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新ブランドSOCIAL WEAR(ソーシャルウェア)をレビュー!アパレルの商習慣を破壊する「エバーレーン」の日本輸入版!

 

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「SOCIAL WEAR/ソーシャルウェア」というブランドをご存知でしょうか。

 

 

現在ZOZOTOWN上で販売されているブランド。ブランド説明は以下の通り。

 

日本生産がシュリンクしていく中、私達は「日本のファッション製造業を活性化させ、強い日本産業を取り戻す」というコンセプトの下、生まれました。 あくまでも、Made in Japanにこだわり、将来的には海外にも進出をし、海外のSPAブランドに並ぶMade in Japanブランドを目指します。 ハイグレードな素材にもかかわらず、自社生産ラインによる完全受注生産のため、過剰在庫を防ぎ、セールを一切しないお客様に対して誠実なプライシングを試みます。また、実店舗展開をしないEコマースに特化したブランドのため、人件費等のコストを極限まで抑えることで、商品の原価率は平均して約60%と日本製でも圧倒的なバリューのある価格を実現しました。

 

本ブランドの特徴はつまり・・・

・他ブランドと比べて圧倒的に高い原価率

・大規模な店舗開発をせず通販のみで販売をするため固定費が極限まで削減される

・完全受注生産で在庫のロスがないため、「余った在庫金額が上代価格に転嫁される」ことがない

 

というあたりでしょう。
一つ一つ解説していきましょう。

 

 


ちなみに私、解説するからには全型購入しました。

全て体感済みで語りますのでご安心を。というか私はこれに限らずメルマガ掲載の紹介商品などは基本的に全て消費者と同じく自分のお金で買って、自分の体で着て、編集やライターを入れず自分の指で書いています。これは以前から変わらないスタンスです。昔から借金してまで服買ってたので気になったらGETしないと気が済まないのです・・・。

 

原価率について

 


http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/092900020/100300006/1-ph2.jpg

 

実は最近、原価率公表や産地公表が密かなトレンドの様です。

衣食住の中でもとりわけ「食」においてはトレーサビリティ(物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態)公表は一般的です。「産地がどこ」だけでなく最近のスーパーでは「生産者の山田さん」まで書かれていることも多い。直接自分の身体にいれるモノだけに産地などを全て見極めて安心したい、という食ならではの取り組みですが・・・最近ではこれが「衣」であるアパレルにおいても誕生し始めています。

 

上記画像はアメリカのSPA(製造小売業)「エバーレーン」のトレーサビリティ。売上高1兆円超えを誇るアメリカの新興ブランド「エバーレーン」の特徴は、まさに今回紹介している「SOCIAL WEAR」と同様、店舗展開を持たずEC限定にしているところ(というかSOCIAL WEARはエバーレーンのビジネスモデルを輸入したものでしょう)なのですが、これはまた後述するとして・・・。

もう一つの特徴が「トレーサビリティ」を導入しているところです。

 

どんな大企業でも、それこそユニクロでも洋服の全てを自社で作ることはできません。生地屋さん縫製工場、ボタンなどのパーツ屋さん、加工場さんなど複数の会社を経て複雑に絡み一枚のシャツが完成するワケです。エバーレーンが導入しているトレーサビリティではその過程の中で「どこで作ったか」だけでなく「どのくらい費用がかかっているか」という原価も公表しています。(どの程度信頼できる情報なのかは結局消費者レベルでは裏付けが不明確ですので・・・こうした取り組みもまあぶっちゃけ気休め程度の表記でしかないですが、目新しく新鮮なのは確かです。)

 

いわゆる「見える化」によって消費者の信頼を得ているわけですが、どうやら「SOCAIL WEAR」もコレを進める様です。現在ZOZOのみで販売されているこのブランドですが、今後正式ローンチ(1月中旬)後は「原価率を全て公開する」とのことです。原価率というのは一律で決まっているものではなくモノによってマチマチです。これらを商品ページに明記して「いくらかかって、ウチがいくら上乗せしています」というのを全て書くとのこと。日本ではあまり見ないちょっと面白い取り組みです。

 

セレクトショップの凋落と直営ショップの台頭

 

 

「ウチの製品は他と比べて原価率が高いから得です!」と声高に主張するブランドが実はここ数年増えてきています。その理由の一つに「セレクトショップの凋落・直営ショップの台頭」が挙げられるでしょう。基本的に今までは上の図の様な構造になっていました。

 

ブランドが洋服を60%でセレクトショップに卸す。
セレクトショップは40%を粗利として得る。

この極めてシンプルで原始的な構造がアパレルのかつての商習慣でした。

 

しかしインターネット通販が普及した近年、地方のセレクトショップは軒並み凋落が進んでいます。

かつては「ブランド品を仕入れて売る」ことだけが地方セレクトショップの役割でした。それは・・・地方にいるブランドファンにしてみると「わざわざ都内のフラッグショップまで行くには遠すぎるしお金もかかる。だから手近にあるセレクトショップで扱ってもらえるのは有難い」から。だから過去10年前までは地方のセレクトショップが成功する秘訣は「いかにファンの多いブランドを取り扱える様に根回しするか」の一点でした。それがネット通販によって崩れてしまったワケです。

 

今ではどんな離島に住んでいても、マニアックなブランドを手元で注文することができます。通販サイトによっては返品も出来る、コーディネート提案も豊富で着こなしもある程度迷わなくて済む。わざわざ市街地にあって交通費もかかるセレクトショップに、しかも営業時間を狙って、しかもピーチクパーチクうるさい邪魔な店員の相手をしながら買い物をしなくても・・・スマホ一台で簡単に済ませることが出来る様になりました。

また地方のセレクトショップだと資本の限界もあり「バイヤーがセレクトした売れ筋のもの」しか並んでいませんでしたが、直営通販ならばラインナップは全型揃っていることが多い。


こうしてブランドファンからすると「直営通販サイトで買う」メリットの方が徐々に大きくなってきたのです。

 

 

もちろん地方のセレクトショップにはそれでも魅力はあります。他ブランドと考えもしなかったコーディネートの「掛け合わせ」を提案してきてくれたり、「その土地ならではのトレンド」を熟知していたり、もっとシンプルに実際に素材感などを確かめながらじっくり吟味して試着できるというメリットもあるでしょう。

しかし上述の「直営通販のメリット」に惹かれる顧客層も少なからず存在するわけで、数年かけて地方のセレクトショップはこうした直営通販の規模感に押されていき・・・徐々に売上規模を減らしていきました。売上規模が減って行くと当然商品のラインアップが減ってくる。上述の通りブランドファンからすると「ラインナップの少ない中から選ぶ」よりも「直営の豊富なラインアップから選ぶ」方が嬉しいわけで・・・これは負のスパイラルです。

「売れなくなると仕入れ資本が減っていき→製品ラインナップが減ってしまい→顧客が減って行き→また売れなくなり→→→→・・・」とじわりじわりと客離れが起きていったのです。

 

そうして地方のセレクトショップはどんどん廃れていき、近年何が起こっているかというと・・・「地方セレクトの倒産」です。倒産が起こるとブランド側にすると何がマズイのか、それは「負債を抱えたまま逃げられる」ということ。

 

これは大げさな話じゃない。例えば私の地元新潟でも「ブランドにお金を支払わず裁判沙汰になっているお店」を私は1店舗どころじゃなく複数知ってます。中心地にあり一見煌びやかに見えるあのお店もそんな事態に陥っているのです。

狭い新潟で複数店舗あるわけですから、全国に卸しを展開しているブランドからするとこんな事例が複数あるわけです。これは明確に「経営上のリスク」となります。地方の個店でデザイナーズブランドの買い付けなんてせいぜい年間500~1000万が良いところ。上の構造図でざっくり(あくまでざっくりです)考えるとブランド側のフィーで考えると150~300万程度の粗利しか出ないわけ。この程度の金額で支払いがおじゃんになるリスクを背負う必要なんてありません。「リスクがでかいお前らに卸すくらいなら・・・だったら直営通販を伸ばして俺らだけで頑張って売るわ」とブランドは方向転換するに決まってます

だって地方店でブランドを取り扱わせないようにすれば、おそらくその分直営通販が伸びてくれるわけですから。

直営通販の方が粗利がムチャクチャでかいし、「バックレ」のリスクを背負わなくても済む。

当たり前の様にここ数年でデザイナーズブランドは「地方卸し」から「直営通販強化体制」に移行しているのです。

 

直営通販強化の末、アパレルの商習慣は破壊される

 

さあ、そしてブランドが直営だけで頑張ろうと考えると何が起こるか?
それこそがアパレルの商習慣である「原価率」の破壊です。

 

 

定価設定はいかにして行われるのか。それは上記の図の通りです。
しかしこれはあくまで「卸し先がある」ことが前提なワケ。卸し先があるから最後の「40%」が上乗せされているわけで、極端なことを言えば卸し先がない直営通販ならば「定価の60%」でもなんとか粗利は出せるのです。

 

今までは卸先のことを考慮して、定価設定をしなければなりませんでした。まさか直営通販だけ値段を安く設定するなんてこともできませんからね。言い方はちょっと歪ですが「卸し先に引っ張られて値段が上がっていた構造」があったのですね。それが解き放たれた時どうなるか、当然「原価率」にメスを入れるでしょう。

 

上で「直営なら定価の60%でもOK」なんて書きましたが、もちろんそれは極論。直営だって販売員を抱えなければいけないし、店舗も構えなければいけない。販売にかかる固定費が必要な以上、40%をバッサリ切るわけにはいきませんが、それでも卸しがいたころよりはずっと安く定価を設定できるはずです。

 

こうして今複数のブランドが卸しをやめて、「ウチの原価率は他より高いからお得です」と言い出しているわけです。

地方の凋落でアパレルの商習慣が破壊され、高い原価率を誇る新興ブランドを生んでいるわけ。その一つが「SOCIAL WEAR」とも言えるでしょう。

 

店舗展開をしないことで固定費を極限まで抑える

 

 

また米国エバーレーンも「SOCIAL WEAR」も店舗を展開せず完全EC展開というのが特徴の一つです。
こうすることで

・販売員の給料
・店舗の固定費

などを全て削減できるので結果的に定価に還元できるというワケ。世界規模のファストファッションブランドが台頭して久しいですが彼らの足をすくうことが出来るのはこの方法しかないかもですねえ。店舗展開して大々的に打ち出す彼らに価格で対抗するには、店舗を諦めてオンライン上だけで戦うのは賢いと思います。

返品率を下げるためのZOZOSUITなどのサイズ測定方法だけでなく、
ヤマトやamazonも「試着して返品交換を可能にするスペース設置」を検討している様です。今後は通販の利便性が店舗を上回るかもしれません。こうなればオンラインのみのブランドも特に利便性で問題はありません。

 

でも「SOCIAL WEAR」のコスト削減意識はちょっとヤリ過ぎかもしれない笑。

 

荷物が届いて一番初めに驚いたのは「ブランドタグがない」こと。

 

 

どこ探してもね「SOCIAL WEAR・ソーシャルウェア」の表記がないのですよ。
タグまでコスト削減かぁ〜・・・タグくらい良いんじゃないかなあ笑。

 

 

下げ札に小さく「ソーシャルウェア」の文字。ようやく発見。

 

 

そう、実はこのブランド「STUDIOUS」のTOKYO BASEが展開しているのです。なので下げ札は「STUDIOUS」。これだとブランドの顧客ロイヤルティ(愛着度)が高まらないんじゃないかな。それとも今回は間に合わずSTUDIOUS下げ札なのか・・・。

 

かつてどのブランドも挫折した「予約販売のハードル」を超えられるか?

 

 

長くなりました。「SOCIAL WEAR・ソーシャルウェア」の最後の特徴を説明しましょう。それは「完全受注生産」というところ。

 

現在は一部購入後すぐに納品されるものもある様ですが(おそらくシーズン終わりなので交換用余剰在庫などを出している段階)、基本的には全て「完全受注生産」で販売される様です。

 

これも定価をなるべく安く抑えるための一手法。基本的に洋服はどんなものでも必ず在庫が残ります。定価消化率100%など目指せるわけもなく基本的には「物余り」か「物足らず」のいずれかの状態に陥るものです。これはどんなにシステムが洗練されても、どんなに熟練のバイヤーがいたとしても、まだ現代では「需給の交差点」を突くことは不可能です。

 

で、基本的に洋服はブランドトータルで見ると「物が余る」状態となります。消化率はブランド次第ですが、どんなに洗練させても90%を超えることはないでしょう。そうなると余った商品は廃棄されるわけですが、この余った商品のロス分は当たり前ですが定価の価格設定に転嫁されます。

 

これを解決するためには「受注生産」以外ありません。受注生産方式ならロスが限りなくゼロに近くなるので、余剰在庫分が定価に転化されることがありません。可能な限り定価を安く設定することが可能となるわけです。これをやっているのが「SOCIAL WEAR・ソーシャルウェア」ですね。

 

しかし個人的にはここがいささか疑問です。
「価格を安くする」ということは大前提として「ある程度の枚数を売りさばく」ことになります。商品は作る点数が多ければ多いほど一品単価に反映されます。100点しか作らないものと、10000点作るものとでは値段がまるで変わってきます。

 

「価格をなるべく抑える」「ファストファッション並みの価格を実現する」ためには数を作る必要がある。だとすると「デザイン服」は向かず、ユニクロのような万人向けの小型大量生産にならざるを得ません。(ZARAやH&Mなどは多型少量生産ですのでややデザイン性を付与することが出来ていますが、それでも1型あたりそれなりの数を作っています)

 

「SOCIAL WEAR/ソーシャルウェア」も数をさばこうとするので「ベーシックデザイン」になっています。もちろんユニクロより半歩先のデザイン性があるものの、シンプルで万人が使える様にしています。このあたりが果たして「完全受注」というシステムにマッチするのかどうか?

 

「予約で服を買う」というのはある程度おしゃれに関心が高い人じゃないと採らない行動でしょう。普通の人はオンタイムで服を買うわけです。寒くなったからコートを買い、暑くなったからTシャツを買う。先物買いとなる「予約」にはある程度おしゃれに関心がなければ成り立ちません。「初心者向け・万人向けのベーシックデザイン」を「おしゃれに関心の高い人向けの”予約”」という方式で販売することに、どこか不一致感がある様な気もします。

 

無論そんなことは「SOCIAL WEAR/ソーシャルウェア」側も分かっているでしょう。今後はどういう施策で「予約販売」というハードルを超えさせようとするのかがブランド普及のポイントとなるはずです。

 

つまりはこのブランドは「原価率」という意味でも、また「予約販売」という消費行動を普及させるという意味でも、

「アパレル商習慣の破壊」がテーマとなるのではないかなと思います。

 

 

そして肝心の「モノ」ですが、値段から考えると確かにかなりお得な出来です。素材を見ても作りを見ても、このジャケット9000円の出来には感じません。明らかに他ブランドよりお得です。

だから逆に「ケチをつけるポイント」としては・・・「予約販売」くらいなのかもしれません。こうした新しい取り組みで閉塞感のあるアパレル業界を盛り上げてくれるのは個人的にも応援したいところ。もちろん肩入れするつもりは一切ありませんが、陰ながら期待して見守る次第であります。

 

 

さてそんな「SOCIAL WEAR/ソーシャルウェア」ですが、毎週配信のメルマガでは・・・

 

せっかく全型購入したから「着こなし提案&レビュー」をいたします。

 

1月中旬配信の予定です。お楽しみに。

着こなしだけでなく、シルエットや素材などに至るまで徹底的に語ります。お楽しみに。

 

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