素材について

「落ち感がある」服ってどういう意味?どんな効果があるの?

 

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「落ち感」って何?

 

通販サイトなどを見ていると時々出てくる「落ち感」という表現。落ち感とは一体何でしょう??
なんとなく理解している人もいれば、「”お痴漢”なら分かるけど”落ち感”はさっぱりわからん」という人もいるでしょう。

「落ち感」とは素材の風合いのことなのですが・・・
なんとなく多くの人は洋服を見る際、「デザイン」→「シルエット」→「素材」の優先順位で見ている気がします。

「素材は後回し、デザインの方が大事」
「別に素材の良し悪しなんて分からないし・・・」

なんて思っている人も多いでしょう。
ところが素材によって見え方はまるで変わるもの。同じ白シャツを着ているはずなのに「あの人はおしゃれ」「あの人はそうでもない」なんてこともあるでしょ?それはもしかたら素材のせいかもしれませんよ。

今回は「素材」を見る際に重要な「お痴漢」・・・じゃない「落ち感」についてお教えしましょう。

 

デニムには落ち感がなく、スラックスには落ち感がある?

 

「落ち感」とはつまり「テロンと滑らかな素材」のことです。
洋服の素材にはガサガサしたものと滑らかなものがあります。

 

 

例えばデニムは「落ち感」がありません。
世の中には落ち感があるデニムも存在しますが、基本的にはありません。デニムはガサガサしており硬くシワがよりやすい素材。「落ち感」とは真逆にある素材です。

 

 

逆にスラックスには「落ち感」があります。
例外ももちろんあるのですが、基本的には皆滑らかでテロンとしたものが多い。デニムのようなガサガサ感がなく柔らかく滑らかでシワがよりにくい素材です。

 

シワ感の違いが「落ち感」

 

「上から下へストンと落ちる素材」から「落ち感」という言葉につながっています。
スラックスはハンガーにかけた状態だと滑らかで柔らかいから流れるように素材が「落ちて」シワ感が出ないでしょ?

 


https://auctions.c.yimg.jp/images.auctions.yahoo.co.jp/image/dr000/auc0309/users/5/6/8/2/jovo_mira-img750x1000-1506043352mxbok428715.jpg

ところがデニムなどの「落ち感」のない素材は言葉通り、まっすぐ下に落ちません。
ハンガーにかけても途中でシワが生まれて凹凸が出るでしょ?これが大きな違いです。

 

落ち感があるとどんな効能があるのか?

 

では滑らかでシワが出ない「落ち感」があるとどんな効能があるのか?
それは「高級感」と「ドレス感」です。

 

 

例えばメンズの定番アイテム「白シャツ」を選ぶにしても
ユニクロに行くと「オックスフォード」だとか「ブロード」だとか色々な素材のものが並んでいます。デザインもシルエットもパッと見は同じなので「一体何が違うんだ・・・?」と悩んでしまう方も多いでしょう。その違いも実は「落ち感」です。

 


https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/400652-63

 

オックスフォード素材の多くは硬くゴワゴワしたものです。

デニムのように肉感がありタフな素材で耐久性が高いのですが、反面シワが多くなりやすく高級感はありません。またシワはラフな印象を生むものです。洗いざらしのTシャツやデニムなどシワのあるものほどカジュアルに野暮ったく感じますよね?他方ドレスシャツやスーツなどシワをきっちり伸ばしたものはドレスライクにかしこまった印象がありますよね?この違いからシワの出るオックスフォードシャツは「ラフでカジュアル」な印象を生み出すものなのです。

 


https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/411830-00

 

他方ブロード素材(ユニクロでは「エクストラファインコットンブロード」)は滑らかでツヤがある「落ち感」があるものです。
オックスフォードとは異なり滑らかでシワが出にくいため高級感とかしこまった印象「ドレス感」があります。

 

同じような白シャツでもカジュアルなオックスフォードの方がラフな印象になるし、ドレスライクなブロードの方が大人っぽい印象となるわけです。

 

こういう時にはこれを合わせれば良い、などの「判断の基準」が生まれる

 

【初めてこのサイトに来た人へ】最も早くオシャレになる方法とは?メンズファッションで気を配るべき一つの答えとは?

 

上記記事「ドレスとカジュアルのバランス」を読んでない方は是非一読ください。ここにメンズファッションで一番大事なことが書いてあります。

 

日常着はドレスすぎず・カジュアルすぎないバランス感が求められるものです。ドレスすぎればいくら格好良くても「仕事着」の様な印象となり、カジュアルすぎれば「コンビニに行くリラックスウェア」のようになってしまいます。

だからこそ「落ち感」を覚えておくと便利です。
例えば白シャツを買うにしても・・・
普段デニムが多い人は「ちょっとドレス度を足すのにブロードが良いかな」と判断できる。
他方普段スラックスが多い人は「ちょっとカジュアル度を足すのにオックスフォードが良いかな」と選択できる。

ファッションは自由であり好きに楽しむべきものだと思いますが、何一つリテラシーの無い状態で「自由にしてね」と言うのはあまりにも乱暴ですね。初めて麻雀をする人に「好きな役を作れば良いよ」と言われても、何をどうすれば良いのかわからない以上楽しむもクソもありません。ルールを覚えて、初心者が作りやすい役をまず覚えて、リテラシーを得た上ではじめて「自由」は生み出すことができます。この世の理として、自由とは「一定の不自由」の中にあるからこそ生まれるものなのです。何一つ持たない自由は「デタラメ」と呼びます。

 

実践すると面白いくらいに腑に落ちるはずです。

「落ち感」があるとシワ感が出ないとボロボロのカジュアルなデニムに合わせても大人っぽい印象が出ます。
これがオックスフォードなどのゴワゴワ素材だとそうはいきません。

 

落ち感についての簡単な分類

 

そして「落ち感」とはシャツ以外でももちろんあります。

例えば「落ち感のあるデニム」もあります。レーヨンなどが混紡したデニムなどは落ち感がありシワが生まれにくい。「デニムなのに高級感がある」「デニムなのに大人っぽい」状態も作れます。

例えば「落ち感のあるスウェット」もあります。「落ち感のあるTシャツ」もあります。本来カジュアルで野暮ったいアイテムに「落ち感」が加わることで大人っぽさがプラスされ、他人と差がつくこともあるのです。「白シャツにデニムばかりなのに何故か格好良く見える人」は落ち感を気にしているのかもしれませんね。

 

 

ちょっと誤解を生みかねない図ですが、ざっくりと分類しておいたので是非ご参考に。
落ち感のあるorないを視覚化しました。アイテムや素材名や織りの名前などごちゃ混ぜで統一感がありませんが、多分初心者の方への指針としては下手に分類するよりこっちの方が分かりやすいんじゃないかな。聞き覚えのある名称が沢山あると思います、単語を拾って「あ、これは多分落ち感があるんだな」などの判断がしやすくなるはずです。

ただし上記の通り「落ち感があるデニム」もあるわけで例外的なものも山ほどあります。あくまで簡単な指針として最初のリテラシーの一つとして使ってもらえればと思います。

 

例えば通販の説明に
「これはシルク調の素材を使ったTシャツで・・・」
「サテン風の素材を使ったミリタリーブルゾン」

なんてあれば同じTシャツやミリタリーブルゾンでも「落ち感があるのかな」と判断ができます。こんな風に単語で切り取って覚えておくとわかりやすいと思います。

 

「落ち感」に限らずアパレルではちょっと聞きなれない言葉が多いもの。
しかしながら、ちゃんと覚えると「選ぶ基準」が生まれます。是非明日からのショッピング・コーディネートの参考にしてみてください。

 

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