毎年メンズファッションの人気アウターであり「女子ウケ最高」と実しやかに噂されるPコート。毎年人気が継続しており多くのメンズブランドでは定番中の定番として展開されています。
そこで2015年のメンズファッションではどのPコートが売れているのか
ZOZOTOWNのランキングをチェックしてみました。
人気1位は「WEGO」のPコート
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「メンズ」「Pコート」「人気順」と商品ソートしていくと1番目に表示されるのがこちら。
WEGOのPコート。
90年代に古着屋さんとして大阪アメ村にデビューしたWEGO。10~20代の原宿系カジュアルファッションをコアターゲットに掲げ、粗利の高いアメリカ古着ヨーロッパ古着などの販売に従事。下北沢に二号店を進出して以来全国に店舗を拡大、現在はイオンモールなどの大規模SCなどに展開を強めてコアターゲット層以外にも幅広くアプローチしています。アパレル不況の中、売上は絶好調。15年度の2月には前期比15%増。新規出店だけでなく既存店売上も2桁増と大きく伸ばしているのだから驚き。
WEGOの魅力は「古着」ではなく「オリジナル品」。古くは若槻千夏さんプロデュースの「WC」を展開したことで知られておりブランド育成には一定の評価があります。現在も渡辺直美さんプロデュースの「プニュズ」を自社ブランドとして展開している他複数の自社オリジナルブランドを保有しています。
当初WEGOのオリジナル品は「WC」にみられる通り「個性的で癖が強い」イメージでしたが、近年はMDを改修しベーシック路線に変更。豊富な販路と生産背景で、誰もが着ることができる扱いやすい洋服を手に取りやすい価格で展開し大当たりしています。
Pコート例にもれず「超」がつくほどベーシックなデザイン。
これで11月の今の時期に30%OFF。5823円なんて破格で売っているのだから売れなきゃおかしいくらいでしょう。
使っている素材は「ウールカルゼ」。カルゼとは光沢があり斜めに綾目が見える織り方です。生地のUPを見ると斜め方向に凹凸が入っていることがわかり、かつ光沢感も感じることができるでしょう。表記自体はウールとポリエステルが主の混紡素材です。
1万円以下のウールコートにありがちなのが、生地のペラペラ感。
化学繊維などを使ったぺらっとした頼りない生地は特に「襟」に強く差が現れます。
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こちらはBEAUTY&YOUTH/ビューティーアンドユースが展開しているPコート。価格は32,400円。先ほどのWEGOとは6倍ほども値段の差があります。こちらの素材はウールメルトン。ウール生地を圧縮してギューッと密度を高くした素材のこと。密度を高くしたおかげで光沢感が生まれ、また隙間がない分防寒性・保温性が高まるもの。ある程度値段のする冬アウターでは定番的に使われる素材ですね。
このアイテムも100%ウールなどの天然繊維ではありません20%ナイロンが混紡されていますが・・・注目してほしいのは生地の風合いの違いです。
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安く薄い生地だと「襟」などに違いが出ます。肉厚のメルトンウール素材であれば襟にドッシリと安定感があります。厚さがあり風が吹いたくらいでペラペラしません。生地の肉感があるため襟の立ち上がりも良く、立たせずとも襟が少し浮き上がった状態になり襟元に立体的なボリューム感生まれます。
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比べてみるとWEGOの方はやはり襟が少しペラペラしがち。
また薄めの生地だけに生地端っこが反り返ってしまったりと形も安定していないが画像からも多少分かります。
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この画像だと生地の薄さが分かりやすい。前立て部分が波打つようにふにゃふにゃとなっていることが伝わるかと思います。
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一方でBEAUTY&YOUTHの方は前たてのヨレもなく均一で綺麗な表情です。
・・・といってももちろんこの価格差ですからそれは当然。5800円程度でこのクオリティが出せるなら御の字ではあります。比べるのは少々酷でしょう。
ベーシックなものを選ぶなら「素材」に着目すべき
Pコートはデザインが確立されています。
特に2015年の秋冬、「ノームコア(普通の服)」トレンドの影響も相まってベーシックにベーシックにとデザインをそぎ落とす傾向があります。どこのブランドも着まわしやすい短めの着丈で、襟は小さくボタンは主張がなく、細身のシルエットで・・・とパッと見は特に差が生まれないほど。
しかしそういったベーシック思考のデザインに走ると「素材」の違いが目につくようになります。生地の艶感や生地の厚みなどによるヨレ加減などそれら細かい部分が重なって全体の印象を大きく左右するようになります。
「そんな細かい部分誰も気づかないでしょう?」
と思うかもしれません。確かに細かい部分は言われなければ気がつきませんが、全体の印象はそれらの積み重ねで明らかに変わっていきます。
楽器をやったことがある人なら理解できますが
「神は細部に宿ります」。
楽譜の通り楽器を吹いても、プロとは雲泥の差が出ます。同じドレミでもプロのそれとはまるで違うのです。それはタミングだったり、あるいは強弱だったり、あるいはグルーヴだったり・・・そういった細かい部分までは一般には伝わりませんが、しかしそれらの積み重ねが「全体」の印象を変えてしまい、一般でもアマチュアとプロの音の差は分かるものです。
洋服も同じです。シンプルで長く使うベーシックなものであればあるほど、それら細部の違いは積み重ねとなり大きく印象を左右します。デザインモノならばある程度「ごまかす」ことも出来ますが、同じ土俵に立っているベーシックアイテムだと誤魔化しは効きません。
WEGOのPコートはこの価格では考えられないクオリティですし、大学生など毎日私服を着なきゃいけない10代の若者の「消耗品」として着用するならば満足度はとても高いでしょう。しかし30、40代以上の男性が手に取るには少々物足りないかもしれません。どうせ休祝日しか私服を着ない人ならばなおさら。
それにベーシックだからこそ
3年も5年も同じものを着用するつもりならば、
もう少し背伸びをしても良いでしょう。
「Pコートを選ぶ時どこをポイントにしていいか分からない」という声はありますが、今はどのブランドもデザインがベーシックでシルエットも大概綺麗です。定番中の定番なアウターだからこそどこもあまり冒険していません。
なので長く使うPコートを買う時のポイントは「素材」に着目してみてください。艶があり肉感があるもの、特に襟や前立て部分がペラペラとしていないかをチェック。できれば天然素材のウールを多く使ったものなどが好ましいでしょう。
なお毎週日曜日に配信するメールマガジン、11月29日配信号と12月6日配信号では「2号連続アウター解説」を行います。まだ冬アウターを買い揃えてない人のため、チェスターコートやPコートのおすすめや着こなし徹底解説を行います。
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そんな人は是非ご期待ください。
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