アパレル業界裏話

【ハイブランドは何故高い?】ルイヴィトンが150年間売れ続けている理由

 

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今回はメルマガ内の人気コーナー「ブランド百科事典」の内容をお届け
このコーナーでは国内外問わず1つのブランドをピックアップして、歴史やデザイナーの考え、なぜ高いのか、今買うなら何がおすすめかを解説しています。そして今回解説するブランドは、世界最高峰のラグジュアリーブランドである「ルイヴィトン」です。
 

ルイヴィトンと日本の意外な関係

 

2019年度の売上高が6兆円という、天文学的な数字を叩き出した「LVMH」の中核をなすのがルイヴィトンというブランド。
LVMHはいわゆるコングロマリット(複合企業)です。セリーヌやフェンディ、ディオールなどのファッションブランドの他、お酒のブランドであるモエやヘネシー、フランス百貨店のボンマルシェなど業種を問わず様々なブランドを抱えている超巨大コングロマリットですが、そんな巨大企業「LVMH」の「LV」はルイヴィトンのことを指しています。
つまりルイヴィトンは、世界中のブランドを囲っている大資本グループ企業の中でも、中核を担っているブランドなわけです。
 

ルイヴィトンは1854年にスタートし、当時は防水機能が備わった旅行用トランクを販売していました。防水性のあるトランクは当時珍しく、それが評価されて世界中に顧客が増えていきました。

 

他にもルイヴィトンが有名になっていくきっかけはいくつかありますが、1つは「モノグラム柄」。
ルイヴィトンのモノグラムデザインは100年前に作られ、今も変わらずにあります。
つまり100年前に作られたモノグラム柄のトランクやバックが、今もほとんどデザインが変わらずに売れ続けているのです。
同じものを100年以上売り続けているのに未だに品薄な状態が続いている。
これがとてつもなく凄いことなのだとお分かりいただけると思います。
 

モノグラム柄がどこから生まれたかと言うと、実は日本が関係しているのです。
当時のパリ万博で日本ブースはすごく人気がありました。日本庭園や家紋など、日本独自の文化がフランスの人々の目に留まり、ジャポニズムがもてはやされていた。
そしてルイヴィトンは当時、偽物の出現に困っていました。その対処法を考えていたときにパリ万博の日本ブースで家紋のマークを見つけ、それをルイヴィトンのマークにして本物の証明にしてみようと作られたのがモノグラム柄だったというわけです。
 


 

モノグラムの中には、丸い花柄のようなマークがあり、これは薩摩藩島津家の家紋から取られていると言われています。
 


 

それ以外にもルイヴィトンで人気のある四角い模様のダミエ柄は、日本の市松模様から取られているとも言われています。
ルイヴィトンからすると日本は極東の小国。そんな日本の文化から着想されてモノづくりを行っているのです。
こうして機能性とデザイン性が認められ、少しずつハイブランドへ道を辿っていきます。

 

100年以上クオリティを維持し続ける製品コントロール

 

ルイヴィトンのすごいところは、マーケティングの基本である4Pを自社でコントロールできるよう、150年間徹底的に管理・実践しているところ。
 

マーケティングの4Pとは以下の通りです。
1、Product(製品)
2、Price(価格)
3、Promotion(販売促進、CM)
4、Place(販売ルート)
 

まずは4Pのひとつめ、プロダクト(製品)。ルイヴィトンはどのように製品をコントロールしているのでしょうか。
まず大前提としてルイヴィトンというのは、極めて高い職人技術をもったブランドです。彼らは職人を雇い、高いレベルの製品が作れるように人材育成の制度まできっちり会社で用意して、クオリティの高い商品をハンドメイドで作っています。
 

だから100年以上同じものを売り続けているけれど、未だに品薄になっている品番があるわけです。
本当はもっと早くたくさん製品を作りたいけれど、ハンドメイドで高いクオリティの製品が作れる職人を育成するのに時間と労力が必要だから、たくさん作れない。粗製濫造をせず製品のクオリティを徹底的に落とさないという姿勢がルイヴィトンの在り方なわけですね。

 

職人技術という点以外でいうと、実はルイヴィトンにはアウトレットが存在しません。
アウトレットは、B品やキズものなど少し失敗したけれど、廃棄するのはもったいないから値段を下げてお客様に提供する、というのが基本的な考え方。
 

ではなぜルイヴィトンではアウトレットをしないかというと、製品として完璧なものだけを流通させて製品をコントロールすることで、ルイヴィトンのプロダクトを守っているのです。
まさにマーケティングの4Pの基本であるプロダクトを自社で徹底的に実践、管理しているのがルイヴィトンの在り方といえます。
 

顧客を裏切らない価格管理

 

プロモーションの4P、2つめがプライス(価格)です。
ルイヴィトンは、実は150年間一度もセールをしたことがないブランドだというのはご存知ですか。
なぜセールをしないのかというと、製品の価値がわからなくなるからです。
例えばどこかのお店で定価1万円で買った商品が、1ヶ月後に30%OFFの7,000円になっていたら・・・本当の価値がわからなくなってしまいます。1万円で購入した人を裏切ることになり、7,000円で買えるものなんだという捉え方をされてしまう。そして1万円で買う人が少なくなっていくという悪循環を引き起こさないよう、ルイヴィトンではセールを行っていないのです。
 

150年間セールを行わず、10万円の商品は10万円でしか売らない。だからこそルイヴィトンの製品は、今でも価値が高いまま売れ続けているのです。
このようにマーケティングの4Pであるプライスをコントロールすることで、自社が決めた価格によって顧客を満足させられるというのは大きな強みです。
 

唯一無二の価値を作り出すイメージ戦略

 

マーケティングの4P、3つめはプロモーション(販売促進、CM)。
ルイヴィトンのCMや雑誌に載っている広告では、「この製品がおすすめです」と1つのアイテムを取り立てることをせず、基本的にイメージを売り込みます。

 

例えばauのCMなら「学割半額!」や「この機種1万円!」など値段や製品のクオリティを訴求するのがプロモーションの基本です。
ところがルイヴィトンの場合は、よくわからない崖にかっこいいモデルが立っていて、よく見るとルイヴィトンのバッグを持っている。モデルがスポーツカーに乗り、ぱっとこちらを見たときにルイヴィトンのサングラスをかけていたりする。そうしてブランドイメージを売っています。
 

なぜそうするのかというと、値段や製品クオリティの訴求をすると真似されるからです。
例えばau学割半額とPRした場合、ソフトバンクも半額にすれば価値は同じになってしまう。
つまり値段や製品クオリティで訴求すると、差別化がしにくくなるのです。その結果誰でも真似できるようになり、競合他社に負けてしまう。いたちごっこが始まってしまうわけです。
 

しかしルイヴィトンはCMで値段や製品クオリティではなく、イメージを売っています。
ルイヴィトンの製品を持った生活スタイルというイメージを売っており、これは他のブランドで替えが効かない。ルイヴィトンでないとダメということになるわけ。
彼らは大量のお金をかけて徹底的にイメージ戦略をして、プロモーションを支配しているわけです。
 

徹底した販売ルートの管理

 

そしてマーケティングの4P、最後のプレイス(販売ルート)。
実はルイヴィトンというのは、ライセンス品が存在しません。

例えばイオンなどに行けばランバンやディオールなどの贈答品やお中元用のタオルセットが売っていたりします。あれはディオールのデザイナーが考えて作っているわけではもちろんなく、日本の企業がディオールとライセンス契約を結び、ディオールの名前を借りてタオルを作る代わりにお金を払っているわけ。極端な言い方かもしれませんが、わかりやすく言うとこれがライセンス契約です。
 

なぜライセンス品をやるかというと、極めて簡単に収益化ができるから。そしてそれぞれの国や市場でリサーチの手間をかけず確実に製品を売るためです。
先程も言った通り、ルイヴィトンからすると極東の小国である日本で何が売れるのかはわからない。だから日本の大きい企業に任せ、ブランドの名前を貸して製造・販売してもらう代わりに、手数料を支払ってもらうわけです。
 

ルイヴィトンではこのライセンス契約を一度も結んだことがありません。
なぜかというと、当たり前ですがライセンス品は諸刃の剣で、先程言った通りローカライズという意味ではうまく機能する可能性もありますが、同時に粗製濫造する可能性が高まるからです。
例えばクリスチャンディオールという煌びやかなブランドが、イオンでタオルを売っていたらどう考えてもブランディングを下げてしまう。そして様々なところからブランド名を借りた商品が販売され販売経路が複雑化するため、偽物が出やすくなる。
このようにライセンス品というのは、粗製乱造によってブランディングを下げる可能性があるわけです。
 

こうならないようにルイヴィトンではライセンス品をやっていません。ルイヴィトンはすべての製品を自社で製造し、どのような流通経路を通ってお客様に届いているのかを支配することで自分たちの価値を維持しようとしているわけです。
 

伝統と革新の共存

 

以上がルイヴィトンにおける「マーケティングの4P」のコントロールです。
4P全てを支配することで、ルイヴィトンというブランドは150年間セールをしなくても、モノグラム柄の製品やトランク、バッグをずっと売り続けることができているのです。
まさにマーケティングのお手本のような企業がルイヴィトンなわけですね。
 

そんなルイヴィトンですが、ここまで聞くとさぞかし頭の固い古めかしい老舗のようなイメージが出てくるかもしれません。
しかしルイヴィトンは新しいことを盛んに行うブランドとしても知られています。
例えば1990年代にルイヴィトンのデザイナーとして就任したマークジェイコブス。彼はLGBTなのですが、ルイヴィトンというLVMHの主役となる王道中の王道ブランドが90年代においてはすごく少数派だったLGBTのマークジェイコブスをデザイナーに起用し、世間にそれを隠さなくていいようにしたのです。
ルイヴィトンというと職人気質で格式があって固いブランドのように感じるかもしれませんが、マークジェイコブスがLGBTでそれをカミングアウトしながらヴィトンのバッグを使っても、まったく気にしない会社です。
そうして新しいことをどんどん取り入れているのがルイヴィトンのすごいところ。
 

他にも記憶に新しいのはルイヴィトンとシュプリームのコラボレーション。
ラグジュアリーとストリート、絶対に交わらない水と油のような関係をコラボさせました。
ルイヴィトンではトランクやバッグがずっと売れているし、新しいことなんてしなくても何も問題ないにも関わらず、ストリートカルチャーを認めてラグジュアリーと融合させ、新しい価値を提供することをやっている。彼らは本当に新しいことに対してとても貪欲なのです。
 

現在のルイヴィトンのデザイナーはヴァージルアブローというアフリカ系アメリカ人で黒人の方。人種的な話はセンシティブになってしまいますが、未だかつて数あるヨーロッパラグジュアリーブランドの中でもアフリカ系アメリカ人をメインデザイナーに置いた例はなく、今回ルイヴィトンが初めてなのです。
これらの例から分かる通り、彼らはそういうつまらない区切りや慣習に縛られず、自由に価値をお客様に提案することを常に考えています。
 
職人気質でマーケティングの4Pを守るというとても固い部分もありながら、まったく新しい価値を取り入れて提供している。伝統と革新、両方の面を持ち合わせているのがルイヴィトンのすごいところです。
 

ということでルイヴィトンのブランド百科事典、簡単にお伝えしました。
こうしてルイヴィトンを知ると、ただの成金ブランドではないことが良くわかると思います。
メルマガではさらに詳しく解説していますので、興味があれば是非登録してみてください。

 

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