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90年代のストリートトレンドを受けてトレンドに再浮上した「ビッグシルエット」。
「自分の体のサイズに合った洋服が一番!ビッグシルエットなんて流行、すぐに終わるでしょ?」
なんて思っている人も少なくないかと思いますが・・・
実はビッグシルエットのトレンドは
まだまだ終わりそうにありません。
「ビッグシルエット」は死なない
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2016-2017秋冬パリコレクションでは「ラフシモンズ」が見せた象徴的なルックがありました。
大人になりたくない思春期の男心がテーマ。ワッペンやラインが入ったスクール風のニットなどを使った少年風のコーディネートはどれも「スーパービッグシルエット」。少年の象徴であるスクールスタイルを、大人になることを否定するかのようなオーバーサイズ感で、思春期特有のメランコリックな感情を表現したものという。
ショーピースとなっているスーパービッグシルエットのニットなどはタウンユースとしてはいささか極端な表現かもしれませんが、現代のトップデザイナーであるラフシモンズが見せた今回のコレクションで「まだビッグシルエットは死なない」と確信したバイヤーも多かったことでしょう。
もちろんこの流れは「ラフシモンズ特有」のものなどではありません。
東京都内は今まさに展示会ラッシュ!渋谷原宿中目黒恵比寿・・・都内各地で次回2016年秋冬のブランド展示会が開催されており、「石を投げればバイヤーに当たる」状態です。
私もその中で様々なブランドにお邪魔して(仕事じゃなくて遊びに行ったりもして)1年後に発売する洋服を物色しているのですが、「ビッグシルエット」の洋服はまだまだ多いです。「流行の着こなし」と思っている方も多いですが、すっかり定番化しているようにも思えます。若いデザイナーズブランドだけでなくクラシカルなブランドもシルエットをゆるく調整しているところが少なくなく、この流れはまだまだ続きそう。
二軸のトレンドから後押しされる「ビッグシルエット」
そもそもビッグシルエットはどこから来たのか?
まず90年代HIPHOPムーブメントなどでUSメイドなオーバーサイズシルエットがトレンドになりました。
Photo by http://birnest.net/wp-content/uploads/2015/02/P2178954.jpg
オーバーサイズのデニムをさらに腰穿きなどして裾をダルダルにためたリラックスシルエット。スポーティーなバスケTやBBキャップ、ボリュームのあるスニーカーなどストリートは徹底してルーズなスタイルに染まりました。
そこからほどなくしてセレブカジュアルなどのトレンドが流行。レディースのようなタイトシルエットがトレンドとなり、また装飾なども派手になりラグジュアリーな方向へとトレンドがシフトしていきました。90年代のUSメイドのストリートトレンドの反動から、装飾や華美な着こなしを求めていったのです。
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中田英寿さんやデヴィッドベッカムなどサッカー選手のファッションに注目集まったのもこの時期。ラグジュアリーな素材や装飾を使ったきらびやかな洋服に人気が集まり、一般層においてはそれが「ギャル男」ファッションとして消化されていきました。
さらにそこからトレンドは変化します。ラグジュアリースタイルからの反動で徐々に現代のノームコアにシフトしていきました。「肩肘張らずに普通のスタイルが良いんじゃない?」とスウェットやデニムなどを求めたのがノームコア。シルエットもガチガチに細かったスタイルから徐々にルーズになっていき、ジャストフィットよりリラックスフィット、スキニーよりテーパードといったような変遷が見られました。
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「別に肩幅が合った服が素晴らしいとは限らない」
「別に身幅がジャストフィットなものが美しいとは限らない」
と既存のサイズに対する概念が徐々に崩壊していきました。
ファッションピープルの間で
「サイズは身体に合ったものを選ぶ」という認識から「サイズは着用者の自由意志で選ぶもの」というものにシフトしていった様に思います。実際にお店などでのサイズ別の売れ行きを眺めても、「SサイズやMサイズ中心」から「MサイズやLサイズ中心」に販売が進んでいます。これはどのお店も認識していることかと思います。
そういったサイズに対する既成概念の崩壊と同時並行的に、「レディースを着てもいいじゃん」「メンズを着てもいいじゃん」といった性差の崩壊が進みました。ジェンダレスという形でトレンドになっているこの流れは現代とても顕著に見られます。海外コレクションブランドの多くは男性女性モデルを織り交ぜながら展開したり。一般層においてもユニクロがレディースの通販ページで「メンズアイテム」を展開したりと年を追うごとにその傾向は強くなっています。(実際にユニクロでは2015年度のルメールコラボコレクションは”女性がメンズアイテムを買う”という購買行動が多く見られたそうです。)
シルエットの変遷から来る「ビッグシルエットの流行」と、
ジェンダレスの流れから来る「サイズを無視する」という流れ。
両軸から強く押される形で現代ビッグシルエットの流行は消えることなくまだまだ加速しています。
着こなしで表現できる「ビッグシルエット」
このビッグシルエットのトレンドは「オシャレ人口」を増やすことにもつながるかなと思っています。
セレブカジュアルなどの時代、タイトシルエットが大きく取り上げられた時。
ファッショントレンドは限られた人のためのものにしか成りえませんでした。
誰もがモデル体型な訳はありませんから。
ピチピチにタイトなパンツやジャケットやシャツなどをスポーツ体型の方が着ることはできない。
私も足が短く顔が大きめだったり「難あり」なので、はっきりと体型が出てしまうタイトなシルエット」なんてのにやや抵抗を感じていました。しかしビッグシルエットであればすっぽりと自分の身体の線を隠すことができます。体型を気にせず誰もがオシャレを楽しめるという意味でビッグシルエットのトレンドはとても有難いものです。
またユニクロなど世の中にありふれた洋服であっても「サイズに変化をつけてビッグシルエットで着る」なんて工夫でトレンドライクに、オシャレに見せることもできるわけです。
ノームコアトレンドの影響で市場には「普通の洋服」が溢れかえるようになり、「物だけ」で差別化する時代が終わったようにも思えます。90年代の裏原宿ブームの時はそれが顕著でした、「限定品でブランドのマークが入った”アレ”を着ていればオシャレになる」という物で差別化する時代。物をGETするしないでオシャレが決まる時代でもありました。皆の共通言語としてブランドアイコンが存在しそれが単純にオシャレを示すものだったのですね。
しかし今はそんなことはありません。ブランドアイコンが入っているものは逆に「痛々しい」とも評されるくらい。「肩肘張らなくていいんじゃない?」というノームコアトレンドからシンプルでベーシックな服に人気が集中、「物」ではなく「着こなし」で差別化する時代になりました。
シルエットを崩す、着こなしを工夫する、配色で変化をつける・・・ありふれた洋服をそんな風に工夫することを求められているのが「現代のオシャレ」です。
・・・「ビッグシルエット」の流れはまだまだ続くでしょう。抵抗を感じている方も「身体にあったものが史上だ!」と思っている方も是非一度試してみてはいかがでしょう。スタンダードな着こなしに少し変化を与えることができますよ。
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