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「インストア・マーケティング(ISM)」
という言葉をご存知でしょうか?
テクノロジーの進化によりアパレルなどの小売店舗運営は大きく形を変えつつあります。今回は業界話。ちょっと驚く話です。
テクノロジーの進歩がもたらすものは「通販」だけではない?
近年「店舗の売上が通販に食われている」という話は最早耳にタコが出来るくらい聞いている話。小売業界の属する人であれば通販の猛勢を意識しないことはないでしょうし、一般的にも「通販の売上合計金額が百貨店のそれを上回った」などのニュースなどで広く知るところです。
テクノロジーの進化により販売方式は大きく変容/進化しました。お店に足を運ばずとも自宅にいながら商品を選べる、選んだものは翌日届く、届いたものが気に入らなければ返品できる。この一連のフローは一部のショッピング中毒者のみならず一般的なものとなりました。10年前ならば「クレジットカードの番号をサイト上に打ち込む」なんて行為は、「詐欺に合うんじゃないか?」と警戒したものですが、今ではそんなこと言えば笑われてしまうくらい。
常識は10年で大きく変化しました。
そして実はこういった「テクノロジーの進化」の影響は何も通販に限りません。
オールドスタイルであるはずの「店舗販売」においても
大きな進化をもたらしているのです。
Tポイントカードに代表されるビッグデータ活用
データマーケティング関連においてホットなのは「Tポイントカード」。
Photo by https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cc/T-POINT.jpg
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営管理する「Tポイントカード」のビッグデータが各顧客企業の販促や商品開発などに活用されているのは周知の通り。驚異的なアクティブユーザー数とそれらユーザーがもたらす購買履歴だけで月1億件と言われる超ビッグデータを保持するTポイントカードシステム。
「誰が」「いつ」「何を」「どこで」「どのように」購入したかが把握できるようになりました。コンビニは出店場所の検討をするためにCCCにデータ分析を依頼し、ブランドは商品開発や顧客定着にデータ活用コンサルティングを頼んだり。
「Tポイントカード」は何も「ポイントでお得になるから来てね!」という単純な従来型のポイントカードシステムではありません。レジにカードを通すことでデータを蓄積し、どんな人がどんな行動傾向を持っているのかを把握しようとするものです。日本全国で毎日このデータ蓄積は行われている訳で、データ分析の精度は日々向上していることでしょう。
例えばとあるブランドショップが出店する際に「どこに出店するのが一番効率が良いのか」をCCCにデータ分析を依頼することで、最適な出店場所が明確な裏付けのもと算出されることになります。今まではマーケティング担当者が「感覚」で出店計画を作っていたワケですが、これからはそうではありません。明確な裏付けのもと、自社製品で喜ぶ顧客がどこにいるのかを把握し、「喜ぶ人がより多くいるところへ」出店することが可能となっているのです。
もちろんかつての「マーケティング担当者」にあっても、手持ちのデータから様々な分析検証は当然行うでしょう。しかし「人の頭で把握できる量」を超えたビッグデータとその活用方法を確立している「Tポイントカード」を前にしては、それら分析手法も感覚で検討する「オールドスタイル」に違いはありません。
Photo by https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b6/Isetan_Shinjuku_Ⅱ.JPG
アパレルにおいても三越伊勢丹ホールディングスが「Tポイントカード」のCCCと業務提携。CCCが持つビッグデータを活用して潜在顧客へのアプローチや顧客の定着化などを狙います。
「人の手で行うマーケティング」の時代ではないのです。
VMDに代表されるインストアマーケテイング
インストアマーケティングの話に戻りましょう。インストアマーケティングとはもっと身近な話です。例えばアパレル関係者なら「VMD」という言葉をご存知でしょう。ヴィジュアルマーチャンダイジングの略です。「商品陳列で接客を行う」なんて例えられる陳列や店舗プロモーションの一手法のことです。
いろいろなものがありますが、例えば導線を意識したVMDなどはどこのお店も行うことですね。
Photo by http://www.avv-web.com/news/entryimg/sapporohiraoka_photo_640x470.jpg
例えばショッピングモールに出店しているよくあるお店。このようにお店の入り口(ファサード)にはトルソーが置かれています。お店の前を通る人がトルソーを見かけることで「あらいいわね」と入店するきっかけとなります。
ドライブ中にローソンの看板が見えていると
「あ、ジュース買っていこうかな」
「トイレに寄ろうかな」と思って入店しますよね?
あのイメージです。
トルソーを見て「あら、あのマフラーかわいいわ」「おっあのコートかっちょいいな」などと気がつき、入店するわけです。
VMDはこういった入店を最適化する手法でもあります。例えば右側隣のお店が「40代向けに強烈に支持されている売れているお店」だったとしたら、右側のトルソーはそのお店のテイストに合わせて「40代でも着用できるようなテイストのトルソー」を作ったりします。そのショッピングモールや顧客の導線に合わせて反応率が高いものを考えて店舗プロモーションを構築するのがVMDの基本的な考え方です。
Photo by http://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/4/a/500×400/img_4a82d1cd52471aafc45321084577702d225608.jpg
通路を挟んだ向かいがデニムで大人気のお店だったとしましょう。そうしたらこの画像のように「高い位置」にデニムをレイアウトすることがオススメです。消費者は経済合理性に基づいて行動します。比較検討して「より賢い買い物」を求めるものです。
なのでデニムを探している方が、
向かいにデニムが大きくレイアウトしてあれば
「あっちも見てから買うものを決めよう」
と思うのは普通のことです。
顧客の回遊が前提であるショッピングモールにおいては特に、日々こういった工夫を各担当者が行っています。VMD担当者はしょっちゅうモール内を歩き、どこの店でどんなものが売れているのか、どんな客層がどういった導線で流れているのかを「感覚的」に把握することが多いです。(私も昔やってました)
この作業は実は非常に属人的でですね、はっきり言ってしまえば「物事を検証・実践・修正できる」いわゆる「PDCAサイクルマネジメント」を理解している人でなければ出来ません。非常に専門性の高い業務の割に「はい、今日からあなたはVMD担当ね。」と素人スタッフに任せてしまうショップも非常に多いのです。これは運営上非効率極まりないものです。そのスタッフが業務の中で成長することはもちろん考えられますが、人の成長を待つよりも既に高度に専門家されている人を雇った方が「お店の成長」は早いのですから。
話が長くなりましたが、こういった店舗陳列・店内プロモーションなどがインストアマーケテイングの代表例です。上述の通りですが現時点で多くのお店はVMD担当者などの感覚やお手製のエクセルデータなどによる「オールドスタイル」の運営方法が多いです。
・・・実はこれを打ち破るテクノロジーが
近年生まれてきました。
インストアマーケティングを洗練させる最新テクノロジー
Photo by http://livedoor.blogimg.jp/second_b/imgs/9/b/9b7b7924.jpg
最近よくあるのは「カメラを使った仕掛け」。カリフォルニアの会社RetailNextのテクノロジーが有名で、ファッションブランド「アメリカンアパレル」などもインストアマーケティングとして導入しています。
要するに顧客分析用のカメラで顧客の動きを追いかける仕組みなどですが・・・
「どの棚に何人が何分立ち止まったか」
「トルソーの前に10秒以上立ち止まったらレジ裏でアラームが鳴る」などです。
Photo by http://ventureclef.com/blog2/wp-content/uploads/2013/09/g333_retailnext_01.jpg
おそらくショップ店員さんが上記の内容を読むと「すげえ・・・」と感嘆するかと思います。トルソーの前に10秒以上立ち止まるということは「そのトルソーが着ているいずれかの商品に興味がある」ということですから、店員さんが声を掛ければほぼ百発百中で商品販売できるでしょう。10秒以上立ち止まればレジ裏でアラームが鳴り「ここにいるお客様に声をかけろ!」と店員さんに指示が出るわけですね。
これは何も「店舗側のメリット」を優先させたものではありません。顧客側のニーズを的確に捉え、顧客にストレスを感じさせない仕組みでもあります。「トルソーの商品が気になるけど、店員さんが気付いてくれない、呼びかけるのも悪いし・・・まあいいかまた今度にしよう節約節約・・・」なんて経験誰しも一度はあるはずです。それらが全て無くなり、
「声を掛けて欲しい時に声をかけてくれる」という理想的な接客が
属人的ではなく機械的に構築できます。
また顧客がどの棚に立ち止まるかをヒートマップ化し、どこが「売れるポイント」なのかどの商品が「反応が良いのか」が感覚的ではなく機械的に把握できます。これにより上述のVMDは大きく改善するでしょう。むしろVMD担当などは必要なくなるでしょう。機械がスタッフに「これとこれをやれば良い」と指示をしてくるわけですから。VMDのノウハウなど必要ありません。
また驚くべきことにカメラによる「顔認識」で顧客管理をするシステムが実用化されようとしています。ABEJAという企業が先駆とのことですが、
店内のカメラで顧客の顔を認識し、
その顧客の名前はもちろん購入履歴などを
バックヤードのレジなどに表示します。
販売員は「〜〜さんお久しぶりです!」と名前を迷わず言えるようになります。また販売履歴から的確なアドバイスが行え、顧客関係管理に役立ちます。これにより「販売スキル」などといったものの大半は必要なくなるでしょう。誰もが記憶力や提案力に頼ることなく、的確なアドバイスができるのですから。
人間の記憶力には限度があります。1日100人来店するお店で100人全てを覚えておくことは不可能ですが、機械なら出来るのです。
機械が人間の仕事を奪う
テクノロジーの発達により消費者は無駄のない洗練された提案を受けることが出来る様になります。プライバシー等諸問題は当然あるでしょうが、利便性には敵わないでしょう。
またこういった進化により販売員は職を失う人も出てくるでしょう、高給な専門職も必要なくなり時給アルバイトの需要が増えるでしょう。「機械が人間の仕事を奪う」というのはもう何年も前から語られていることではありますが、今まさにそれが現実化しようとしているのです。
三越伊勢丹ホールディングスのCCC業務提携や、上述のようなインストアマーケティングの技術革新など。小売業界は通販のみならず店舗の運営においても様々な進歩発展がみられます。あなたがよく行くお店もカメラでターゲティングされているかもしれませんよ。(もちろん悪いことではないですが笑)
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