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以前はマストバイをお届けしましたが、今回はその逆、ユニクロ&JWアンダーソンのワーストバイをお届け。
買ってはいけないとまではもちろん言わないのですが、今回のコレクションの中で「これはちょっと着るのが難しいかな」というアイテムをピックアップしていきます。
値段以上の品質とクオリティ。けれど・・・?!
UNIQLO&JWANDERSON
モッズコート 7,990円
まずひとつめはモッズコート。
あらかじめ断っておくと、今回「ワーストバイ」という表現の仕方をしていますが基本的に着こなし次第でおしゃれにはできます。
コーディネートというのは「モノの価値×着こなしの価値」という2つの軸で評価が決まります。
モノ単体で見ると着こなしにものであったとしても、だからこそ上手に着こなすと価値が上がるわけですね。
そのため普通にパッと着るだけではおしゃれにならないアイテムも、着こなしの技術を駆使することで他の人とは違うグッとおしゃれな着こなしを実現することももちろんできる。
なので「これを絶対に買ってはダメ!」というわけではないんです。
ただ洋服の着こなしに自信のない人が「よくわからないしこれでいいか」と思って購入し、パッと羽織ってかっこよくなるかと言われる正直難しいアイテムもある。
そのひとつがこのモッズコートというわけですね。
アイテム単体の話をすると、正直このモッズコートは7,990円でできる素材ではありません。すごくクオリティが高く、褒めすぎだけれどプラダのナイロンのような重厚感と光沢のある化学繊維です。
この手のポリエステルやナイロンを使った安物のモッズコートは、ペラペラに見えて安っぽく感じるものが多い。
しかしこのモッズコートは7,990円なのに中綿が入っており、化学繊維だけれどしっかりアウターらしい肉感と重厚感がある。なので安っぽさはそれほどありません。
7,990円でここまで作り込めるのはさすがだと思います。
あとモッズコートというのは基本的にパーツが多いアウター。
安物のモッズコートだとパーツに手を抜いているものも多いですが・・・こちらは大きな良いボタンが使われていてドローコードもあり、外にも内にもポケットがついている。
なおかつネイビーに関しては袖の色も切り替えてある。
パーツ類も多く切り替えもあるので手間もかかっている。なので製造コストも割とかかっているはず。
そうしたパーツの作りこみや素材のクオリティを考慮すると、とても7,990円という値段とは思えない出来です。2万円と言われてもおかしくないくらい。
ただ・・・ただこのモッズコート、着こなしが難しいんですよ。
何も考えずにただ羽織ってしまうと安っぽい量販店のコートのように見えてしまう。なかなかおしゃれに見えにくいアイテムだと思います。
というのも一般的なモッズコートよりも着丈が少し短い。
着丈短いから上下の組み合わせをしっかり考えないといけないわけですよ。
普通の膝まである丈の長いモッズコートなら、パンツのことを考えなくても一枚でサマになる。
けれどこのアイテムは着丈が半端なため、パンツによっては上下のバランスがおかしくなることがあるわけです。
そうした意味でパッと羽織ってサマになるタイプのアイテムではないと思います。
あと通常のモッズコートはボタンの部分にフラップが付いていてボタンが隠れる仕様になっているけれど、これはボタンが出ている。
恐らく普通のコートとモッズコートをドッキングさせたようなイメージで作られたと思います。
だったら個人的にはウールの素材を使って、カジュアルなモッズコートを大人っぽく仕立てる方が着やすいかなと思ったんですけれども・・・。
こうしたあるアイテムと別のアイテムを掛け合わせたデザインはアプローチはいかにもJWアンダーソンらしいですね。
ただユニクロの素材でドッキングデザインを取り入れるとどうしてもまだ安っぽい印象が出てしまう。ユニクロは良い素材を使ってはいますが、あくまで「値段から考えると良い素材」という意味。なのでハイブランドで成立していても、ユニクロの素材では限界があり再現するのが難しいデザインがあるのも事実ですね。
そういうわけでこのモッズコートは着こなしをしっかり考えないと野暮ったくなる可能性が高いです。
ただでさえカジュアルな印象のモッズコートを切り替えやボタン、着丈の短さでさらにカジュアルに見せてしまっているため、合わせ方を考えないと子どもっぽくなりすぎてしまう。
もちろん着こなしに自信のあるおしゃれな方が着るのは全然アリだと思いますし、私自身着こなしのアイデアがないわけではないですが・・・ただパッと羽織ってサマになるかと言われるとなかなか難しいアイテムだと思うので要注意です。
イメージによる着こなしの難しさがネック・・・?
UNIQLO&JWANDERSON
ダブルフェイスダッフルコート 12,900円
2つめはダッフルコート。
ダッフルコートは正直ワーストというほどではないのですが・・・こうしたネイビーカラーで普通の着丈で普通のデザインのダッフルコートは、普通に着てしまうと学生感が強くなってしまうのが気になるところ。
なおかつこのダッフルコート、素材がフリースライクなんですね。
ウールのように見せているけれど、フリースっぽい素材感でそこまで高級感ある風合いではないんです。
そして着丈も特別長いわけではなく普通のシルエットなので、なかなかおしゃれに着るの難しいと思います。
ただ作りはしっかりしています。
裏側がチェック柄で伝統的なダッフルコートのデザインにしてあり、パイピングの処理も綺麗に仕上がっている。ボタンもオリジナルのものが使われており、トグルも綺麗なデザイン。トグルを繋ぐ紐もおそらく合皮ですが、本皮のような風合いです。
この辺りで適当に安っぽいものを使ってしまうとどうしても目立ってしまい、一気に陳腐なデザインに見えてしまうものですが、このダッフルコートはしっかり作りこんである。
こだわって作られているのはよくわかるんですが・・普通にパッと羽織るだけだとおしゃれに見えづらい。着こなしをしっかり考えないといけません。
ただ着るだけだとファッションにこだわっていない人のように見えてしまいます。
このダッフルコート、同じ形で展開されているチェック柄の方がまだおしゃれな見え方をすると思います。
ネイビーのスタンダードな着丈とデザインとシルエットのダッフルコートは、どうしても学生感が強くて着こなしが難しい。
その辺りを加味すると、「絶対買わない方がいい」とまでは言わないけれど、ファッション初心者の方がパッと手を出しておしゃれに見えるものではないと思います。
今回のユニクロ&JWアンダーソンの総評は?!
ワーストバイということで3つ挙げようと思っていたんですが・・・今回どうしても思いつきませんでした。ということでワーストバイの紹介は2つにさせて頂きます。
というのも今回のユニクロ&JWアンダーソンのコラボは思ったよりも良かったんです。
これまでのJWアンダーソンコラボはこんなテイストじゃなかった・・・。
過去のアンダーソンコラボは割とネタのようなアイテムをぶち込んでくることもあったでしょう。
対してユニクロユーは「置きに」くる。「これはかっこいいし売れるよね」というアイテムをガンガン出している。
あとレディースのイネスコラボも基本的にハズレのないアイテムを展開しています。
ただJWアンダーソンコラボの場合は「これ誰が着るんだろう」というアイテムが毎回何型かありましたよね。それがコラボならではの面白さでもあったのですが・・・今回のJWアンダーソンコラボは完全に「置きに」きてますね。着やすいアイテムが多くすごく良いコレクションでした。
JWアンダーソンはイギリスのファッションデザイナー。イギリスのデザイナーというのは結構クセのあるデザインを作る人が多いんですね。
というのもイギリスと国はドレスの象徴であるスーツの発祥地であるかと思えば、パンクファッションの発祥地もある。
イギリスのファッションには既存の伝統的な概念もあれば、その伝統をぶち壊す新しい概念も存在しているのです。島国ならではの面白い文化ですね。
なのでイギリスのデザイナー、ヴィヴィアンウエストウッドやポールスミスは伝統的なモノづくりを破壊的なこともする。
例えばヴィヴィアンウエストウッドは伝統的なタータンチェックをビリビリに引き裂いたりホチキスで留めたりなど、既存概念を壊す面白いデザインをするのがイギリスのデザイナーの特徴です。
そしてJWアンダーソンもその例に漏れず、伝統と革新を共存させたクセのあるアイテムが多い。
ロエベやJWアンダーソンのコレクション見るとわかりますが、そうしたデザインが面白い部分であり、新しい潮流を生むこともあるわけですね。
JWアンダーソンがデザイナーを務めるロエベというスペインのバッグブランドは、アンダーソンの就任前までは少し古臭いブランドとして認知されていました。
けれども今は女性がこぞってロエベのバッグを欲しがる状態でしょう。
古臭いロエベというブランドを表舞台に戻したのがJWアンダーソン。
そうした意味で革新的なデザインがとても得意なデザイナーなのですが・・・今回のユニクロコラボは置きにきた印象があります。本当に使いやすいアイテムばかりでケチのつけようがほとんどないんです。
例えばシャツ類もそう。遊びのある切り替えデザインもあるけれど、同色の切り替えであまり目立たないようにしているので着やすく作られている。
こちらのニットも写真で見たときは正直「大丈夫かなぁ」と思いましたが、実物を見てみるとなかなか良かった。ざっくりしていてオーバーサイズっぽいですが、意外と胸の幅がない。なので着てみるとリラックスサイズだけれど胸回りはシュッとしており裾にかけてフワっと広がるシルエットになっている。
そうなると腕と身体の間に空間ができるんですね。
肩幅や裾周りはリラックス感があるけれど胸回りはすっきりしているから着痩せて見えるわけです。
そして腕周りも手首にかけて細くテーパードしているので、リラックスしているけれどだらしなく見えないというベストなシルエットをになっているんです。
なおかつミックス糸で高級もあり、これで3,000円台というなかなか良いアイテム。
あと前回JWアンダーソンコラボで展開されたボーダーニットは「永谷園みたい」とウェブメディアで持ち上げられていましたが・・・今回はその反省を活かしてか永谷園感のないすごくバランスの良い配色になっています。
黒アウターのインナーにアクセントとしても使えるけれど、1枚でも着られるようしっかりバランスを考えてカラー配色がされており、非常に良いアイテムに仕上がっている。
秋冬にしては派手なデザインですが、誰が着てもしっかりおしゃれになるよう意識されているのかなと思います。
リュックに関してもクラシックなデザインですが、実はこれベルトパーツだけれどワンタッチで開くようにスナップボタンがついていて、使いやすいように考えられているんです。
今回なかなかケチのつけようが正直なくて、JWアンダーソンのワーストバイもモッズコートとダッフルコートくらいしかお伝えすることがなかったんですね。
ユニクロユーほどすごくかっこいいおしゃれな見た目にはならないかもしれませんが・・あと今年はユニクロとジルサンダーのコラボレーションもあるので、ここであまり散財できないという人も多いと思います。
ただ今回のユニクロ&JWアンダーソンコラボは過去最高に使いやすいので、チェックしておいて損のないコレクションです。
ということでユニクロ&JWアンダーソンコラボのワーストバイをご紹介しました。
モッズコートとダッフルコートに関しては着こなしに注意してみてください。
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