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私MBが企画監修する漫画「トラとハチドリ」第7話が更新されました。
本作は「ショップスタッフの裏側」を描いた作品。まさに今回は裏側、バックヤードのあるあるを描きました。
なお本作、先日待望の第1巻が発売となりました。
是非手にとってご覧ください。
一件の売り逃がしが赤字に繋がる
今回第7話は主人公マツリが休み明け、バックヤードに入るところから物語がスタート。
マツリは目についた汚く荒れたバックヤードを片付けます。
ショップスタッフあるあるですが、バックヤードはすぐに汚くなってしまうもの。
忙殺されて掃除がおそろかになり、複数の品番の在庫がごちゃごちゃと混ざってしまうことも。最悪なお店だと「お客様の取り置き品」と「在庫」すらごちゃごちゃに混ざってしまい、「本来取り置きだったものを店に並べて売ってしまう」なんてミスが起こったり・・・。
薄利多売なアパレル業界、余分な人件費を負担する余裕など当然ありません。常に人員は限界ギリギリ。大型店舗なら「バックヤード担当」を配置することもありますが、基本はスタッフ皆が店頭に出て接客し空き時間に整理することがほとんど。となれば当然お客様最優先となるので、整理が後回しになり、バックヤードは汚く放置され気味に。
そうして汚く乱雑に管理されると、在庫の場所がゴチャゴチャと分かりにくくなってしまいます。
結果在庫が奥に入り込み・・・
売り逃がしにつながってしまうことも。
これショップスタッフなら誰でも一度は経験したことがあるでしょう。
洋服の在庫はツルツルと滑るビニールに入れて保管されることがほとんどのため、重ねてある程度積み上がると簡単にツルリと奥に滑り混んでしまいます。棚の裏などに洋服が滑り混んでしまえばもう最悪。棚卸しを行うまで気が付けなくなります。(棚卸しでは帳簿と実在庫の差異が出るため、気がつくことができる)
「別に1枚くらい売り逃がしたってどうってことないだろう・・・??」
と他業種の方は思うかもしれません・・・が、アパレルではとんでもないことです。ユニクロなどの大型量販店ならいざ知らず路面にある個店では一件逃すことがどんなに重大な事態かスタッフなら誰でも理解しています。
10枚中、8枚売れなきゃ赤字転落?厳しいアパレル個店の世界
ここでセレクトショップの構造を見てみましょう。簡略化した図ですが、ブランドのセレクトショップは概ねこんな構造になっています。
定価1万円のTシャツがあったとすると、セレクトショップがの仕入れ値は6000円、粗利は4000円となります。
つまり10枚仕入れて6枚売れれば損益分岐点。半分しか売れなかったら赤字です。
もう少し言うとここには人件費などを含んでいません。
こうしたセレクトショップの人件費率は売上の10%程度が普通。仮に10%を人件費、その他諸々の諸経費(家賃とか備品とか光熱費とか諸々)が10%だとすると・・・定価販売時の粗利は20%程度(仕入れ値60%+人件費10%+諸経費10%=80%)。つまり8枚売れなきゃ赤字です。しかもこれ「セール」を考えに入れてません。セール前の定価販売時に在庫を8割消化しないと赤字転落する・・・と言っても決して過言ではありません。地方セレクトショップの皆さんはウンウンと頷きながらこれを読んでることでしょう。
10枚仕入れてセール前に8枚売れなきゃいけない・・・ね?1枚の売り逃がしがどれだけ大きなことか理解できるでしょ?
売上が取れているお店はバックヤードが綺麗なお店
だからこそバックヤードは徹底的に綺麗に保つ必要があります。
提案漏れがないように、需要を逃さないように、正しい提案ができるように綺麗に在庫を整理して、「今どのアイテムのどの色の何サイズが在庫が多いのか」を全スタッフが一目で分かる様にしておく必要があるわけです。
「いやそもそもそんな薄利じゃ、ビジネスモデル成り立ってねえじゃん」と他業種の方が見ると思うかもしれません。実際成り立っていないのでボコボコ全国の個店が倒産に追い込まれています。ブランドの数も少ない、通販もない、格安量販店もない、そんな20年前ならイケイケドンドンでしたが・・・今は選択肢が多すぎて、1店舗あたりの価値が極めて低くなってしまいました。そんな中で戦うショップスタッフを描いたのがこの「トラとハチドリ」なわけですが・・・実はこうした危機的状況にある個店のビジネスモデルも、一発逆転を狙える手法があったりなかったり。そのあたりについては今後本作にて語ろうと思います。リアルなショップスタッフさんは是非ご注目を。
ともあれマツリたちがたった一件の売り逃がしに反省して振り返っているのは、そんな理由があるのです。
ショップスタッフの皆さん貴店のバックヤードはどんな様子ですか??
私はサラリーマン時代何店舗もマネージメントしてきましたが、間違いなく言えるのが「売上が取れているお店はバックヤードが綺麗」。無論バックヤードが汚くても一時的に売上が取れる場合はありますが、継続してきちんと売上を取れているお店は基本的に裏が綺麗です。
普通に考えれば分かりますよね。
「このLサイズありますか?」と聞かれて「少々お待ちください・・・ガサゴソ・・・」ではお話になりません。お客様からすると「お前なんのためにいるんだよ?」って思うでしょ??
バックヤードを綺麗に保つこと、そうして在庫を全スタッフが正確に管理すること。これによりお客様に合わせた的確な提案が出来る様になるのです。
最後はマツリとハジメの百合展開で終わり。
次回第8話もお楽しみに。
ところでこの作品、雑誌「ファッション販売」とかで取り上げてくれませんかね・・・。株式会社商業界の関係者の皆さま、お声がけお待ちしております。
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