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今年のトレンド「PVC」をご存知でしょうか。
今日はトレンド情報をお届けします。
透明バッグ「PVC(ポリ塩化ビニル)」が増殖中
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青山や代官山などおしゃれタウンを歩いているとやたらと「透明バッグ」が目につくと思います。
実はこの透明バッグ、今年からの一大トレンド。PVC(ポリ塩化ビニル)を使ったバッグが大人気です。
実は私も今年はいくつかPVCバッグGETしております。
私がよく使っているのはCLANEのPVCバッグ。
先ほど「透明バッグ」と表現しちゃいましたが、流行っているものの多くは別に「透明でスケスケ」というわけではありません。(もちろん透明のものも多いですが)
モノをみると理解できますが、
PVC素材の内側にトートバッグなどでよく使うキャンバス素材が入っているのですね。
こんな感じ。二重になっているのです。
人気加熱しているコムデギャルソンのPVCバッグも同じですね。
内側に紙袋が入っておりそれを包み込むようにPVC素材があります。別にスケスケで中身が丸見えなわけではないので、中にパンツを入れようが椎名そらちゃんのアダルトビデオを入れようが問題ありません。
これおしゃれな人、とりわけアパレルスタッフなどの間で爆発的に増殖しています。
今年はまだレディース中心の人気ですが、おそらく来年はメンズも支持されるでしょう。
(メンズのトレンドはレディースの一歩後)
コムデギャルソンのバッグなのに1万円ほどで手に入る!!
では何故「プールに行く時に使っていた」様なPVCバッグが人気なのか。
そこにはちゃんと理由があります。
まず理由の一つに「安さ」があります。
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コムデギャルソン(こちらはコムデギャルソンシャツ)のPVCトートバッグも「ギャルソンってクソ高いブランドでしょ・・・?」と思うかもしれませんが、10,000円程度で購入可能です。意外とお手頃。人気加熱で争奪戦ではあるのですが定価自体はさほど高くはありません。
「いやバッグで1万円ってクソ高ぇから」とツッコミが入りそうですが、少なくともコムデギャルソンのいつもの価格帯から考えれば「手頃」と言って間違い無いでしょう。一般ブランドのバッグよりも少々やすいくらい。「ちょっと背伸びすれば買える」くらいの覚悟で憧れのギャルソンが手にはいる価格設定が人気を呼んでいる様です。
んで。ギャルソンだけでなく他ブランドも軒並みこのくらいの値段です。高級ブランドでも1万円くらいで買えるものが多い。そもそも素材はPVCと通常のキャンバス素材ですから高くしようがないのですね。凝って作ってもたかが知れてる。低価格で生産可能だから定価も安くなるPVC。「ハイブランドだけど手頃な価格で買える」という魅力で広がっていると言えるでしょう。
「トレンド」とはブランドに作られたものなのか?
ではなぜ今このPVCをこぞってどのブランドも生産しているのか。
人気や流行の秘密は何でしょう??
多くの方が「トレンドは作られたもの」「アパレルブランドによって流行は操られている」と考えている様ですがとんでもありません。そんな陰謀論みたいなことはありません。
有力アパレルブランドが夜な夜な密室に集まって「来年は何を流行らすのじゃ・・・?」なんて秘密結社でもあるまいしそんな密談はありません笑。
「トレンド」に対する解説は今週末のメルマガでも掲載していますが・・・ここでは簡単に。
トレンドとは価値の変動により起こるものです。
ファッションの価値とは相対的なものです。
10年たっても100年たっても変わらない絶対的な価値を持つ服装は存在せず、常にその価値が移り変わる相対的な価値基準が「おしゃれ」です。
何故ならばファッションは「その他大勢と区別された状態」だからこそ「おしゃれ」と認識されるわけです。皆と全く同じだったら「おしゃれ」として区別されないわけですから。つまり「おしゃれ」は他人との差別化によって成立する「相対的」なものです。
このブログにもある「これをこうするとおしゃれになれる」というのはあくまでその時代、その価値観にしか通用しないもの。その服装が未来永劫いつまでも価値が変わらずおしゃれであるという意味ではありません。
何故ならおしゃれが相対的なものであり差別化がベースとなるものだから。仮に「未来永劫価値が変わらない絶対的におしゃれな着こなし」というものが存在するのならば、ここまで多くの指南書も雑誌も必要ないわけですし、人類は皆おしゃれになるはずです。しかし実際はそんなことありません。
上の図の通りですが、おしゃれな人が「クルーネックが格好良い」としてクルーネックを着ていると、それを見たその他大勢の人々が「自分も格好良くなろう」と真似をしはじめます。そのうち多くの人が「クルーネック」だらけになり価値は相対的に落ちていきます。クルーネックが「区別されにくくなる」からですね。
するとおしゃれな人は次に「Vネックが良いな」と着こなしを変えてきます。こうして波の様に価値が動いていくのがおしゃれでありこれが「トレンド」です。
またもちろんここで言う「差別化」とは「違えば違うほど良い」というものではありません。ファッションは差別化が必要なものでありますが、また他方「他人が評価する」ものでもあります。他人が見て評価するものであるからこそ、「他人の理解の範疇において差別化する」必要があります。これを私は「客観的な差別化」と呼んでいます。つまりクルーネックに飽きたからといきなりバックリと首が開いたVネックを選ぶのではなく、まずは「ほんの少し首が開いたネック」を選び、大勢の理解の範疇を超えないように差別化をしていく必要があるわけです。
私はこの「差別化」と「客観性」という2軸においてファッションを論理的に説明しています。近著「幸服論」においてはこれを人生論・成功法則にもたとえながら論を展開しています。「客観的な差別化」とは仕事でも恋愛でも通用する万事共通の概念だと私は考えています。
相対性の”うねり”を素早く察知するのがハイブランド
少しややこしい話になっていますが、つまり「トレンド」とは誰かが作ったものではありません。いわば人々の総意であり、感性の相対性によって自然発生的に形成されるものです。ましてブランドによって作られたものなどでは絶対にありません。
しかしながら、この「感性の相対性」には一定の傾向があります。
というのも洋服というのはすでにありとあらゆるパターンが出尽くしてしまっています。「腕と頭を通して着用し、体を美しく見せる」というう前提条件のもと製作される洋服は人類の長い歴史の中でそのバリエーションはすっかり出尽くしてしまいました。
デザインの枯渇が続き、多くのデザイナーは模倣の繰り替えしによって新しいデザインを提案することになっています。それこそこのPVC素材の提案だって20年以上きちんと海外コレクションを見ている人なら「ああ、またきたか」と思うでしょう。大昔にアバンギャルドなブランド達がPVC素材を使ったコレクションを何度提案したことか。(”トランスペアレント”という名前で流行しました)ファッションは全くあたらしいデザインは生み出しにくいからこそ、繰り返す文化が形成されています。
その繰り返しが何周目にもなる昨今ともなれば、「トレンドを先読みする」ことが可能となるわけです。多くのブランドはこの「感性の相対性」とも言えるトレンドを先読みし、鋭敏に次の流れを察知しコレクションでいかに早く提案するかシノギを削っているわけです。
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パリコレクションに出展するデザイナー達はそんなこと百も承知です。クルーネックの次はVネック、ワイドパンツの次は再びテーパード、などなど流れを理解しておりトレンドを誰よりも鋭敏に察知しています。だからこそ「どのブランドもなんとなくデザインや傾向が似てくる」のです。
密談があるわけではなく・・・最早繰り返しのトレンドに慣れていること、感性を研ぎ澄ませて次の流れを先読み出来ることなどが理由で多くのブランドのクリエーションに一定の共通性が生まれ、それを人々は「操っている」と揶揄するわけです。
PVCは今の「脱ノームコア」にぴったり
Photo by https://www.vogue.co.jp/uploads/media/2018/02/04/chanel1.jpg
話をPVCに戻します。
PVCの流れを最も早く牽引したのがシャネルです。
シャネルは今年ブーツやバッグなど多くのアイテムにPVCを使い、コレクションを発表しました。ラグジュアリーなキルティングレザーがアイコンのシャネルですが・・・今年はチープでスポーティーなPVC素材でそれを表現しています。ドレスライクなレザーバッグがPVC素材で軽やかになり、カジュアルにバランスをとった印象です。
※参考「ドレスとカジュアル」については下記記事をご参考に。
国内の多くのブランドはシャネルのPVC提案を見て「これだ!!」とも思ったのでしょう。(私もこれだ!!と思いました)多くのブランドがPVC素材を作って、軒並み大好評完売しています。
では「感性の相対性」の中でどのような”うねり”があり、PVC素材は世の中に需要が生まれたのか。それは「脱ノームコア」の動きの中にあります。
「ノームコア」とは?一体どこから来たのか?デニムを穿けばいいの?着こなしは?2015年春夏メンズファッショントレンドを徹底解説!!
長らく続いた無地シンプルな着こなしのトレンド「ノームコア」。普通が一番いいじゃん、シンプルが一番格好良いじゃんとする考え方。数年にわたり市場を席巻し、これらのトレンドはファストファッションの追い風にもなりました。
そんなノームコア、相対性のうねりの中で価値を徐々に失いつつあります。「シンプルで格好良い」とされたノームコアスタイルはすっかり浸透してしまい、今では「シンプルで格好良い・・・けどちょっと地味かな?」くらいに。もちろんシンプルな服装が廃れるという意味ではありませんが、価値としては落ちるでしょう。価値はゼロにはなりにくいですが、マイナスは進みます。おしゃれを目指すのならば「トレンド」は必ず意識しなければなりません。(新しいものを買わずとも着こなしでトレンドを表現することもできます。このあたり突っ込んだ話はメルマガの方が詳しいです。)
さてその相対性のうねりの中で価値を下げつつあるノームコアですが、同時に「いきなり派手な装飾などには行きにくい」という客観性もあるわけです。先ほども書いた通りですが、いきなりトレンドは切り替わりません。徐々に時間をかけて変わるのがトレンドです。何故なら大勢に理解される範疇で差別化する必要があるわけですから。いきなり変わったら大勢の人々に理解されなくなるでしょう?
そこで「PVC」という素材は上手くマッチングできました。
シンプルな黒の無地バッグ・・・だけど「普通の無地じゃない」PVCが好まれるわけです。
「派手な柄も派手なデザインもまだまだ進むには早すぎる。でも無地じゃ今までと変わらない。」
こうした感性の相対性の中で「PVC」がある意味「人々に選ばれた」わけですね。
ちなみにZOZOで「PVC」と検索かければ山ほど出てきます。
「透明のバッグなんてどうかなあ〜」と思う人もまあモノは試しです。一度見るだけ見てください。
「俺は別にいいよ」「そんな気分にはなれないな」「トレンドかあ〜難しいなあ」
と思う人も・・・是非見るだけ見てください。「見るか見ないか」は大きな違いを生みます。
先ほどもちょこっと書きましたがトレンドのものを「買わないとおしゃれになれねーぞ」というのではないんです。おしゃれは「アイテム」と「着こなし」の二軸で評価が成り立つものですから、仮にアイテムが古くても着こなしでなんとかすることはいくらでも出来ます。
ちなみに「着こなしでなんとかすることができる」ことを証明するのがこの連載企画。「のとや」などの格安店で買ってきた服を着こなしでおしゃれに仕立てあげるハチャメチャ企画です。もうすぐ第3回目が掲載予定。お楽しみに。
で。
そんなわけで別に「買わなくてもいい」のですが。トレンドを感覚に刷り込ませておかないと上手な「着こなし」は出来ません。いつまでもテクノカットを注文するオッサンのように、いつまでもTシャツをなんでもかんでもタックインしちゃうオッサンのように、いつまでもソバージュをかけたがるオバサンのように、「触れないとトレンドからあっという間に遠のく」のです。
トレンドは別に買わなくてもいい、ただし少しだけ触れること、少しだけ見ておくことで自分の着こなしの感覚を正すことが出来ます。頭ごなしに決めつけないで少しだけでも「見ておく」。これが重要です。オススメです。
Photo by https://www.vogue.co.jp/uploads/media/2018/01/20/MAISON_MARGIELA_2018_19AW_Men_s_Collection_runway_gallery-1.jpg
ちなみにこちらは2018-2019年秋冬コレクションのメゾンマルジェラ。メンズでもPVCが出てきていますね。今のうちにチェックしておくと良いですよ、PVC。トレンドを早く察知できるということは「同じ金額でも長くおしゃれでいることが出来る」とも言えるわけですから。
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あ、それとオススメ品。
リュックの老舗「イーストパック」もPVCのバッグを出しています。私はコレ白と黒二色買いしました。気になる人はチェックしてみてくださいー。
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試し読みをして気に入らなければ初月解約で全く構いません。
タダで読んで辞めたければ当月で辞めてください。全く構いません。
私はこれで日本のメンズファッションを変えるつもりです。
10年以上かけて構築した論理であり絶対の自信があります。
騙されたと思って読んでください。
おかげさまで日本最大のメルマガ配信スタンド、
「まぐまぐ」様のメルマガランキングでは人気第2位となりました。(日本のメルマガの金字塔である堀江貴文さんが第3位)
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