アパレル業界裏話

タイプライターって何だよ?メランジ感って何だよ?アパレルにありがちな【おバカな風潮】

 

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今回は「アパレルあるある」。

 

アパレルあるある:説明文に説明が必要

 

オンラインストアを見ているとこんな文章をよく見かけます。

 

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Photo by http://img5.zozo.jp/goodsimages/848/12191848/12191848_20_D_500.jpg

 

コットン天竺素材を用いたクルーネックTシャツに、薄手のタイプライター生地を組み合わせたプルオーバートップス。ショルダーラインを袖側に落としたドロップドデザインで、袖・裾口から見える素材のコントラストがポイントの昨年も好評をいただいた一枚です。
※製品を洗うことで表地が縮みライナーが袖先とヘムから覗いて見えるデザインとなります。

 

説明する気あるの?

 

と突っ込みたくなる様な専門用語の嵐。

何か「説明しないことが格好良い」という美学があるような、「分かるひとだけ分かればいい」という閉鎖的な世界観があるような、そんな風潮がアパレルには太古の昔から漂っております。ええ。

消費者に優しい説明はむしろ悪です。

 

この世の中に「タイプライター生地」とだけ書いて理解できる人が一体何割いるのでしょうか。
また「商品説明」の箇所の記載のはずなのに、不明な用語を逐一検索しなければならないのでしょうか。
せめて専門用語には自動的にtipsをつけてオンマウスで「タイプライター生地とは・・・ツヤ感のある高級な糸を高密度で打ち込んだものである。”薄い割にタイプライターで文字が打てるほど高密度”から名前の由来がある。」程度の自動表示機能をつけてほしいもの。zozoとかそういう開発しないんですかね?

 

「落ち感」などはなんとなく理解できますが、時に「とろみ感」「メランジ感」「ラギッド感」なんて謎単語も登場します。ただでさえ意味不明な単語に「感」をつけられても・・・。

 

 

この「説明しない風潮」。

オンラインだけじゃなくもちろん店舗接客にも雑誌にも根強く蔓延っています。

 

「説明しないことが格好良い」その感覚は理解できますし
長らく「顧客商売」であったアパレルにおいてそれが進むのも理解できます。

 

しかし洋服の価格破壊が進み、「何故この洋服が1万円なのか?」を説明されないと購買意欲が湧かない時代になってきました。
1万円のカットソーが売られている一方で同じようなカットソーが二枚900円で販売されている。
そこに明確な理由がなければ誰も10倍の値段など払う気が起きないでしょう。

 

それでもブランドがブランド商売を続けるのならば、
ブランディングを損なわない方法で商品説明をする努力をしなければなりません。

 

だいたい上の例で言えば・・・
「※製品を洗うことで表地が縮みライナーが袖先とヘムから覗いて見えるデザインとなります。」

この文言が「注意書き」であることに呆れてしまいます。
この文章をパッと読んですぐ理解できる人がどれだけいるのか。

 

アパレルの説明力の無さは深刻で、サービス業にあるまじき態度です。

 

 

アパレルあるある:ダブルスタンダード

 

アパレルによくありがちなのが「ダブルスタンダード」。

 

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Photo by http://dondonblog.com/tachikawast/wp-content/uploads/sites/34/2015/08/C1.jpg

 

「レザーものは革質の良いものでなければダメだ」と書いているお店が
フェイクレザーのライダースをあつかっていることがあります。

 

誰も否定できない王様ブランド「コムデギャルソンオムプリュス」のレザー製品は多くがフェイクレザーです。
先日もそんな話をしました。レザー製品について熱心に説明してくる店員さん、「レザーはやはり素材が命ですから〜」と語る隣でギャルソンのフェイクレザーを並べていたり。それに対してつっこむと「まあそれはそれですから・・・」と説明がおぼつかない。
それじゃあアンタ誰も買わないよ。

 

 

こういったアパレルの「ダブルスタンダード」は非常に多くの例がありまして、
「パンツは細身が最強っしょ!!」と言っている販売員が次のお客様には「ワイドパンツが今年はオススメですよ」と伝えていたり。
皆さまも一度は感じたことがあるんじゃないでしょうか。

 

しかしまあこれを擁護するわけじゃありませんが、

実はこれは「ダブルスタンダード」じゃなくて単に「説明不足」なだけ。

 

実は洋服ってのは「100%NG」なものはそうそうありません。
どんな服でも着こなしでカバーできるもの。
洋服ってのはとても面白いもので「モノ」だけで価値が決定されるものじゃないんですね。
「モノ」と「着こなし」この2軸が洋服の価値を決定するのです。

 

一見粗悪な洋服でも、着こなしでカバーすることができたり。
逆に極上の洋服でも、着こなしで台無しになったりするのが実に面白い。
それだけに「極上レザー」にも魅力があり、
素材を無視してデザインを高めた「フェイクレザー」にもまた異なる魅力が存在するのです。

 

細身のパンツにはもちろん魅力があり、
ワイドのパンツにはまた違った魅力があるというだけの話。
これを感覚では理解できているものの、きちんと説明できる販売員が少ない(というかほぼいない)ため
「ダブルスタンダード」と評されてしまうワケです。

 

ちなみに毎週のメルマガでは
「着まわしやすさ」を重視してアイテムをオススメすることが多いです。
どんな洋服も100%NG、100%OKなものはありませんが、それでも「着まわしやすさ」は確かにあります。
着まわしを意識せずともオシャレになるように、なるべく「使いやすい」ものをピックしています。

 

全国の販売員さんは「ダブルスタンダード」と言われないように
せめて自店の洋服は全て「オススメする理由と理屈」を明確にしておくと良いでしょう。

 

 

アパレルあるある:「あえて」が過ぎる

 

「あえて」

アパレルが大好きな言葉です。
確かに「オシャレ」は差別化の賜物。オシャレとは「他人と違う状態」だからこそそのように評されるものです。
他人とその他大勢と全く同じ状態であればオシャレと評価はされないでしょう。
違うからこそ、差別化されているからこそオシャレとなるのです。

だからこそ他人と違うもの、他人と違う着こなしを「あえて」選ぶことがオシャレにつながるもの。
アパレルが「あえて」を好むのはとても良く理解できますが・・・

 

「あえて夏にコーデュロイを選ぶことで・・・」
「あえてシャツの上にTシャツを重ねたり・・・」

 

そりゃお前「あえて」が過ぎるだろう

という「やりすぎ」もよく見かけます。

 

 

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Photo by http://www.jb-voice.co.jp/mp-cyan/wp-content/uploads/2014/05/op-3.jpg

 

最近ショートパンツにコーデュロイを使ったものが目立ちます。
元々はサマーコーデュロイなど夏用の素材も存在しますが、
あえて「太畝」で肉厚の、明らかに蒸れが発生するようなコーデュロイを使ったショーツも最近みかけます。

 

「差別化」を望むのは良いことですが、
明らかに違和感のある「おかしい」「やりすぎ」な着こなしがあることも。
オシャレとは「差別化」の賜物でもありますが、同時に「客観的な評価」によるものでもあります。
他人が見て評価するものですから「やりすぎな差別化」は理解されないことの方が多い。

この差別化と客観性の絶妙なバランスをとることがオシャレの命題です。

 

このあたりを理解してアパレルの「あえて」に付き合い過ぎない様にすると良いでしょう。

 

 

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