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世の中にあるモッズコート。源流はもちろん「ミリタリー」。
メンズ定番のアウター「モッズコート」ですが・・・
安っぽくないちゃんとしたデザインのものを買おうとするとそれなりに値段がするものです。
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例えばこちらはSHIPS、34,560円。
冬用のファーもついているからか、かなり高価です。
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例えばこちらはSAVE KHAKI。ミリタリーとワークが得意なニューヨークのブランド。日本でも直営店があり人気があります。こちらで41,012円。防寒性はさほどありませんが、原型であるミリタリーのM51を再現した本格的な素材で高い値段がついてしまいます。
・・・今「原型」と書きましたが・・・そうなんです。
「ミリタリー」と書いているからにはもちろん原型があります。
モッズコートの原型は「アメリカ軍のM-51コート」のこと。世の中にある全てのモッズコートはこのM-51を原型としてデザインを付け足したり削ったりして作られているのです。
ミリタリーは全てに理由のあるデザイン
私たちが普段着用している洋服には全て「原型」があります。
実は「街で着るために作られたもの」はほとんど存在しません
全て「他の目的で作られたもの」を街で着用しているのです。
例えばスニーカーは元々競技用トレーニング用の靴です。
例えばジャケットはビジネスやパーティー用の服です。
例えばデニムは労働用のワークウェアとして作られたものです。
モッズコートは上述の通り軍用に作られたものだし、
マウンテンパーカーは登山用として作られました。
スウェットパーカーはトレーニング用、シャツはドレス用ビジネス用、、、
もう挙げるとキリがありませんが、この世にある「服」は全て街着のために作られたものではないのですね。
だからこそ実は街着にはどれも「原型」があるのです。オリジナルデザインが存在し、それの派生型として流通している。これはどんな格安ブランドでもどんなハイブランドでも同じです。デザインとは人類の長い歴史の中で出尽くしてしまっているからこそ、全てのデザイン服は「過去のアーカイブからエッセンスを加えて新しいものとしている」バリエーションに過ぎないのです。だからハイブランドのデザイナーは古着の蚤の市などに行き、デザインのヒントを得るわけです。
そして軍服であるミリタリーはデザインの派生が極めて少ないジャンルです。
モッズコートと言えば大体デザインは決まっています。あまりごちゃごちゃとデザインを付け足すブランドもありません。海外のハイブランドでもアメリカ軍の「M-51」をほぼそのまま踏襲したものも多いです。
なぜならミリタリーは「デザインの完成形・到達点」とも言えるものが多いから。
軍服は「ミッションに必要なデザイン」しか詰め込みません。全てのデザインに理由があります。
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例えば多くの軍服は前のボタンをフラップで隠した仕様になっています。よりシンプルな印象になるためドレスなどで使用される「比翼仕立て」と言われるデザインです。こうした細かい部分にもきちんと理由が存在します。「ほふく前進でボタンがひっかかることが多いためボタンを隠すようにしている」「計器に引っかかり事故の原因になる」などの理由ですね。
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襟が高いデザインは小顔に見えるもの。顔が小さく見えると対比で手足が長く感じられるためモデルのようなスラリとした体型に錯覚させる視覚効果があります。M-51などのモッズコートもこのデザインですが、ここには「口元を隠すことで体温を奪われにくくするため」といった理由があるのです。
存命する偉大なデザイナー、ジャンポールゴルチエも「自分の服には全てのデザインに理由がある」と語っていますが、ミリタリーは改変しバリエーションを作りにくいほどに理由が存在し完成度の高いものなのです。だからこそ多くのデザイナーがバランスと機能美を評価し、「軍モノをほぼそのまま」でアイテムを作るのです。
実は原型なら9000円で買える
・モッズコートには原型がある
・多くのデザイナーがミリタリーはデザインをいじらない
・・・であるならば「原型であるミリタリー」を購入した方が良いんじゃないか、と思うわけです。
もちろんミリタリーは少しシルエットに余裕があるものが多いので、ブランドはシルエットを現代的にしたり、また機能性を強化して防寒用のライナーをつけたり、はたまたちょっとドレスライクな印象になるようにウール素材で作ったり、と色々工夫もしているので「絶対に原型を買った方が良い」とまでは思いません。あくまで色々選択肢がある中の一つとして考えれば良いと思うのですが・・・何より原型は「安い」んですね。
私が着用しているこのモッズコートはまさに原型、本物の軍おろしモノです。
「え?軍おろしモノってことは、実際に軍人さんが着ていたってこと??・・・それはなんか怖いなぁ」
と思う人ももしかしたらいるかもしれませんが、ご安心を。古着屋さんなどの市場に流通しているM-51などのミリタリー着は、結構な割合で新品があります。
こちらのコートも新品です。実際に軍用に使われていたのなら何よりもっとボロボロになっているはずですしね・・・。
「新品」というのはいわゆる「デッドストック」です。生産はされたけど配給されることなく余剰在庫として倉庫に眠っていたものを、民間に放出したものです。このパターンはかなり多いのですよ。古着屋さんでも実は「ヴィンテージ」ではなく「デッドストック」のものも多いです。ただ一括管理するので全てに「防虫剤」がふられているので古着特有の匂いはありますけどね。
で、このモッズコート・・・お値段はなんと9000円ほどで買いました。
実際にモノを見ると理解できますが、「UNITED ARROWS」のタグが貼ってあって値段が30000円と書いてあったら納得してしまう風格があります。それもそのはず、素材も安いからといって粗悪なわけじゃありません。軍用ですから引き裂きや傷などを防ぐように研究開発されたタフなものです。アローズやシップスなどの各セレクトショップオリジナル品やハイブランド品などはこの「ミリタリーの素材を再現する」ために素材開発をするくらいです。原型であるM-51は軍おろしものでブランドタグがないから手頃ですが、素材的にはそれらブランド品と比べても遜色ないものなのですよ。
ただし問題は「サイズ感」です。
モッズコートは定番人気の商品で、「安く現代的に使える」ということで古着市場でも比較的人気です。
だからこそ日本人に合うジャストサイズはバイヤーの中でも人気で、争奪戦ではあります。最近少し流通量が多い様ですが、それでも古着屋さんによっては「少々大きいサイズしかない」ことも多いでしょう。このあたりは「ブランド品」のように安定的に購入できる様なことはありません。実際に古着屋さんに回って試着して確かめる必要もあるでしょう。ただ繰り返しますが最近は流通量が多いので狙うなら今がチャンスです。あなたの街の古着屋さんにも仕入れてあるかも。可能性は高いです。
知見次第で安く良品を手にいれることが出来る
実はこんな風に「知識さえあれば超手頃な価格で手にはいる」アイテムは案外あるものです。
例えば軍用の革靴だって上野に行けば5000円程度で買えますが、形は意外と現代でも使えるデザインだったり。
デニムパンツだって古着なら3000円くらいで手にすることもできます、形はお直し屋さんで裾幅を直せば今っぽく見せることは十分可能です。
「お金がない」からオシャレができないとは限りません。
こんな風に実は洋服にはいくつか抜け道があり、安く良品を手にする方法はあります。
2月から3月のメルマガではこんな「古着話」を少ししていこうと思います。
9000円でハイエンドなデザインのアウターが手にはいる、ファッション上級者が行き着く「古着」。
もちろんオール古着である必要もないし、少々臭かったり面倒だったりデメリットもありますが、
選択肢の一つとしてはとても面白いものです。お楽しみに。
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タダで読んで辞めたければ当月で辞めてください。全く構いません。
私はこれで日本のメンズファッションを変えるつもりです。
10年以上かけて構築した論理であり絶対の自信があります。
騙されたと思って読んでください。
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