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というわけで私MBが監修するファッションHOWTO漫画「服を着るならこんなふうに」最新話が更新されました。今回はちょっとネタ的なお話。環がテクノロジーに触れる回です。
熱心な服着る読者ならご存知でしょうが、実は環はスマホすら持ってない今時珍しいアナログ女子。スマホも持たずにどうやってあれだけ膨大なブランドやコレクションやファッションの知識を手に入れてるのか??というツッコミはさておき(環は大変な努力家なのです…きっと)、今回は兄祐介に”スマホの買い方”を教わるところから話はスタートです。
祐介と環の逆転回
いきなり余談ですが、「服着る」はなんてことのないシーンであっても出てくる洋服はほぼ全て私の監修が入っています。環が着ている服や付けている小物にもきちんと設定があり、実際にお店で販売されているものを参考にしています(一部例外を除く)。
お洋服に詳しい方なら
「なんか見たことある服だな・・・」
と思うこともあるでしょうね。
さて諸々あってスマホを手にした環ですが、使い方が疑問。
「みんなインターネットで何しているの?」
スマホやPCを手にした時に誰もが例外なく抱く疑問ですが、既にその利便性にどっぷり浸かっている我々には遠い過去の記憶。こんなにも素直にかつ根源的な質問をされると、思わず虚を突かれて上手く説明できないものです。
これって洋服も同じです。
「みんなおしゃれってどうやって作ってるの?」
洋服に興味を持とうとする人の、こうした素直な質問におもわず躊躇したりするもの。「いや、ほら、そりゃー・・・細身のパンツとかさ。。。コートとか着てさ・・・」なんて。自分が蓄積してきてすっかり感覚に染み付いているものを改めて言語化するのって思うより難しいんですね。
つまり今回のお話は「服着る」第一話の裏返し。
環は言語化しにくい感覚をきちんと祐介に伝えて、おしゃれへと導いてくれたわけです。
今回は祐介がそれをする番。「インターネット」といういかにも我々の常識であり感覚である世界を、言語化して順序立てて説明しています。兄が受けた恩を一生懸命返す回。
環ちゃん、できれば「KnowerMag」もブックマークしておいてね!
服着るは毎度、編集・漫画家縞野さん・監修MBの3名で打ち合わせが行われます。(プラスMBマネージャーも同席なので実際は4名)
今回も「環に最初に教えるサイトは」という内容で私は「ZOZOとインスタとwearあたりは環が喜びそう」と話してしまったのですが、ペン入れが終わった段階を見て私は気がついてしまいました。
どうしてあの時「ZOZOとインスタとwearとKnowerMagですかね」と言わなかったのか・・・。
もう少し商売っ気を持ちたい・・・。
さてそれはさておき、作品はここからテクノロジーの話に移ります。
ZOZOとUNIQLOは真逆の哲学を持っている?
テクノロジーといえばZOZOは欠かせない。
ZOZOスーツの自動採寸システムで世間をあっと驚かせたことは記憶に新しい。
結果的にZOZOスーツは廃止?になる様ですが、それでも既存の洋服業界にないアプローチに挑戦したことは偉業と言って良いでしょう。
「通販はサイズが分からないから買えない」
どんなに返品のシステムが整備されても、どんなに買いやすさを追求しても、この「サイズが分からない」という抵抗感で通販市場に進めていない人は思う以上に多いはず。
それこそ先ほどの「当たり前すぎて言語化できない」のくだりに近いと思うのですが・・・先日久しぶりに実家にいる兄と会ってamazon.comの話になり、兄が「ネット通販なんて1回も使ったことないなー」と言っておりました。私はそれに心底びっくりして・・・兄はまだ40才、バリバリ働いて自由な時間も少ないはず。服や日用品など便利な通販で買っているものだとばかり思っていました。
考えてみればユニクロも売上の通販比率はまだまだ10%未満。90%以上の人が店頭で服を買ってるわけです。「ネット通販が当たり前」なんて思ってるのは案外まだまだ狭い世界の話なのかもしれません。兄との会話で自分の視野の狭さを思い知らされました。
ZOZOスーツはそんな「通販に飛び込めない」「サイズに迷って購入機会を逸してしまう」人のために作られたもの。このアプローチはつまり「既存のシステムでカバーできていない客層にアプローチする」もので、ある意味「ブルーオーシャン」を獲得する可能性がありました。しかしながらそもそも「通販に飛び込めない人」は「ファッションに対してそこまで強い興味関心がない」わけで、そんな人が多大な労力をはらって計測する(ZOZOスーツは合計11回撮影して計測しなくちゃいけないので着用や注文などの手間まで含むとかなりの労力と時間がかかる)わけもなく、客層とアプローチの齟齬があったのではないかと私は思っています。というかZOZOスーツが出た時に真っ先にその様に指摘しておりましたが。(下記参照)
しかしそうした「異なる客層」を取り込むことには失敗したでしょうが・・・配りまくったZOZOスーツによりビッグデータを集めることも一応出来たわけです。
結果、ZOZOのプライベートブランドでは注文時に「身長体重年代性別」の入力だけである程度ジャストなサイズ感を導き出すことが出来るようになっています。もっともこれも精度としては最適なものとは言い難いですが、「大きくサイズを間違う」事態は避けることが出来る様です。
ZOZOの挑戦は「三歩進んで二歩下がる」感が否めません。
ZOZOスーツでは大失敗し、プライベートブランドも鳴かず飛ばず。「おまかせ定期便」ってそういえばどこに行ったんだろう?数年前にローンチした「ラグジュアリーゾーン」は今見るとほとんどのブランドがスカスカ。ニュース性が高く世の中を騒がせるけれど、実際に定着するのはごくわずか。・・・でもねそれで良いんですよ。
ZOZOのフィロソフィーはアパレルではなくテック企業に近いものがある。あらゆるテック企業然りですが、未熟な初回ロットをローンチしてそこからアップデートを繰り返して完成形に近づけていくのが彼らの基本姿勢。まさにインターネット的ですね。SONY製品なども一時期「初期ロットは人身御供」みたいに言われていましたが・・・ZOZOスーツはまさにその感がありました。上の私の記事を参考にしてもらうと分かる通りですが、計測値にして1,2cmズレるって実際のサイズでいえば1つズレていますからね。S買うべき人がM買っちゃうわけです。それでもアップデートを繰り返し今は精度も上がっている様です。ローンチからデータやクレームを集めて徐々にアップデートしていく。
新しい挑戦をし続けて「10のうち1つ定着すれば良い」まさに新しい価値を生み出そうとするテック企業の態度です。
他方ユニクロはテックではなく完全なアパレル企業。
「製品としての完成度」に愚直なまでにこだわり、完成度によってローンチを平気で遅らせるし、モノによっては年単位で商品開発を行う徹底ぶり。反面ZOZOのようなインパクトある新しい取り組みが出せずにクラシカルなアパレルをひたすら完成度と純度を高くすることしか出来ません。「お客様に届けるものなのだから、10のうち1つもハズレを作ってはいけない」とする完成度に対する執着はどこか職人的。ユニクロの生産に関わる工場さんは、皆口を揃えてユニクロのモノ作りを絶賛します。工場さんから「今の日本にユニクロ以上に拘ってるブランドは無い」と聞いたことすらあります。
どちらが良いも悪いもないでしょう。
新しい価値を未完成ながら提供し続けるZOZOには夢があります。
古めかしくても確かな価値を提供し続けるUNIQLOには安心があります。
今のアパレルはどちらも楽しめて本当に良い時代だと思いますよ。両者の今後に期待です。ちなみにこのへんのZOZO・UNIQLOの対比は今週のメルマガにて詳しく語っています。興味あれば是非。
そしてテクノロジーの話はまだまだ続きます。
次回「服着る」は最新テクノロジーのお話。
USB充電が出来る服があるって知ってました・・・?
自動で靴紐を結ぶNIKEの新作スニーカーって・・・?
そんなテクノロジーよもやま話をお届けします。乞うご期待。
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