雑記

STUDIOUSステュディオスは何故売れる?何故安い?洋服の原価から見えてくるブルーオーシャン戦略の基本

 

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今日は誰もが気になる「洋服の原価」

の話をしていきましょう。

 

洋服の原価は3割?基本的な構造はコレ

 

 

まず洋服の「定価の仕組み」について。上の図をご覧ください。洋服を生産する際の「モノの流れ順」にまとめたものです。

 

まず初めはブランド側が「今年の秋冬にはコレを売ろう!」と企画を考えてデザインをします。
そうして素材や加工や縫製を行なってくれる工場に発注します。
出来上がったサンプルをセレクトショップに見せて発注してもらいます。
セレクトショップは届いた商品を消費者に販売してゴールです。

 

基本的にはコレだけの構造です。生産会社は一社ではなく複数社が絡むことの方が多いですし、デザインや企画そのものを他社が行いブランド側はライセンスを提供するだけの場合も多いですが・・・まあ単純化すればこんな感じ。

 

「モノを作る人・モノを企画デザインする人・モノを売る人」

 

この3つの関係で洋服は出来上がります。

 

商品は人の手がかかればかかるほど値段が高くなる傾向にあります。どんな人にだって給料や対価を払わなくてはいけませんからね。

 

「モノを作る人・モノを企画デザインする人・モノを売る人」

この3者の利益構造は上の通り。ここで明記している利益構造は主にブランドビジネスの場合です。ルミネや伊勢丹に並ぶブランド品は大体こういった構造は基本です。
 

 

私が着ているお洋服、あなたが着ているお洋服。「モノを作る人」だけの話で言えば概ね3割です。1万円で買ったものが3000円で出来ているわけです。もちろんだからと言って「ぼったくりだ」とは全く思いません。モノを作るには企画もアイディアも必要です。会議でウンウンと唸りながら考えて消費者の傾向や世界的なトレンドを意識しながらデザインしたことが「無価値」であるわけもありません。デザインし企画し取りまとめる人が30%、モノを作る人が原価込みで30%、というのはそんなに違和感を覚える話でもないと思います。

 

「メーカーが売る」ことで洋服の値段は下がる

 


唯一違和感を覚える箇所といえば「モノを売る人」でしょう。

 

あなたがセレクトショップでよく買い物をするならば、そのお店に40%もの利益を払っていることになります。

 

もちろんセレクトショップは暴利を貪っているつもりはありません。販売員を確保しなければならない、売れ残り在庫のリスクを背負わなければいけない、お店を作り世界観を見せて商品価値を高めなければならない、お店の家賃などの固定費を確保しなければならない、メーカーとは「他社」である以上関わる人間の数も背負うリスクもそれなりにあるため利益を乗せなければいけないでしょう。

 

メーカーやブランドが各都道府県にお店を出して販売するということが事実上不可能でした。土地勘もなく、販売員の確保も難しい、規模の大きなブランドであればある程度は可能でしょうが、それでもリスクは大きい。「卸先」を見つけて地元のセレクトショップに商品を渡して「販売代行してもらう」方が合理的でした。以前までは。

 

 

しかし今は「通販」があります。通販のノウハウや技術も進化し、高精細な画像で微妙なニュアンスを伝えることも出来る様になり、また返品交換などの対応ノウハウ、物流の最適化も進んでおり、徐々に「交通費を出してお店まで行くことになんのメリットがあるのか?」と疑問を持つ人が増えてきました。ただでさえ「売りつけるような接客」を行うお店が多々あるわけで、「お店で買い物をするよりも、家で冷静にじっくり考えて選んだ方が良い」と判断する人が増えるのも納得です。

 

そして「通販」ならば、「販売員」も「お店」も必要ない。リスクが少なくメーカー直営で各都道府県どころか世界に向けて販売が出来ます。文章や動画やレコメンドエンジン(”あなたにおすすめ”など)で「接客」することも可能となりました。邪魔な販売員がいる様なセレクトショップよりも余程満足度が高いではありませんか。直営通販は今やどのブランドも展開しており売上の大きな割合を占める様になりました。

 

そしてそうした「メーカー直営の通販」ならば、このセレクトショップで乗せている「40%」の利益を大幅に削減することができるはずです。

 

STUDIOUSが売れている理由はブルー・オーシャン戦略にあり

 

 

いささか乱暴な話ではありますが、中間マージンをとっているセレクトショップがなくなれば実は定価は下がります。

 

もちろんメーカー側も販売にあたってコストもありますから、「利益がゼロ」というわけにもいきません。ただしかし他社を絡ませることもなく自社で生産から販売が完結するようになるわけですから、現時点の構造よりは遥かに安くなるでしょう。上述の通り通販ならば尚更です。

 

実際ブランド直営通販はダイナミックなセールを行うところも多いです。限界MAXで「70%OFF」までは腹を痛ませずに在庫を消化することができるわけです。セレクトショップは構造的に40%OFFが限界、それ以上は赤字になります。だからこそ直営ショップと地方のショップとでは最終的なセールの値付け金額に差があったりします。

 

IPO | 9月2日マザーズ上場のセレクトショップ、STUDIOUSの経営感覚 | 会社四季報オンライン
9月2日、東証マザーズに新規上場するSTUDIOUS(ステュディオス)。「勉強好きな」という社名のとおり、堅実にビジネス感覚を研ぎすます経営スタイル。センス...

 

この構造を利用して大きく業績を伸ばしているのが「STUDIOUS」。

 

「売上が厳しい」「退店も考えている」「そろそろ潮時かな・・・」そんな声ばかり聞こえてくるアパレル界隈ですが・・・STUDIOUSだけは大躍進。飛ぶ鳥落とす勢いで売上を伸ばし遂に上場企業の仲間入りに。国内有力ブランドの買収もスタートさせており将来的には「日本版LVMHを目指す」と意気込んでいます。

 

STUDIOUSの商品や展開内容を見ると「モノは良いけど、競合ブランドと比べると少し安い」と感じることが多い。実はSTUDIOUSだけでなく昨今こういった「妙に安いブランド」が増えてきています。ファストファッションではなくきちんとしたブランドの体を為している。イオンモールやららぽーとなどに入ってる量販ファストファッションではなく、LUMINEや伊勢丹などの高級ブランド品ゾーンに出店しており内容もそれらと同程度のクオリティを誇っている。それなのに価格帯は「ファストファッションとブランドの中間」程度に据え置いている。

 

この理由は前述の図の通りなのですが・・・彼らは既存のブランドの様にセレクトショップに卸すことをせず生産から販売まで自社一貫で消費者に届けるため他ブランドよりも最適化された構造を持って「手頃に良品を提供すること」が出来るのです。

 

つまり彼らは上の図で言うところの「本来セレクトショップが持っていた40%の利益」を浮かせることができるわけです。そこで彼らは上の図での「生産原価」、つまり原価率を30%から50%程度まで引き上げています。良品を手頃な価格で提供できるように「原価率」をあげて、販売側には20%の利益を残している。

 

すると「モノが良いのに、何故か安い」という状況を作ることができます。STUDIOUSと同価格帯のブランドは中国製などが多い中、彼らはほとんどが日本製。ブルー・オーシャン戦略で言うところの「高付加価値・低価格戦略」です。このへんの話は私が連載しているmineに詳しいので是非。STUDIOUSはブルーオーシャン戦略の基本を踏襲しています。売れるにはきちんと理由があるのですね。

 

【MBの"超"思考】戦わずして勝つ。ブルーオーシャン戦略を学ぶ。 | mine
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無価値なサービスを許すほど世界に余裕はない

 

 

さてこんな図を見るとさも「セレクトショップは悪だ」「販売員は必要のない接客をしてお金をとっている無価値な存在だ」と考えたくもありますが。。。もちろん良質なセレクトショップや販売員も沢山あります。

 

ファッションは体系化された技術やノウハウであり、何のリテラシーもない状態で購入すれば間違いなくおしゃれにはなりません。おしゃれになるためには法則があり方法がありノウハウがあります。それを提供するのが本質的な意味での「接客販売」です。

 

「お客様により賢く、より必要なものを提案するプロフェッショナル集団」であるはずのショップスタッフは、いつしか目的がすり替わり「お客様により多く、より不必要なものまで提案し客単価を得る集団」となりつつあります。もちろん全ての販売員がそうではありませんが、一部の心無い販売員のせいで全体がそう見られているのは非常に不満足です。

 

私自身も10年以上販売員をしておりました。今でも「良いものを世の中に届ける」という意味において自分を販売員だと定義しています。真剣に販売を追求する人ほど販売業の尊さを理解しているはずです。心から相手を想い、相手のために提案し、そしてその対価を得る。世の中の役に立つ専門職のはずです。

 

しかし今は上記の図の通り「販売なんて無価値だ」と判断されつつあります。世の中がこんなにも通販サイトだらけになり、実店舗から人がいなくなったあたり、まさにそれを象徴しています。販売に本当に価値があるのならば、お客様はいかに見やすい通販サイトがあったとしてもいかに交通費や駐車場代がかかったとしてもお店まで足を運ぶはずです。しかし現状はどんどん集客が落ち、反比例して通販の売上が高まっている。これはまさに人々が「販売は無価値である」と位置付けている証です。

 

セレクトショップは自分たちの存在意義を再考しなければありません。社会において自分達がいかな価値を提供しているのかを再定義しなければならないでしょう。通販ではなく自店で買う理由は何なのか。直営ショップではなく自店で購入するメリットは何なのか。そしてそれは本当に40%の粗利を取れることなのか。ここを考えて再構築しなければいけません。「無価値なサービス」の存在を許すほど世界に余裕はありません。

 

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