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私が監修する漫画「服を着るならこんなふうに」最新話が更新されました。
連載50回を超えてついに「古着」の話に・・・!!
「古着は興味ない」
「古着なんて所詮新品の代用品でしかないでしょ?だったら新品買うわ」
と思う人は特に必見。
古着の誤解が解ける内容となっておりまーす!
今回も「服を着るならこんなふうに」最新話の補足を行なってまいります。
古着屋さんは実は二種類ある
正直なところ多くの人はこんな風に思っているのではないでしょうか。
私も昔「あんな臭くて古いもの、一体誰が好んで買うんだ?」と思っておりました。
しかし実は知れば知るほど面白い古着の世界。
作中でリカに解説をさせておりますが・・・実は
古着こそ最も新しいデザイン
とも言えるのです。
「古いのに新しい」・・・感覚的には理解しにくいことですが、これはファッショントレンドの性質を理解すればすんなりと納得できる話です。
まず一点、古着屋さんは大きく分類して二種類あります。
一つは過去10年程度以内のブランド服のリユース品を販売しているいわゆる「ブランド古着」。
これは冒頭で書いた通りまさに「新品の代用品」です。グッチ・フェンディ・ルイヴィトン、ギャルソン・ヨウジ・ケンゾーなど定価では到底手がでない雲の上のブランドを「型落ち品でも良いから欲しい」とするのがブランド古着。昨年一昨年などのモデルが格安で売られています。
もう一つはヴィンテージ古着。今回取り上げている内容です。50年代60年代70年代など言葉通り「昔」の古着を取り扱うもの。こちらももちろん「新品の代用品」として買う人もいらっしゃるとは思いますが、「古着にしかないデザイン」を求めて買う人も多いもの。
ちなみに「ヴィンテージ古着」には実は新品も多いです。誰も袖を通してない古着も意外とお店に並んでいます。例えば軍モノなどにも多いですね。大量に作った軍服、誰も袖を通さないまま在庫となっていたものを古着として販売している・・・これを「デッドストック(売れ残り品)」と呼びます。デッドストックの場合は誰かの汗が染み込んでいるわけでもないので潔癖症の人も安心(?)かもしれません。。。
作中でてくる「スウェディッシュカモ」のミリタリーブルゾン。こちらはスウェーデン軍特有の迷彩を使ったアウターのこと。直線的なカモフラージュ柄で、アメリカ軍などが使う一般的なカモ柄とは少々趣が違います。
実物はこちらですね。なんとこちら3000円程度で購入可能です。しかも多くがデッドストックの新古品。こんな風に格安で面白いデザインのものが手に入るのは古着の魅力ですね。
実は古着こそが新しい?
さて本題。
先ほど「古着こそ最も新しいデザイン」と説明しましたが、ここを掘り下げていきましょう。
まず「ファッショントレンド」とは一体どんな構造になっているのか、考えてみましょう。
まず洋服には限界があります。
人間が袖を通せるand頭を通せる形状であり、かつ運動性が確保されており、また体型を綺麗に見せる構造であること。こうした「人が美しく快適に着るもの」という根本的かつ本質的な制約が課せられているため、洋服とは不自由なデザインにならざるを得ません。人が着用でき、快適に動けて、肉体を綺麗に見せる・・・ためには自由に作るわけにはいかない。もちろん完全自由に作っている芸術的な洋服もありますが、そういった類の洋服は多くの人が着用するものではありません。
実はこの制約があるからこそ。洋服のデザインは人類史においてある程度出尽くしてしまった・・・と言って過言ではないのです。そりゃそうです、「人が美しく快適に着るもの」という制約において全く新しいデザインが無限に出てくるはずもない。何年も何十年も積み重ねていけば限界にたどり着きます。
では現代において洋服はどのようなデザインになるかというと・・・「過去のアーカイブのリモデル」を繰り返しているのです。
トップデザイナーであるほどにこれを意識します。例えば40年代の洋服、50年代の洋服、60年代の洋服と過去のアーカイブを洗い出し、古着の蚤の市からデザインを見つけ、そこに現代的な感覚を加えて「新しいデザイン」としているのです。
「90年代のトレンドがリバイバルした」とかよく言うでしょ?
バブル時代に流行った「セカンドバッグ」が今「クラッチバッグ」として若者に人気でしょ?
歴史は繰り返します、ファッションはトレンドが何回も何回も繰り返されるものなのです。それはデザインに限界があるから。もちろん全く同じものを繰り返すわけではなく、わずかなエッセンスを加えて進化し続けています。「スパイラル状」にわずかな変化を繰り返しながら進み続けるのがファッショントレンドです。
だから「古着は実は最も新しいデザイン」が埋まっているのです。
実際パリのトップデザイナー、名前の知れたところではマルジェラもゴルチエも、皆古着の蚤の市からデザインを拾ってきます。過去のアーカイブを掘り起こし、50年代などの独特な素材使いなどを参考に、80年代のビビッドな柄使いを参考に、「リモデル」しているのです。
今年トレンドのトレンチコートも数千円で買えちゃう
「古着こそ新しい」
つまり審美眼さえあれば、「古着は格安で今のデザインが手に入るコスパ最高のお店」と言えるでしょう。
例えば今年1月のメルマガで徹底解説した通り、現代のトレンドは「装飾性とドレス」に集約されつつあります。(これをここで説明すると途方もなく長いので、ぜひメルマガ1月号バックナンバーをお読みください。論理的にファッションの流行の流れが理解できます。)ここを象徴するアイテムの一つに「トレンチコート」があります。
今年はハイorロー問わずに様々なブランドがトレンチコートを提案していますが、トレンチはボタンが二列になった礼服の仕様「ダブルブレスト」を備えたロングコートであり「ドレスウェア」の最先鋒。出自はミリタリーですが、その重厚感からドレスウェアとして格上げされスーツの上などにも好んで着用されています。
またステンカラーなどのシンプルデザインではなくベルトにエポーレットに二列のボタンにと「装飾性」が強く、今年のトレンドデザインの主力となっているわけです。
そんなトレンチも古着屋さんで探せば1万円以下で買えてしまう。上のトレンチも数千円で購入したものです。しかも色使いも今年らしいスモークカラー、膝丈の長ーい着丈も今年らしい。
新しいデザイン服を買うにはお金が必要ですが、審美眼と正しい知識さえあれば古着はとても強い味方になってくれるのです。
ブランド品そのまんまでクソ安い「ミリタリー古着」の世界
このへんはさらに理解しやすい話。
ミリタリーは「ミッションに最小限必要なデザイン」だけを残した機能美のお手本のようなものばかり。
それだけに下手にデザインをいじると安っぽくなるため、多くのブランドは「ミリタリーそのまんま」の洋服を作ることも多いです。
モッズコートなんてやればやるだけ嘘っぽくなるもの。
楽天市場などに行くとやれチェック柄のモッズコートだ、やれ金具がついたモッズコートだとデザインを詰め込んだものも多いですが、どうにも安っぽくチープに見えてしまうもの。
マルジェラなどのトップデザイナーもミリタリーそのまんまでデザインをほとんど崩さないことも多い。
んで・・・だったら、「ミリタリーそのままを買えばいいじゃん」って話。
このモッズコート高そうに見えますが1万円程度で手に入ります。
ビューティーアンドユースやアローズで買えば3倍はしてもおかしくない。
素材も彼らは「ミリタリー素材を再現しよう」と素材開発するくらいですが、だったら原型を買えばいいだけのこと。もちろんジャストサイズやよい状態のものなど「探す手間」は必要ですが、それでも3分の1の値段ならオイシイでしょう。
審美眼と知識と根気は必要かもしれませんが、例えば本KnowerMagやメルマガを数ヶ月も購読している状態ならばある程度は古着屋さんでも良品ピックができるはず。
食わず嫌いも多いと思いますが、時には古着を試してみてはいかがでしょうか。
匂いについてはこれは一般的に「防虫剤」のせいであると考えられます。
古着は「〜トン」単位で大量に保管するため虫で大ダメージを食らう場合が多く、そのため防虫剤をかけておくのです。この匂いが残っているわけでクリーニングしたり、また何度か使用していくと消えて行くものも多いです。ご参考に。
また古着についてはよりディープな解説を2018年2月配信号のメルマガにて解説しております。気になったらぜひ読んでみてください。
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10年以上かけて構築した論理であり絶対の自信があります。
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