雑記

モノ消費からコト消費へ

 

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「モノ消費」から「コト消費」へ

 

なんてのはもう2年も3年も前から言われている話ですが、
アパレルは未だにこれを体感・理解できていない。

 

 

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Photo by http://tk.ismcdn.jp/mwimgs/2/9/1140/img_29c06ed3c354d4feb2c7da0b0d2bbdb41331502.jpg

 

ハロウィンがいよいよバレンタイン市場を抜く勢いだと言う。
ハロウィンイベントは典型的な「コト消費」です。
仮装用の服そのものに価値を見出して「モノ消費」をするわけではありません。
だってハロウィンの仮装は10月を過ぎたらもう2度と着なくなるでしょう??せいぜい来年にもう一度着るか忘年会の「ネタ用」程度にしか活躍しません。にもかかわらずマクロミルのインターネットリサーチ結果ではハロウィンの仮装にかける平均単価は6,240円、それも調査した3人に1人が「ハロウィンに何かする」と答えているのです。(参考URL:http://www.macromill.com/r_data/20141016halloween/)

 

このリサーチ結果が正しいかどうかをさておいたとしても、
「数千円をたった一夜のために使う文化がここまで広がっている」という事実は無視できません。
「モノ」で考えれば何の価値もないに等しいコスプレ用のチープな衣装が
「ハロウィン」という「コト」があることで、価値が一夜限りで急激に上がるのです。
アパレルはこの「モノ」から「コト」への変化を未だに体感できていない、だから業績ダダ下がりなのです。

 

 

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Photo by http://www.tabitabi-taipei.com/more/2010/0126/05b.jpg

 

街に行くと10年前と全く変わらない商売を今でも続けている洋服屋さんばかりです。
ズラリと無意味に並んだ洋服と、それを手に取った人に「それはどこそこの地方で作られたウールで、非常に着心地が良く・・・」とうんちく語りが始まる。一体誰が望んでいるサービスで、誰に向けてどんな価値を訴求しているのでしょうか。

 

そもそも皆さん「外出」してますか?

 

10年前と比較して明らかに「外出する目的」は減っているはずです。

洋服はネット通販で購入できる・・・
ゲームを買うのも本を買うのもネットで注文した方が選択肢も広く、早く届く、交通費も必要ない・・・
CDや映画もダウンロード出来る・・・
出会いを求めて外に行くよりも、「出会いアプリ」を使った方が手っ取り早い・・・
友人とのコミュニケーションはLINEがある・・・
仕事の打ち合わせはskypeがある・・・
営業活動はメールである程度できる・・・
仕事すらPCがあれば家でできる・・・

 

私たちの生活はここ10年で一変しており、外出の必要性、外出の機会は圧倒的に減っているはずです。
アパレルにとってこれは間接的な打撃になっているはずです。
なぜなら洋服はそもそも「他人から見られ」てはじめて成立するものです。
自宅でくつろぐ時におしゃれをする人は、もちろんいないわけじゃないですが、限りなく少数派なはず。
ほとんどの人は自宅でくつろぐ時はテキトーなスウェットで過ごすでしょう?

誰かに見られる機会があることで初めて「オシャレ着」の需要が生まれるのです。

 

昔はネットもなく外出の機会が多かったため、アパレルは「モノ」を訴求するだけで十分食べていけました。
しかし今は外出の機会が極端に少なくなっただけに、アパレルは「モノ」だけでなく「コト」を訴求しなければ業績は下がる一方です。

 

 

にもかかわらず未だに洋服をただ並べて無意味に提案し続ける作業を繰り返すのみ。
やることといえば「改革」ではなく「わずかな最適化」ばかり。
「去年はこの品番が売れたから今年はこの品番の在庫を厚くしておこう」などの
POS分析にとどまる程度で抜本的な内容の見直しはほとんど行われていません。

 

基本的に「モノ」で戦おうとすると大手に打ち負かされます。
ユニクロのメリノウールニットと、日本の小規模ブランドの高級感を訴求するハイゲージニットと。
比べてみてどれほど満足度の違いがあるでしょうか。

 

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Photo by http://lea-mills.co.jp/collection/assets_c/2016/07/000912-thumb-615xauto-712.jpg

 

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Photo by http://im.uniqlo.com/images/jp/pc/goods/173215/item/08_173215.jpg

 

モノはどんな業種でも数をこなせば単価に反映されます。
小規模ブランドは1000枚しか作れないものを、大手は10万枚作ったりします。
すると同質のものを作っても大手は数の分だけ値段を圧倒的に下げることが出来るのです。

 

小規模ブランドはますます追い込まれていきます。
「コト消費」を意識して仕掛けを作らないと、ますます消費者は逃げていくばかり。

10年後に残るブランドは実は本当に少ない。
ブランドはこれからもどんどん潰れていきます。

 

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