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かなり昔から私は「福袋買っちゃいけない説」を唱えていますが、ここでその論拠をまとめておきます。大きくわけて3つほど福袋を買ってはいけない理由が存在します。
理由1.アパレルは在庫消化方法を常に探している
Photo by http://www.racine-cinq.co.jp/portfolio/
まず一つ目の理由。
そもそもアパレルは在庫消化をとにかくしたがります。
これは後述する通り構造的に仕方のないことなのですが…だからこそ福袋という体の良い在庫消化の方法を採るのです。
何故アパレルは在庫消化をしたがるのか。
それは在庫によってお金が目減りしていくからです。アパレルショップでは「シーズンで生産した商品が100%完売する」ということはまずあり得ません。どんなに優れた販売員がいても、どんなに素晴らしいブランドでも、必ず洋服は売れ残る。優秀なショップでも1シーズンあたり10%は残るものです。
そして残った在庫はとにかく売れません。「残っても来年売ればいいじゃん」と思うかもしれませんが、一年経った洋服はいわば型落ち品。去年のセールでも見かけた洋服を誰も手に取らなくなるのです。
そもそも洋服は定番服であってもほぼ必ずどこかしらリサイズしたりマイナーチェンジします。毎年毎年微妙ではあれどトレンドは変わっているのでブランド側はそこに対応すべく定番ものでも調整をかけます。つまり昨年展開された型落ち服はどんなにベーシックなものでもほんのわずか古臭く見えるものなのです。
また一度セールをかけたら基本的に値段は戻さないのが業界の慣習です。
特別なコンセプトがある場合などもちろん例外もありますが・・・古い型落ち品を定価で販売するのは「新作のフリをしてる」様にみられるため、業界ではナシと考える人が多い。いわば詐欺みたいに見えちゃいますからね。顧客リピーターなら「去年のものをまた新作のフリして売ってる」と思われるためお客様への見え方も悪い。なのでほとんどのお店がやりません。
つまり「在庫は残ったら効率的に無くす方法は存在しない」
古い型落ち品は誰もみてくれないし、定価に戻して新作のフリをすることも基本的にはできない。
すると1年目の売れ残り在庫は大したことがなくても、毎年毎年の積み重ねでじわりじわりと在庫の量は増えていきます。4,5年経てば「引っ越し」を迫られるほど倉庫が逼迫してくるお店も珍しくない。
さらに困ったことに在庫とは経理上はお金と同義です。いずれ現金化される資産ですから。わかりやすく言えば在庫の分だけ使えるお金が減っていきます。新しいものを仕入れなければいけないのに自由に使えるお金が限られてくる。そうして仕入れが困難になり倒産撤退に追い込まれるお店は少なくありません。(さらに悲しいことに在庫に対して税金はかかるので、在庫は持ってるだけで現金自体も減っていく)
だからアパレルは「効率の良い在庫消化方法」を常に探しています。
そう、つまり「福袋」はアパレルにとって極めて都合の良いものなのです。
型落ち品が余って仕方ない、安くてもいいから現金化したい、でも激安にすればブランド価値は毀損されるしあまりにも古い型落ち品を並べるのもイメージが悪い。「じゃあ隠して売っちゃおう!」というのが福袋。
在庫消化に必死なアパレルがこぞって取り入れるわけです。福袋を買って開けてみると「型落ち品だらけ」な理由はそのためです。
理由2.中が見えない構造になっている(福袋は宣伝にならない)
「福袋って宣伝になるから良いもの入れるでしょ?」と思う人もいるでしょうが、これは全く違います。
そもそも単純な話、宣伝になるなら隠す必要ないわけです。
だって隠して販売したら「手に取った人」にしか宣伝にならないでしょ?中身を見せて販売したら「手に取らなかった人」にもリーチできるじゃないですか?どっちが宣伝効果が高いかなんて小学生でもわかる理屈です。
「得するだろう」と思えるような中身なら、「こんなのが入ってますよ!」と中身を見せて宣伝した方が良いに決まってます。それでも隠すのは何故か?それは「みられたら都合が悪いから」に他なりません。つまり宣伝する気などないのです。
もちろんこの「中身を見せる福袋」を行っているブランドもいくつかあります。特に109のレディースブランドだと結構な割合で中身を見せて販売しています。宣伝になるだろうと「今年人気だったあのコートが入ってます!」と大々的に打ち出しているところも。隠すお店は「それなりのもの」しか入ってないから隠すんですよ。極めて簡単で単純な理屈です。
理由3.福袋でクレームが来ても痛くも痒くもない
「でも、福袋に悪いものばかり入れたらクレームになるじゃん!」
「福袋が悪かったらリピートしないから、そこまで酷いものは入れないでしょ・・・?」
と淡い期待を持つ人も多いでしょうが、これも実は違います。
これはアパレルなら誰でも知ってることですが、福袋を買う人は普段お店で買う人ではありません。実は「福袋」と「通常の販売期間」では客層は全く違うのです。
福袋は基本的に「憧れているブランドで、いつもは手が出せないけど福袋なら」と手を出す人が多いのです。「普段は価格帯的に手が届かない」という客層が多い。残酷な様ですが、普段買わない人なのでその人にそっぽ向かれてもショップ側は痛くも痒くもないのです。。。
また福袋が中身を隠している理由のもう一つに「顧客に買わせたくないから」というものもあります。実は中身を隠すことで、普段買ってる客層が手に取らなくなるのです。
それは何故か?
理由は簡単です。普段買ってるからこそ、「自分が買った服が入ってるかもしれない」と思うわけです。その疑念を払拭できないから、他の人よりも損をする確率が高いから、福袋を買わないという選択肢をとるわけです。
ショップスタッフ側も顧客には利益率の高い新作を買って欲しいと思うのと、クレームを避けるため、福袋を買わせないように説得します。「いやあまり良いもの入ってませんから・・・」と暗に説得して新作へ誘導するケースも少なくありません。
だから、ぶっちゃけ福袋でもしクレームが起きても別にどうってことないのです。
だってその人は普段買わない人なのだから。
型落ち品であるかどうかも知らないだろうし、文句があってもその人はリピートする確率が低いので別にそれでも良いと。残酷ですがこんな構造になっています。
新年の福袋、安易に手を出さない方が良いですよ
以上3つの理由から福袋には「ほぼ」良品が入ってないと言えます。
もちろんそうは言っても見えない福袋に「良いものが入ってるかも」と妄想する気持ちもわかるし、私自身もたまに魔が刺して買ってしまうので笑、まあ一概には言えません。
また「白シャツを欲しくて買ったら、たまたま(型落ち品でも)白シャツが入ってたからアタリだ!」なんてこともありますから・・・。たまたま自分の需要と福袋の供給がマッチすることもあります。なので一概に「ダメ」とまでは言いません。ただおそらく「損をする確率の方が高い」というだけです。
1月2日になればどのブランド、どのショップもこぞって福袋を売り出します。くれぐれも心惑わされないように。私個人的に言わせていただければ、福袋を買うお金を使って好きな服を一着買った方がおそらくよほどおしゃれになれる・・・とは思いますよ。ご参考に。
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