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春になると無性に穿きたくなるのが「インディゴデニム」。
春らしいブルーの色合いでダークトーン一辺倒だった秋冬しの気分を吹き飛ばしてくれるというもの。
ただし、「インディゴデニム」と一口に表現しても実に色々な「色合い」があります。
色落ちデニムなどをよくよく愛用するお国にアメリカとフランスがありますが。
この2カ国でも「色落ちデニム」の違いが明確に存在します。フレンチライクなインディゴに、アメリカンな印インディゴ・・・多様な種類の中で今年は何を選ぶべきか、着まわしやすいのはどんなモデルなのか。
今日はそんな「デニム」のお話。
インディゴデニム3種類の色落ちについて
色合いについてですが。
同じインディゴデニムでも多種多様なものがあります。
大きく分けると3つほどでしょうか。
▼デニムの色合い1.アメリカンなヴィンテージデニム
Photo by http://www.clack.jp/upload/save_image/01161543_52d77f869f3c4.jpg
まず一つはインディゴデニムといえばアメリカンなヴィンテージ色落ちタイプ。
着用シワに沿った「ヒゲ」と呼ばれる色落ちが特徴的。粗野なイメージがあるアメカジらしい色合い。ベッカムあたりが白Tシャツなどに合わせてラフに着ているのが想像できますね。
洋服に「ドレス」と「カジュアル」の二方向のテイストが存在します。ドレスとはスーツスタイルを表し、カジュアルとはラフな日常着のようなスタイルを表します。両者はまた「大人っぽい」「子供っぽい」などの印象を決定する要素ともなります。この二軸をバランスよくミックスすることが「オシャレ」という状態です。未読の方はまずはこのメンズファッションの方程式、大原則を学んでください。下記記事に詳しく書いてあります。
※「ドレスとカジュアルのバランス」に関して未見の方は下記記事を一読ください。メンズファッションの大原則が理解できます。
【初めてこのサイトに来た人へ】最も早くオシャレになる方法とは?メンズファッションで気を配るべき一つの答えとは?
さて上記の記事の内容を踏まえて説明を進めています。
デザインや装飾は基本的にあればあるほどカジュアルに傾倒します。スーツは「ミニマル(最小限)」のデザインです。プリントもなければ刺繍もありません。切り替えもポケットも少なくシンプルそのものが基本です。
一方でカジュアルはデザインをゴテゴテとつけるものです。ポケットや切り替えがあったりTシャツにはプリントを、巻物には刺繍を施したりしますね。この相反する極端な方向性が「ドレス」と「カジュアル」の間には存在します。
そしてこの関係性は「色落ちデニム」に対しても同様に働きます。
色落ちが過度にデザインされたもの、例えば同じ色落ちデニムでも・・・
Photo by http://www.samurai-j.com/square/img/20131021_1.jpg
こんな派手にシワやアタリが入ったデニムと・・・
Photo by http://fashionmen.taisy02.com/IMG_3145a.jpg
こんな風にあまり目立たないようなややシンプルめな加工とでは、受ける印象・・・「カジュアル度」がまるで違います。派手であればあるほど、デザインがあればあるほど、シワやアタリがあればあるほどカジュアルに傾倒するわけですね。アメカジの色落ちデニムは基本的に「派手にシワやアタリ」をつけたものが多く、カジュアルでラフな印象が非常に強くなっているのです。
▼デニムの色合い2.フレンチのヴィンテージデニム
Photo by http://www.deepinsideinc.com/blog_byintention/wp-content/uploads/2014/03/by140323DSC07129.jpg
一方でフレンチカジュアルに用いられる色落ちデニムはアメカジとまた違った表情です。
フレンチカジュアルの代表ブランド「A.P.C./アーペーセー」の色落ちモデルなどによく見られますが・・・同じ色落ちデニムでも「アタリ」がほとんど存在せず、全体に均一に色が落ちている風合いになっているもの。サックスブルーの色合いになっているものが多いですね。
同じ「色落ち」でもアメカジとこのフレンチとでは受ける印象がまるで違うことが理解できるでしょう。アタリが少なければ少ないほど、全体に均一に色落ちしているものほどシンプルで「ドレス」にわずかに傾倒しており、品の良い大人っぽい印象を受けやすいものなのです。
フレンチカジュアルとアメリカンカジュアルは同じ「カジュアルスタイル」でも相反する例としてよく挙げられます。
Photo by http://gigaplus.makeshop.jp/berberjin/shopimages/1_007000001435.jpg
アメリカ軍のM65はポケットもごちゃごちゃとついているものですが・・・
Photo by http://shopping.c.yimg.jp/lib/waiper/f2-od-used-1.jpg
フランス軍のF2ジャケットはポケットをZIPにして内側に隠してミニマルなデザインにしたり。
もちろん軍物はミッション内容の違いによってデザインが決まるので、彼らのファッション観の差をここだけで語るのはいささか話がズレるのですが・・・わずかな美意識の違いくらいなら感じ取れるかと思います。同じカジュアルウェアでも同じミリタリーウェアでもフランスとアメリカでは大きく異なるのですね。
▼デニムの色合い3.UKライク、ソリッドな生デニム
Photo by http://www.aud-inc.com/data/aud-shop/product/20130315_949ffa.jpg
3つの色合い、最後は生デニムです。
「生」とは「洗いをかけていない」状態のことです。厳密に「生」じゃなくても、それに準ずるような濃い色合いのデニムのことを「生デニム」なんて表現する人(雑誌)もいます。いずれにせよ上述2パターンの「色落ちデニム」とは全く違う表情。シワもアタリも”まだ”生まれていない状態の未成熟なデニムのことです。
上述を読んでいれば理解できるとは思いますが、
「生デニム」は最もシンプルでデザイン的な装飾が無い状態です。
シワもあたりも存在しませんし、色味もドレスな色である「黒」にやや近い「濃紺」です。遠目からみればスラックスなのかデニムなのか分からない・・・という場合もあるでしょう。
カジュアルなアイテムであるはずのインディゴデニムですが、このように「生」状態ともなるとグッとドレスな印象が高くなるのです。デザインもない色もスーツに近いダークトーン。ある意味アイテム単体で「ドレスとカジュアルのバランス」がある程度取れている状態となっているわけですね。
だからこそ生デニムは着こなしやすいのです。
ショップスタッフに相談してみてください。「使いやすいインディゴデニムが欲しいんですけど」と。
そうすると大体濃い色のデニムが出てくるでしょう。実際に手持ちでデニムを数本持っている人は着まわしやすさをすっかり実感できているはずです。濃い色で「アタリ」などデザインがない状態、それだけで同じアイテムでも印象はまるで違うのですね。
このように「ドレスとカジュアルのバランス」がある程度取れているアイテムは「着まわしやすい」ので初心者がまず集めるべきものです。初心者がまずはじめにUSライクな色落ちのインディゴデニムを買ってもなかなか「オシャレ」っぽくは見られないでしょう。インディゴデニムであれば初心者はまず濃い色の「生デニム」に手をつけるべきなのです。
生デニムで有名なブランドは・・・
上で説明した通り・・・そんな着まわしやすい「生デニム」。
昨今ではトレンドの「ノームコア」(シンプルで無地などを好むスタイル)も手伝って市場では老若男女問わず大流行しています。
特に売れているブランドが・・・
Acne Studios/アクネステゥディオズ
Photo by http://knower.biz/wp/wp-content/uploads/2016/01/FullSizeRender4.jpg
96年に創業したスウェーデンのブランド。アパレルウェアやライフスタイルアイテムなどトータル展開するブランドですがもともとデニム事業を強化して展開していた歴史もあり、未だにデニムのイメージが非常に強いブランド。2008年ランバンとの協業により上向きだった世界的な認知は更に加速。現在はヨーロッパだけでなくNYや日本などにも多く流通する世界的なデニムのトレンドを構築する「プレミアム・デニム・ブランド」に成長しました。
毎シーズン多くの素材・多くのシルエットを展開していますが、中でも大人気なのが「細身のノンウォッシュ」タイプ。ヨーロッパのクリーンなイメージ通り、洗練された印象です。
Photo by http://img-cdn.jg.jugem.jp/b26/169512/20150519_1567474.jpg
カジュアルアイテムであるインディゴなのに、「極細」でダークカラーの「濃紺」。ドレスな要素を盛り込んだインディゴデニムと言えます。パーツなどにもこだわり、素材も海外ブランドながら日本製の極上デニムを使用したりと「プレミアム」な作り。加工が入っていないシンプルなモデルでも2万円台後半の値付けもザラです。(本国ではもっともっと安いんでしょうけどね)
A.P.C./アーペーセー
Photo by http://keeeeen.com/wp-content/uploads/2013/10/AD.jpg
「生デニム」と言われてパッとこのブランドを思いつく人がほとんどではないでしょうか。90年代「キレカジ」ブーム時代から日本に多く流通しており、「格好良い生デニムのブランドならアーペーセー」なんてイメージがしっかり根付いています。デニムならA.P.C.、羊羹ならとらやです。
Photo by http://image.rakuten.co.jp/sneeze/cabinet/03699875/img60997651.jpg
アクネと同様の細シルエット・生デニムの印象が非常に強いですが・・・両者は微妙に異なり、生地はアーペーセーの方がやや硬く、シルエットはアーペーセーの方がやや緩いイメージです。(もちろんモデルにもよりますが)
また色合いもアーペーセーの方が同じ生でも少しだけ薄めの色合いになっていることが多いです。
価格はアーペーセーの方がやや安め。原料価格の高騰により毎年の様にじわりじわりと値上がりしているアーペーセーですが、2016年1月にも値上がり済み。昔は15000円程度で買えたものが今では20000円台に突入しています。これ以上私の家計を圧迫しないで頂きたいですね。
ファッションに流行がある様に、デニムの色合いにも流行があるものです。加工デニムが流行ったり、そうかと思えば生が流行ったり、そうかと思えばクラッシュデニムなんかが流行ったり・・・。アーペーセーはデニムがあまり売れない時代も変わらず何十年もデニムを展開し続け、その地道な努力が実って「デニムならアーペーセー」というイメージがしっかり根付いています。2000年代「デニム不況」の時代は長くありましたが、ここ最近の生デニムブームでアーペーセーはまた息を吹き返しています。長く使えるちょっと良い生デニムが欲しいなあと思ったら流行りのアクネだけでなく、是非アーペーセーもチェックしてみてください。歴史が裏付けする蓄積された彼らのセンスと技術は評価に値します。アクネがどんなに優れたブランドでも見劣りすることなく比較検討する余地があるでしょう。
一方で量販店も負けていません。
ユニクロは2015年度から岡山の名門デニム素材メーカー「カイハラ」と協業し、国産の極上生デニムを超安価で展開していたり。
Photo by http://dep345.com/wp-content/uploads/ユニクロ%E3%80%80ジーンズ%E3%80%8021.jpg
ここに関しては以前メルマガでも解説しましたし、着用スタイルなども紹介しましたが・・・特段細かい部分にこだわらなければコレでも十分じゃないか??というくらい品質は高いです。形に難ありなモデルもあるのですが、しっかり選んで丈などに注意すれば十分使えるでしょう。そのくらいの品質があります。コスパ的には高いでしょう。
さて今回はこんなところ。
インディゴデニムの色落ちの話をしました。
使いやすい生デニム、是非この春チャレンジしてみてください。
なお毎週配信のメールマガジンでは「1万円以下で買えるユニクロじゃない、国内先鋭ブランドの生デニム」なども紹介していたり。興味ある方は是非ご登録ください。
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ユニクロなどのファストファッションでおしゃれをする内容はもちろん、今のトレンドやファッション情報を網羅したもの。中にはQ&Aやコーディネート診断など個別の悩みにも答えるコンテンツも用意しています。
試し読みをして気に入らなければ初月解約で全く構いません。
タダで読んで辞めたければ当月で辞めてください。全く構いません。
私はこれで日本のメンズファッションを変えるつもりです。
10年以上かけて構築した論理であり絶対の自信があります。
騙されたと思って読んでください。
おかげさまで日本最大のメルマガ配信スタンド、
「まぐまぐ」様のメルマガランキングでは人気第4位となりました。(堀江貴文さんが第2位)
2014年、2015年部門別「まぐまぐ大賞」も受賞。なんと5000人以上の読者を抱えています。多くの方に支持され絶賛配信中です。
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