットパーカー」

 

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2018-19年秋冬メンズファッショントレンド解説

 

夏も終わりに近づきいよいよファッションを最も楽しめる季節秋冬シーズンがやってきます。
コートにニットにストールに・・・冬は使えるアイテムが盛りだくさん。
それだけに工夫のしがいもあり、それだけにトレンドも気になるところ。

「2018-19年秋冬メンズファッショントレンド解説」では数回に分けて今年の秋冬の着こなしチェック項目・マストバイを紹介します。「秋冬何から手をつけて良いのか分からない」なんて人は是非目を通してみてください。

年間1500万円以上を服に費やす「国内屈指の被服費(笑」を誇るMBが秋冬のあなたに必要な知見を与えます。

 

2018年はどんな年なのか

 

まずトレンドを整理しましょう。
今年は一体どんな年なのでしょうか。

 


Photo by http://img.harpersbazaar.jp/var/hb/storage/images/fashion/louis-vuitton-supreme-collab-170106/266748-9-jpn-JP/_1_image_size_630_x.jpg

 

昨年はセンセーショナルな出来事「Louis Vuitton × Supreme/ルイヴィトンとシュプリーム」のコラボレーションがありました。ラグジュアリーブランドの象徴であるLouis VuittonとストリートブランドのカリスマであるSupremeの異色のコラボレーションは来るべき時代を指し示す道しるべとなりました。

歴史もプライドもあるLouis Vuittonが、ストリートのカリスマであるSupremeとコラボレーションするなんて誰が想像できたでしょうか。ハイエンドもローエンドも、ドレスもストリートも、男女すらも(ジェンダレス)、垣根がなくなる「ミックスの時代」の到来(下記記事参考)は疑う余地もありませんが・・・それと同時にこのコラボレーションは「ストリートトレンドの終焉」も指し示しています。

 

2018年以降のメンズファッショントレンドは「DAPUMPのUSA」から見えてくる

 

90年代のリバイバルでビッグシルエット、エアマックスなどのストリートファッションが席巻していたここ近年。いよいよトレンドは変化の兆しを見せ始め、徐々に市場では日常で着用するセットアップスーツ、スラックススタイル、ロングコートなどのドレスライクなアイテムが好まれるようになってきました。

 

 

GUやユニクロなどの動きはマス・トレンドを象徴しているわけで彼らの商品展開を見ればトレンドがなんとなく理解できますが・・・気がつくと彼らのラインナップは「セットアップだらけ」になっています。ビジネス用だけでなく日常で着用するカジュアルセットアップの展開が多く、ワイドパンツやガウチョ・ビッグサイズTなどの展開が多かったここ近年の流れから徐々に方向を変化させていることに気がつくはず。

 

「トレンド」を追いかけるのはカッコ悪い??

 

 

「トレンドや流行に流されるなんてカッコ悪いぜ」なんて思う方もいるかもしれません・・・が、ハッキリ言って申し訳ないですがそれはファッションの構造を理解していない証拠です。

トレンド(流行)という字面から「皆がこぞって求めるもの」と認識しがちですが、ファッションにおける「トレンド」の解釈は少々異なります。そもそも皆がこぞって求めて皆がすでに着用しているものであるならばそれは「流行」ではなく「定番」です。わざわざ「トレンド」と区別して表現するからには「まだ皆に行き渡ってない、アーリーアダプターのみが気が付いている」ものなワケ。

 

そしてファッションはトレンドを意識しなければオシャレにはなれません。
それはファッションが差別化を基本としているからです。

 

 

「おしゃれ」とはそもそも相対的な評価です。

その他大勢と何かが違うからこそ「あの人おしゃれだね」と区別されるわけ。皆と全く同じならそもそも区別すらされずスルーされるに決まっている。「皆と何かが違う」これがまずおしゃれであることの条件、つまりファッションとは「相対的な評価」によるものです。だって「絶対的におしゃれ」な着こなしやアイテムがあったらどうなります?この情報社会でそんなのあっという間に広がるはずでしょう?多くの人のメリットになる情報なわけですから雑誌やTVのメディアがほっておくはずもない。「どんな時代でも、どんな場面でも、これを着れば絶対におしゃれになる」もしそんなものが存在していたとしたら、日本人は全員おしゃれになるわけです。考えたら当たり前のことですが、ファッションとは「相対評価」によるものなのです。

 

加えてファッションは「客観性」も必要です。他と区別されるため「単なる差別化」でおしゃれが作れるのなら、デタラメな服装をすれば良いだけです。色とりどりの服を着て、ズボンを被ってトップスを穿いて、支離滅裂な服装にすれば差別化が完成します・・・しかしそれでは誰も褒めてくれませんね。警察に通報されるかもしれません。では「差別化」以外に何が必要なのでしょうか?それは「客観性」です。

他人が見てどう思うのか、といった他人視点の「客観性」が必要となります。おしゃれなんて自己満足だ、センスは人それぞれだと言う人もいますが、そう言う人は何故パジャマで外出しないのでしょうか。どんな人でも服を着る時に必ず「他人に見られること」を意識しています。にも関わらず「自己満足の世界だ」とするのはなんともおかしな話、自己矛盾を抱えています。

仕事も恋愛もファッションも同じですが、「他人の理解の範疇の中で差別化をする」のが社会における成功の秘訣です。
他人を無視して突っ走る人は誰からも評価されません。我々は一人で生きているのではない、社会で生きているのだからこそ「他人の理解の範疇」を意識する必要があるのです。

 

そして「差別化」と「客観性」を備えた・・・「今一番差別化しやすいもの」がトレンドなのです。

ファッション感度の高い人は「差別化と客観性」を無意識のうちに知覚する能力者です。(これを俗に「センス」と呼ぶのだと思います)

クルーネックが流行り・多くの人が取り入れて定着すると・・・感度の高い人は「そろそろ首が詰まったクルーネックじゃなくて、少し開いたVネックが良いなあ」と浅めのVネックに手を出します。すると遅まきに周りの人がVネックに手を出し始め、やがて世間に流通します。するとまた感度の高い人が「皆が着ているからもうちょっとだけ開いたネックが良いな」とUネックに手を出し始めます。

 

こうした差別化と客観性を象徴するのが「トレンド」です。
クルーネックが定着している時にいきなりUネックにはいきません。それは客観性を失っているから。
だからここ数年のストリートトレンドは徐々に徐々に弱くなっていき、昨年くらいから少しずつセットアップスーツを日常で着用するトレンドが出て着て、今年に帰結しているわけです。そう、「トレンド」とはつまり「今一番差別化が進む現時点での正解例」なのです。

 

繰り返しますが相対評価である以上、ファッションはこの「トレンド」を理解できなければおしゃれにはなりにくい。
ユニクロのスウェットパンツやスウェットパーカーなど定番商品は毎年同じように見えてミリ単位でサイズ調整をかけています。これはトレンドに合わせてベーシックなアイテムもアップデートさせているのです。80年代のバブルファッションを今やってもおしゃれには見えません。90年代リバイバルとは言え当時の窪塚くんの服装を今してもなんだかしっくり来ないはずです。わずかながら変化を繰り返す「トレンド」は人々の評価の基準として表出したものなのですから、ここを無視して先には進めないのです。

 

ロングコートやテーラードジャケットに何を合わせる?

 

さて長ったらしい前置きが終わったところで、現在が「ストリート」から「ドレス・フォーマル」に移行しているものだと理解できたはずです。

「なるほど、だからスーツやロングコートなんかを買えってことね」
と思ったかもしれません。もちろんまったくその通りなのですが、それじゃあまりにもありきたりです。雑誌をめくればそんなのはどこでも書いてある。今年は「ドレスアイテム多めです」って誰でも言ってることです。ここではその半歩先をお教えします。

 

いくらドレストレンドだからと言って、
ロングコートにジャケットにスラックスに革靴にシャツを合わせたスタイルを作ったら・・・どうでしょう??
おしゃれというかなんというか、それは単なる「仕事着」になりませんか??

 

そう、いくらドレストレンドだからといって「全身ドレス」で合わせて良いはずもありません。
日常着だからこそカジュアルを適度に織り交ぜる必要があります。全身ジャケットスラックス革靴コートで合わせてしまったらいかにも仕事帰りです。「おしゃれだね」より「残業だったの?」と言われる率の方が高くなるでしょう。
(ドレスとカジュアルのバランスについては下記記事を参考)

 

【初めてこのサイトに来た人へ】最も早くオシャレになる方法とは?メンズファッションで気を配るべき一つの答えとは?

 

では「ドレスアイテムを中心に考える」のは理解できたとして、
今年は何を使ってコートやセットアップをカジュアルダウンさせるのが良いのでしょうか・・・??

 

実はそれは「パーカー」です。

 

パーカーが支持される3つの理由

 


Photo by https://www.fashion-press.net/img/news/41213/UNDECORATED_2018aw_016.jpg


Photo by https://www.fashion-press.net/img/news/42089/jhonbull_2018aw_men_025.jpeg


Photo by https://www.fashion-press.net/img/news/37494/kazuyukikumagai_2018aw_002.jpg

 

もうすでに秋冬モノが多くの店で並んでいます、是非お店に行って物色してみてください。
例年よりいくつか増えているカテゴリーに気がつくはず。そのうちの一つが「パーカー」です。

 

今年はロングコートやセットアップスーツなどとにかくフォーマルなアウターが多い。
その中でどんなものを合わせるべきか、考えると実はパーカーが最も論理的です。

 

その理由は3つあります。

 

 

チェスターコートやテーラードジャケットなど多くのフォーマルアウターは襟に高さがありません。
これはインナーにシャツを入れることを想定されて設計されたものだからです。ドレスウェアでは必ずインナーに襟高なものを入れます。シャツやハイネックのニットなど。だからジャケットは襟が寝た状態になっており、高い襟が重ならないようにしているわけ。

 

ところがこれをカジュアルで落とし込むとどうしても寂しい印象になってしまう。
襟に高さのないチェスターコートやテーラードジャケットをそのままTシャツの上などに着用するとちょっと寂しい印象に。もちろんNGじゃないし、春夏であればこの寂しい印象が「涼しげ」とも言えるわけですが・・・秋冬になるとちょっと首が露出しすぎて寒々しい。顔周りの装飾にかけ、地味な印象も出ちゃいます。

 

「ドレスと同じようにシャツを入れればいいじゃん」

と思うかもしれませんが、ドレスライクなロングコートにさらにドレスライクなシャツを合わせてはついついバランスを逸してしまい、ビジネス感が出ちゃうもの。・・・そこでだからこそ「パーカー」の出番というわけです。

 

パーカーならフードが大きく襟の代わりとなります。
チェスターやテーラードのように首元にインパクトの少ないアウターと綺麗な補完関係を築くことができるわけ。

 

そしてパーカーが選ばれた二つ目の理由は「グッと大胆にカジュアルダウンできるから」です。
先ほどの繰り返しになりますが、首元にインパクトを与えるだけならシャツやタートルニットで良いわけですが、それだとボトムスや靴や小物などでカジュアルに見せない限りバランスを逸してしまいます。
カジュアルな印象を与えてくれるパーカーをインナーに入れてあげることで、ドレスアウターとのバランスが簡単に取れるわけです。

 

最後パーカーを入れる理由のもう一つは「余韻」です。
もちろん別にドレスアウターにニットを入れちゃだめなわけもないし、シャツを入れちゃダメなわけもない。ただ今年は「ストリートの余韻があるパーカー」が好まれるであろうと、そういうわけです。

トレンドとは相対評価の中で起きる人々の総意であり、「気分のうねり」です。
であるからこそいきなり急角度にトレンドは変化しません。「昨年はスラックスだったけど今年はボロボロのインディゴデニムになります」なんてことはありません。徐々に徐々に少しずつ変化していくのがトレンドです。

だからこそ人々はまだストリートの余韻を残したいのです。それがパーカーという形で表出しているわけですね。

 

MBアイテムとしても制作してみました

 

 

こんな感じでスウェット素材のパーカーを入れてあげるのが今年のおすすめ。
私もメルマガ読者さんだけが買える「MBアイテム」で上記ロングパーカーを展開しています。

 

こちらユニクロのコートですが、パーカーを入れてレイヤードすることでユニクロに見えない。
「ユニクロをアップデートするパーカー」として作ってます。
9月発売。13000円くらいを予定してます。

 

一枚で着るとこんな感じね。

 

安く手頃に済ますのならGUやユニクロでOK

 

そしてユニクロ・GUもこの流れをもちろん察知しています。
先日GUのプレスルームにお邪魔したら、びっくりするくらい「スウェット」を打ち出していました。

 

特に気になったのはコレ。
袖にプリントを入れたスケーターライクなデザイン。フードが大きく小顔効果のあるデザインはチェスターコートなどに合わせたり、上下黒のフォーマルな配色で使うと際立ちます。

 

 

すげえマヌケな顔していますが、フードのないスウェットもありました。これも良かった。
懐かしのカレッジプリント、アメカジ全盛の時代を思い出します。
これだとチェスターコートなどの補完関係には使えませんが、例えば中に白シャツを入れてあげても良いでしょう。

 

スウェットの中にシャツを入れてあげるニットライクな着こなしもおすすめ。
襟高になるしシャツのフォーマルな印象もこのスウェットでバランスがとれます。
値段も数千円程度なのでなるべく安く済ませたい人はこのあたりが良いでしょう。生地感もなかなかのものでした。

 

毎週配信のメルマガでは今後「スウェット特集」をします。スウェットによる今の時代にあった着こなし方・バランスの取り方をレクチャーします。具体的な商品名も織り交ぜながら。乞うご期待ください。

 

また2018年1月のメルマガでは2018年以降のきたるべきトレンドについて大解説しています。こちらも是非気になる人は読んでみてください。論理的に体系化してトレンドを明確に語っている媒体は存在しないはずです。是非。バックナンバーはまぐまぐさんのサイトからGETできます。

 

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