流行解説

2018-19年秋冬メンズファッショントレンド解説2.「セットアップ」

 

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お店には「カジュアルスーツ」が溢れている

 

2018-19年秋冬メンズファッショントレンド解説1.「スウェットパーカー」

 

前回に引き続き今回も2018-2019年秋冬メンズファッションのトレンド解説を進めていきます。
今回は「セットアップ(スーツのこと)」です。

 


http://shopblog.gu-japan.com/pic/t_article/426/630×400-fill-279bb1e2aaa8b13f8cf10e50d3245e4f-eyecatch.jpg

 

ショッピングなどに出かけ注意深く店内を見渡せば、妙に「スーツの展開が多い」ことに気がつくはずです。ユニクロは元々スーツなど強化して展開していましたが今年の展開数は異常。柄物からリラックス風のスウェット素材など数多くのスーツ&ジャケットを展開しています。またGUも盛り沢山。無地からチェック、ストライプ、異素材まで幅広く展開し銀座店などは「スーツ屋さんなんじゃねえか?」と思うくらい集積したコーナーも。

 

 

もちろんユニクロGUなどの量販店だけではありません。ユナイテッドアローズもジャーナルスタンダードもビームスも名だたるセレクトショップはどこもスーツを展開しています。「なるほど、クールビズの影響でカジュアルショップでもスーツが売れてるのか」と思う方もいらっしゃると思いますが、実はそれだけでなく今「ファッショントレンドそのものがスーツスタイルに傾いている」のです。

 

トレンドは反作用で動くもの

 

昨年頃まではエアマックスだとか、オーバーサイズだとか、90年代のストリートファッショントレンドが多く見受けられました。街を見渡してもZOZOを眺めてもゆったりとしたカジュアル服の流れが強く、市場を席巻していました。

 

 

しかしながらトレンドとは人々の価値観を反映したものです。当たり前ですが街中にストリートファッションが溢れかえればその価値は相対的に落ちていきますね。おしゃれとはそもそも「その他大勢と”何かが違う”から区別して評価される」もののはず。皆と全く同じでは「おしゃれだ」と評価どころか区別すらされないわけですから。

であるからして、おしゃれとは「相対評価」、細やかな差異を評価し合うのがおしゃれです。仮におしゃれが「絶対評価」だとしたら「これとこれとこれを買えばもう一生おしゃれ」となるわけですから、ここまでファッション雑誌や洋服が流通するはずがありませんね?

 

そして「相対評価」であるからこそ価値観は変動していきます。
つまりストリートファッションも一定の飽和状態になれば差別化が効かなくなる、価値が徐々に失われていくわけです。そうすると次のトレンドへと緩やかな変化が始まります。

例えばVネックが流行して・・・流行しきった時に一部の感度の高いアーリーアダプターが「皆がVを着てるからちょっと首の狭いクルーの方が目立つんじゃないか?」とクルーネックを着用しだす。すると彼らのフォロワーが真似をしだし、さらにそれらのフォロワーが真似をしだし、これが流行としての大きなうねりを生み出すことになります。

 

基本的にこうした流行やトレンドは「反作用」で動きます。
首の開いたネックの次は徐々に首が閉じたネックが相対的に評価が高くなる、ストリートファッションがトレンドとなったら次はドレスライクなファッションがトレンドとなる・・・そうです。今「スーツ」が注目されているのは、数年前から連綿と続いているストリートファッションの反作用が来ているわけですね。

 

流行には必ず理由があり、人々の価値観や動きは論理的に紐解くことができます。
大局的なトレンド観測論は私の得意とするところ。さらにハイエンドなトレンドはBUYMAさんの連載で書かせてもらっています。興味が深い方は是非こちらもお目通しください。

 

2018年以降のファッションは「ミクスチャー」、多様性を許容する時代へ。

 

仕事用と兼用はおすすめしない

 

「スーツがトレンド」となると当然のことながら「あ、それなら仕事用のスーツを普段も着れば良いってことね」と思うでしょうが、これはちょっと待った。そのスーツが「スーツ量販店」で購入されたものなら一考する必要があるかもしれません。

 

量販店用のスーツはどうしても日常使う作業着として作られているためシルエットが甘いものが多い。電車でつり革を掴む時、重い荷物を持つ時、車を運転する時・・・仕事のシーンを考えると「機能性>見た目」が好まれるでしょう?だからこそ量販店のスーツは少々シルエットが甘いものが多いのですね。だからこそ普段着として仕事用のスーツを着用すると・・・なんだか「仕事着を無理やり普段使っている」様な・・・単純に「この人、着る服がないのかな」と思われるような野暮ったさを感じさせてしまいます。

 

そこで日常で着るスーツは「仕事用」と思われないようにシルエットの美しいものを求めるべき。

これじゃ仕事の時キツいかな?と思えるくらいジャストサイズで綺麗なものの方が、「普段着」として認識されやすく、また体型を綺麗に見せてくれます。なので仕事と普段着兼用は一度自分のスーツのサイズ感を見直してからの方が良いでしょう。
詳しくは下記記事にまとめてあります。

 

仕事着と普段着で同じスーツを流用していいの??【ビジネスカジュアルのススメ】

 

とりあえずGUで十分

 

 

では日常用のスーツはどこのを買えば良いのか?
まずはGUで十分です。
GUなら上下7000円。手頃に買えますが、それなりにシルエットは美しく(サイズを間違えなければ)、素材感も決して安っぽくはありません。

先日大手セレクトショップの生産部隊とモノを見ながら意見交換会をしていたのですが、GUのセットアップを見て「細かい縫製のヨレなどはあるけど、この値段ならぐうの音も出ない」と全会一致でコスパの良さを認めていました。

 

仕事着としてはやや窮屈なサイズ感ではあるのですが、モノによってはストレッチ性の強いモデルもあるのでそのあたりは普通にビジネスシーンでもなんとか使えそう。ちなみに上記画像は全てGUです。見た目もこれで十分でしょ・・・?ビューティーアンドユースなどの中価格帯のシンプルなセットアップを選ぶくらいならGUで十分すぎると思います。

 

半歩差別化されたデザインを選ぼう

 

では逆に「あえてお金を出すならどんなものが良いのか」

となると半歩先のデザイン性や柄を狙うと良いでしょう。

 

先ほど「おしゃれとは相対評価である」と書きましたが、差別化を意識しすぎて「デタラメ」になってもいけないのがファッションの世界です。これを私は「客観性」と表現しています。

相対評価から成る「差別化」をしつつ、
同時に他人が見て理解不能状態にならないか「客観性」を意識する。
この差別化と客観性の最適値を探すのが「コーディネート」という作業なのです。

 

ではスタンダードなセットアップにすっかり飽きてしまった人、少しだけ差をつけたい人は何を選びましょう。
一つは「デザイン性」がプラスされたセットアップ・・・例えばノーカラーです。

 

 

こちらは私とセレクトショップADAM ET ROPE’/アダムエロペが共同で開発したオリジナルのセットアップ。

襟を取り払ったノーカラーデザインですが、これだけでもずいぶん印象は変わります。

洋服は当たり前ですが顔周りが一番目立ちます。
ユニクロのラインアップを見てもそう、「ワイドカラー」「レギュラーカラー」「ボタンダウンカラー」と同じようなシャツでもなぜか「襟のバリエーションだけ」で山ほど種類がありますね。・・・それは「襟だけで印象が変わるから」です。

人間当然顔周りに視線が集まります。それだけに襟は「ちょっとの変化」でも印象の変化を生んでくれる重要ポイント。セットアップも同じです。シンプルなデザインでもラペル部分だけノーカラーにすることでちょっと「あれ?」と思わせる差別化が進みます。

 

ファッションロジック的にはドレスを表すラペル部分が省略されているわけで、襟を取るとほんの少しだけカジュアルな印象が生まれます。なので上下セットアップでまとめても決して「キメすぎ」にならない。選ぶならこんな半歩先のデザインがあるものを選ぶのが良いでしょう。これこそ「差別化」と「客観性」です。

 

 

無論このくらいのデザインならビジネスやONカジュアル、パーティーシーンでも使えるし・・・

 

 

インナーと靴・小物次第で日常のカジュアルウェアとしても活用できます。

 

チェック柄を選ぼう

 

「半歩先を」と思う人におすすめしたいのがチェック柄。

今年のトレンドが「脱ノームコア」であることは以前にもお伝えした通りですが、今年はその影響で無地から柄に人気が移行。特に秋冬らしいチェック柄が注目されています。

 

もちろん繰り返す通り人の価値観がそんなにもすぐにガラリと変わるわけもありません。ガラものだけにガラリとは変わりません。

「遠目で見て無地に見えるくらい地味な柄」くらいが今のトレンドでは望まれる。
派手なアメカジ的なチェック柄などよりも、ヨーロッパ的なクラシカルなグレンチェックやヘリンボーンなどが好ましいです。

 

セットアップも無地をすでに持っているという人は
こうした「ちょい地味なチェック柄セットアップ」を狙う良いでしょう。
ちなみにこちらABAHOUSE/アバハウスと私MBのコラボアイテム。趣味で少量作った限定商品です。

 

 

ジャケットじゃないセットアップを選ぼう

 

 

さらに別軸としては「ジャケットじゃないセットアップ」も昨年あたりからじわりじわりと人気です。

ジャケットとスラックスのセットアップではなく、
こちらの様なコーチジャケットなどのブルゾンとスラックスの同素材セットアップ。

もちろん素材はスーツ用のウール素材などを使ったものが多く、「遠目にはスーツの様だけど実はブルゾン」といった感じ。まさにドレスとカジュアルのハイブリッドなアイテムで、シャツを中に入れたり、革靴を合わせたりしても「キメすぎ」にならないのが嬉しい。

 

こちらのセットアップはお友達ブランドPORTVEL/ポートヴェルとのコラボ。
上記ABAHOUSEと同じくこちらも趣味で作った少量生産。

実はこんなドレスライクなツラして防水素材なんです。
最近台風も多いので・・・濡れても問題ないセットアップを作りたかった。

 

 

初心者は絶対チャレンジすべし

 

そんな感じで2018年メンズファッションのトレンドである「セットアップ」。
無地でも柄でもノーカラーでもジャケットじゃないセットアップでもなんでも良いんですが・・・是非「おしゃれに自信がない初心者」こそ手を出してみてください。

何しろセットアップはインナーと靴と小物を決めれば良いだけ。コーディネートを作るのがとても楽チンなのですね。
あまり迷わずサマに見せることができるのがセットアップの良いところ、着こなしに自信のない方も是非手を出してみてください。最初はGUがおすすめです。

 

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