アパレル業界裏話

日本で売られている洋服は50%以上が売れ残って処分されている。

 

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アパレルの闇について、動画で配信しました。
ここではさらに深い情報を書いていきます・・・。

 

日本国内で供給されている洋服は過半数以上が売れ残ってます

 

そもそもこの事実を知らない人も多いのですが、実は日本国内で供給されている洋服は過半数以上が売れ残ってます。
生産された洋服のうちおよそ半分以上が誰の手元に渡ることもなく処分されている、こんな非効率的な業界が他にあるでしょうか?

さらには困ったことに残った洋服のほとんどが焼却処分されています。
環境負荷的にも生産効率的にも販売効率的にもオカシイと思いませんか?だって売れ残った洋服の「原価」「焼却費用」なども無論のこと、洋服の定価に上乗せされているわけですよ?つまり構造的な意味においては、「需給のバランスが完璧に取れるならば洋服の値段は半額まで落とせる」わけです。(いささか乱暴な論ですが)

もちろんリネーム(ブランドネームタグを変えて”バッタ屋”で販売する方法)だったり、ファミリーセール(関係者に超格安で提供する)などの処分方法もありますが、これらはほとんど役に立たないくらい規模が小さい。基本的に残ったものは「焼却処分」です。

 

何故こんなことが起きているのか。
動画では説明しきれなかった部分も含めて解説します。

 

理由1.アパレルは需要予測が困難

 

実はアパレルは需要予測が極めて難しい。

レジPOSシステムなどによるデータ分析などは勿論可能ですが、アパレルはそもそも差別化の文化であるため需要が読みにくい。毎年変わらず需要がある、というわけではなく日々トレンドが変わっていく。例えば3年前まではスキニー がガンガン売れてたけど来年はワイドパンツが人気になる・・・なんてことも。変化が激しい業界だからこそデータ分析に限界があります。

 

少々余談になりますが、ワールドなどの大手アパレル会社の衰退の一端もまさにこのデータ分析にあります。データ分析を重ねた結果同じようなブランドを乱立させてしまった・・・メンズだったらTKとボイコットの違いってどこにあるの?アンタイトルとインディヴィって何が違うの?データ分析で戦った結果個性がなくなった店舗が乱立し、ファンを失い皆一緒に沈没してしまった。

個性を失った商売はどうなるか?洋服の青山などの紳士服業界も同じ轍を踏んでますが・・・価格競争となります。
商品価値で差別化できないとなると、価格に転嫁する以外方法がありません。すると当然体力の大きい、もしくは開発力の大きい効率的な大資本が勝つこととなります。近年のファストファッションの大きな躍進はこうした背景も手伝っているのです。

 

需要予測をデータに頼りすぎてしまった、だからアパレルの中層は死んでいった。死んだ結果価格で勝負できるファストファッションに勝てなくなってしまったわけですね。

 

いずれにせよ需要予測が難しく、かといってデータ分析に頼りすぎても失敗するため、在庫過多になりがちなのです。

 

「在庫がなくなった時点で追加する方法を取れば良いのでは?」と思うかもしれません。確かに需要予測が難しいなら、少量生産を繰り返していき「売れたら生産する」という方法を取れば解決しそうなもの。しかしこれもアパレルの根本的な問題ですが・・・実は「服の追加生産は極めて難しい」のです。

 

服はどんなふうに作るのか?

実は一社で全て作れるわけではありません。
ボタンやZIPはパーツ屋さんが作り、生地は生地屋さんが調達し、縫製は縫製工場が行い、加工は加工場が別で行い、デザインはブランドが行い、販売は小売業者が行う・・・と果てしなく複雑な分業体制によって形成されています。つまり追加生産をしたいのなら、これらの会社と生産するために調整せねばならないのです。およそ追加生産を決めてから販売開始までリードタイムは3ヶ月は最低かかるでしょう。

後述しますがアパレルにとって「3ヶ月」は致命的です。何故ならほぼ全ての洋服は販売開始から3ヶ月で30%も価値が落ちるからです(後で説明します)。つまり発売開始してからすぐに追加生産を決めたとしても追加分が納品される頃にはすでに30%も価値を失っているわけです。これでは追加しても意味がありません。

 

なおZARAをはじめとしたファストファッションはこのリードタイムを短縮することで適正在庫を獲得し覇権を取りました。彼らはなんと商品企画から実際にお店に並ぶまで3週間ほどしかかからないため、在庫を積む必要がありません。このリードタイムの短さがファストファッションが世界を席巻している大きな理由の一つなのです。

 

理由2.鮮度の問題

 

アパレルの商品価値は3ヶ月で30%下がり、半年で50%下がり、一年で90%下がります。

「なんのことか?」と思う人も多いでしょうが、つまり「セール」です。アパレルが作った悪しき慣習セールのおかげで洋服の賞味期限は極めて短いものとなりました。

通常商品販売から3ヶ月でセール期間に差し掛かります。もちろんその期間は前後する場合もありますが、概ね定価販売期間は3~4ヶ月程度しかないのが普通です。
そして通常のセール(30%OFF)で完売しない場合、モアセールと称して50%OFFまで値段が下がります、これがおよそ半年。さらに売れない場合はファイナルセールなどと呼んで90%OFFまで下がります。

 

「食べられないもの」になる生鮮食品と異なり、洋服はもちろんまだまだ使えます。なので誰にとっても1年で90%価値が落ちる・・・とは勿論思ってません。しかしながら少なくとも市場価値においてはこの通りです。1年経ったものはキャリー品と呼ばれ、90%OFFでも売れなくなることがザラなのです。

 

「それでもいつか売れるかもしれないんだから、並べておけばいいじゃん?」と思うかもしれませんが、セールで古い在庫を捌き、また新しく売り出す・・・業界の慣習があるため「去年のものをお店で並べている」行為はブランド価値を既存するのですね。そりゃそうですね、多くのお店が新作を大量に並べているのに、去年の服や一昨年の服ばかり並べているお店があったらどう思うでしょうか??当然去年買ったお客様は「あ、持ってる服が90%OFFになってる」とショックでしょうし、あまりリピート購入する気にはなれませんね。

 

加えて、在庫は税法上は現金預金と同じ扱いで「いずれお金になる資産」です。放っておいても税金がかかります。また、「いずれお金になる資産」ですから言い換えれば在庫はつまり「動かないお金」です。在庫が増えれば使える現金が減っていくことと同義なので、新しい仕入れが出来なくなります。なので経営上、在庫は可能な限り早く無くすことが求められるのです。

 

またこれも余談ですが、「福袋」とはこうした在庫に困ったブランドにとっての「体の良い処分方法」です。

 

そもそもなんで福袋があるのか?それは在庫処分するためにあります。それ以上の理由はありません。一部「福袋は宣伝になるんだから、良いものを入れてるはずだ!」と夢みがちな主張をする方がいますが、もし宣伝になるなら中身を公開した方が良いに決まっていますよね・・・?(実際109などの一部のブランドはそのような手法で宣伝を行っています)

 

お得だ!と思ってもらえる内容なら「こんなものが入ってますよ!」と中身を見せた方が効果的でしょ?にも関わらず何故わざわざ隠すのか・・・それは福袋の中身が「価値を失った在庫品」ばかりだからです。なので福袋は構造的には買わない方が良いわけです。市場価値ベースでいえば、福袋で得をすることは絶対にあり得ません。

 

理由3.オーバーストア

 

また在庫過多の原因のもう一つはオーバーストアです。

大規模店舗法の改正によりショッピングモールが乱立。ショッピングモールは2000年から2017年までで1.5倍も総販売面積が増加しましたが、他方で販売効率は順調に下がっています。床面積ごとの販売効率は著しく低下している・・・つまり誰の目にも明らかにオーバーストアなのです。

ショッピングモールがどんどん乱立され、そしてデータ分析による個性のないお店がテナントにバカスカ入り、個性のないお店が日本全国に増え過ぎてしまった結果・・・在庫が思うように売れなくなってしまった。上述の通りですが、結果、価格で優位性のあるファストファッションなどの大資本が勝つようになってしまったのです。

 

また対外的に売上が下がってることを隠すために、自転車操業していたアパレル会社も珍しくありません。個性のないブランドやお店が乱立するオーバーストア化が進むにつれて、当然のごとく既存店の販売効率が下がっていく。しかし会社は当然売上が下がっていることを見せたくない。

そこで新規店舗出店による売上増で現象店舗の差分を埋めるやり方を採ってしまったのです。既存店舗の売上が下がっていけばどんどん業績は落ちるけど、そこで新規店舗を出せば少なくともそのお店の分だけ売上が新しく生まれる。利益は伴っていないけれど「見せかけの売上」が増えるため対外的には会社は好況である様に演出できるわけです。・・・しかしこれはバブルの一種でいつか弾ける運命にありました、そして最近になってそれら問題が表面化し、起こるべくしてアパレル不況が起こってしまったのです。

 

大量廃棄問題、根本的な解決策は見えないまま…

 

いくつもの理由が複雑に絡み合い、アパレルは供給過多になっており・・・またそれを止める術がないのも事実です。

ZOZOなどが予約販売に必死になっているのは、まさに無駄な在庫を抱えないようにしているから。「欲しいものだけ作る」という予約販売のシステムは一見するとこの問題を解決するようにも思えますが、消費者は「買ったらすぐ着たい」わけで「半年後にお届けです」となると急に買い渋るもの。適正在庫は予約システムだけでは実現できません。

 

解決策は難しいですが…「作った服の半分が捨てられている」というのは大きな問題。環境負荷などを鑑みてもそうですし、何より捨てている服の原価は我々が購入している服の定価に上乗せされているわけですから。実は本来服の値段はもっと安くできるのです。

 

MBアイテムはGEOやTSUTAYAと同じ??モノを安く高品質で提供できる仕組み

だから私が展開するMBアイテムは市場価格よりはるかに安く設定できる。完全予約販売にしているため売れ残り品のロス分を定価に乗せなくて済むわけですね。

 

むずかしい問題ですし、解決策も思いつかない・・・まさにアパレルの闇です。リユースや予約販売など複数の取り組みで今後こうした「大量廃棄問題」が解決されればとは思っていますが。。。まだまだ糸口は見えませんね。。。

 

 

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