アパレル業界裏話

アパレル小売再生のカギは「オシャレ古着」??表参道ヒルズ「Edition/エディション」が魅せるセレクトショップの進化系とは??

 

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最近「古着屋さん」市場が静かに盛り上がってきています。

 

目利きやリメイクを行う「オシャレ古着屋」さんが静かなブーム

 

Edition
Photo by http://www.edition-jp.com/shopmap/upload/ED_160118_shinjuku_02_620x406.jpg

 

表参道ヒルズなどに出店しているEdtionが古着の販売を行っており好調の様です。バイヤーの目利きで選んだヨーロッパ古着を格安で販売。往年の「イヴサンローラン」「クリスチャンディオール」などの古着を10000円以下などで放出しています。

 

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Photo by http://www.edition-jp.com/shopmap/upload/ED_160118_shinjuku_02_620x406.jpg

 

また、ミリタリーの古着M65などを解体しリメイク。現代風の細身のデザインに蘇らせてこちらもやや手頃な価格で展開しています。

 

「MADE FROM VINTAGE」と名付けられたEditionの古着や軍ものリメイクの展開。
これはまさに次世代のセレクトショップの生き方にふさわしいものだと感じます。

 

まず古着や軍物はファッションの原点です。長い歴史の中でファッションは洋服はすでにデザインもテイストもある程度出尽くしています。現代のファッションデザインの多くは焼き直しです。50年代の焼き直し、軍物の焼き直し、80年代を少し変えたもの・・・などなど洋服の歴史の中にある過去の名作アーカイブから着想を得たものがほとんどです。

 

トレンドも「リバイバル」と言って10年周期くらいに同じような流行が展開されているのですが、まさにこれが現代ファッションの在り方。出尽くしたデザインに焼き直しを加え続けることで、ぐるぐると回るような流行の系譜をなぞっているのです。もちろんいささかは「焼き直し」ているわけですから、「全く同じトレンド」はやってきません。少しずつ異なる進化を繰り返しているので、「流行は螺旋状に繰り返す」のです。

 

そんなファッションデザインの原点とも言えるのが50年代60年代70年代80年代などの古着や軍物。現代活躍するトップファッションデザイナーのほとんどが古着に着想を得ており、稀代の天才デザイナー「ジャンポール・ゴルチエ」などもパリの蚤の市などで古着を漁りそれをデザインソースとして活用するのです。

 

あまりピンとこない人は夏を待ってください。
数多くのブランドがリリースする夏のプリントTシャツ。このプリントの多くが実は古着のプリントを模倣したものだったりします。「ブランドのプリントTシャツを画像検索かけると80年代のバンドTシャツが出てきた」なんてこともあるかも・・・。

 

 

古着や軍物はある意味、何よりも「本物」な訳です。
多くのブランドが着想元として活用するデザインの源泉。「オシャレの元」となっているわけです。

「じゃあ皆古着を着ればいいじゃん?」

と思うかもしれませんが古着のデメリットはシルエットにあります。

 

上述の通りトレンドはわずかに違いを加えて「螺旋状に繰り返す」ものです。
わずかなディティールの違いやわずかな色の違い、そしてシルエットの違いが現代服と古着を見分けさせてしまう大きな材料となります。

例えば「デザインのわずかな違い」ならばシンプルなデザインの古着を選べば良いだけ。
例えば「色の違い」ならばモノトーンの古着を選べば良いだけ。白と黒とグレーはいつの時代も変わらず使えますから。

 

しかしどうしても誤魔化しが効かないものが「シルエット」です。

シルエットは流行により大きく異なります。Tシャツ一つとってみても、90年代は子供服のようにタイトに着用する「ベビーTシャツ」が流行りましたが、2016年の現代は「リラックスシルエット」が主流です。
また「リラックスシルエット」と一口に言っても「身幅や肩幅はゆるくても袖は細い」だったり、「袖はゆるくて身幅は細い」だったり、実に様々な形式があります。

 

デザインの源泉であり何よりも優れているはずの「古着」、
でも何故かどうしてもサマにならない。その理由は「シルエットが崩れているから」が大きいのです。

 

古着と現代ではシルエットに齟齬が生じる・・・その上古着は経年で伸びすぎたり、縮みすぎたりしていていびつなバランスのものが少なくありません。なかなか上手に着こなすのは難しいでしょう。

 

・・・と言ってももちろん全てが「ハズレ」というわけでもなく、選べば現代でも通用するシルエット・デザイン・色のものもあります。

 

それをバイヤーのセレクト力でチョイスしたのがEditionの古着ラインナップなわけで、
サイジングが微妙なミリタリーは無理やりお直しで再構築したというわけです。

 
 

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Photo by https://image-kinarino.ssl.k-img.com/system/press_images/000/584/524/1d6b6fca2e493c658d8ae54c52891a74fc2c7fea.jpg?1453427846

 

実はEditionだけでなく各地でこういった「目利きでセレクトしたオシャレ古着屋さん」がポツポツと目立ちはじめています。

古着屋さんは「キロいくら」で古着を段ボール単位で仕入れてそれをお見せに陳列して販売するという、ごくごく単純な仕入れ販売をしているところも少なくありません。そんな中「ウチの古着はちゃんと目利きしたオシャレなものしかないんだよ」というのがEditionなどの「セレクト古着」です。

 

ある意味一番コスパは高いはずです。マルジェラやグッチなどもソースとして使用しているデザインを「古着」だけに超格安で手に入れることができるのですから。シルエットを直してくれているものなら尚更です。

 

 

地方小売再生の一手に「古着」あり

 

今多くのセレクトショップが窮地に立たされています。
ブランドを仕入れて販売する「横流し系セレクトショップ」はボコボコと潰れています。

 

考えてもみてください。今までは通販がここまで台頭していなかったのですから、
「メーカー」→「地方小売」→「お客様」という図式が成り立っていました。
メーカーは全国各地にお店を出す資本がない。それに土地勘もなくその土地でどれだけ売れるかも理解できていない。だったら「販売を代行する」意味で地方のお店に「卸し」たほうが良いわけです。

メーカーは当然「地方小売」の利益分を価格に転嫁しなければいけません、商品は割高になります。ですがそれで地方にブランドが拡散できる。地方のお店もそれで利益が得られる。この状況が成り立っていました。

 

しかし今は通販が台頭してしまいました。どのメーカーでも簡単に通販サイトを実装できる時代になりました。「メーカー直販」が限りなく容易になったのです。

 

「メーカー」→「地方小売」→「お客様」

 

それでもこの図式って必要ですか?

 

地方小売って消費者にとって悪しき存在だと思いませんか?
何故ならば地方小売が「一枚噛んでいる」から価格が割高になっているのですよ。メーカーが直販通販を強化すれば欲しがる消費者に格安で届けることができます。消費者がマクロ的に望むことは良品を可能な限りの低価格で手に入れることです。その考え方の基においては「地方小売」は悪しき存在のはずです。

 

中身まで解説すれば、メーカーは定価の3割で商品を生産し、地方小売は定価の6割で仕入れて販売します。

 

原価30% + メーカーの粗利30% + 地方小売の粗利40% = 定価

 

こういう構造です。メーカーによって大きく差はありますが、一般的にはこんなもんです。

 

つまり小売が無くなれば商品は4割安くなるのです。

 

無論これは机上の計算なので実際にはそこまでいかないでしょうが、、、2,3割は安くなるのは間違いないでしょう。

 

ただしもちろん、この地方小売が「考えもつかない着こなし方」だったり「オシャレにさせるために的確なアドバイスを行って無駄な買い物をおさえてくれる」だったり付加価値となるサービスを与えてくれるのなら存在意義があります。サービスですから、そこに対価は発生します。

 

しかし今は地方小売も通販をはじめて、ろくにコーディネートの提案もしない。ブログは「ラーメン食べました、おいしー」とある。市場にとっては「単に悪銭を食う存在」になっており、実際に今ドンドン淘汰が進んでいます。

 

 

「じゃあ俺たちはどうやって生きていけばいいんだ??」

と嘆く地方小売は多いですが、嘆いても頭を回さない人が多いんです。残念ながら。
新しいことを考えず怠惰に溺れてただただ衰退を待っているお店がとても多いこと。

 

一つ。
地方小売再生の方法として私はこの「古着」があると思っています。

 

地方小売が「俺たちはセンスがある」「コーディネートのアドバイスができる」「オシャレができる」といのなら古着の目利きを行って、良品を仕入れて販売する。またリメイクして良品に変えて格安で売ることをすれば良いのです。

 

ブランド品ではなく一点ものだから他競合店とかぶることはありません。一点ものである以上通販も台頭しにくい市場です。かつブランド品より数倍安い、その上「オシャレの源泉」とも言えるデザインです。価格においても商品そのものにおいても優位性があり競争力があります。

 

初めに述べた通り、実際に今「オシャレな古着屋さん」が盛り上がっているのです。「キロいくら」で仕入れるのではなくちゃんと目利きしてオシャレなものを揃えて販売するスタイル。トレンドもきちんと意識してリメイクも行ったり。

 

これを数多くのデザイナーズブランドを見てきた目利き力とトレンド理解のある「デザイナーズブランドを売っていた地方小売」などが手がければ商売成立します。古着屋さんは古着しか見てきてないのですから、なかなかトレンドの把握もできていない人が少なくありません。しかしデザイナーズを見ている人たちは今のトレンドや着こなし法をきちんと理解している。だからこそ古着に手をつけて業態転換すべきなのです。

 

さらにいえば古着なら「粗利」もとれます。
目利きやリメイクで付加価値が発生しているわけですから、少し高めの値付けをしても許容されるはず。古着の仕入れ値ってびっくりするくらい安いものも少なくないですから・・・客数稼げないなら他がやらないリメイクなどで客単価を高めに設定して営業も出来るでしょう。

 

 

今巷で静かに盛り上がっている「オシャレ古着屋さん」。
地方小売再生のヒントもそうですが・・・消費者的にも「良デザインを格安で手に入れる」良い流れです。
是非注目してみてください。

 

 

 

 

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