こんにちは。MBです。
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今日はちょっと面白い話をしますよ。
難しいし、雲をつかむような話ですが。
興味のない人は読み飛ばしても大丈夫です。
皆さんはコーディネートやデザインのテイストなど、
「流行」はどこから来てどのように広がるのだと思いますか?
流行には源流があり、シャワーのように降りていくのです。
最上流はパリ・ミラノのコレクションブランド。
最下流はユニクロなどの大量量販店。
デザインはシャワーのように下層に向かって波及していきます。
もちろん、流れを完全に無視しているブランドもありますが、多くは意識的にせよ無意識的にせよ、上層の良いデザインの影響を受けています。
例えば「ギャル男」の服装を思い出してください。
ギラギラしたテーラードジャケットに、ダメージ加工を施したジーンズにレザーのドレスシューズ、
肌けた柄シャツにロザリオ、大きなバックルのベルト。
こんな感じを想像しませんか?
そうそう。こーゆーイメージですよね。ギャル男って。
しかしこの画像はギャル男御用達の渋谷109のコーディネートスナップでも、MEN’S eggの特集記事でもありません。DOLCE&GABBANA 2004年の春夏シーズン コレクションです。
当時DOLCE&GABBANAはミラノ発の飛ぶ鳥を落とす勢いのコレクションブランド。当時デザイナーズランキングなどでも必ず上位に入っていましたし、名実共に「トップブランド」な訳です。ここが最先端でした。
締めつけられるくらいの細いシャツを肌けて、ボロボロの太いデニムを合わせる。
この「モード」と「カジュアル」のバランスの取り方が非常に優れており、またどんな人でも容易に落とし込めるため、幅広く支持されました。
今でこそこういったスタイルは「ギャル男」として定着していますが、当時は「ギャル男」という言葉すらまだ存在しませんでした。
DOLCE&GABBNAは2003年頃からこういったスタイルを打ち出していましたが、マス層には(上述のシャワー効果の最下層)「セレブカジュアル」という名前で2004年〜2005年頃から広がり始め、「ギャル男」としてスタイルのトレンドを作り出しました。
DOLCE&GABBNAが打ち出すカッコいいデザイン
↓
コレクションを見たバイヤー、モデル、スタイリストなどが真似をしはじめる
↓
需要を察知して、一段下の階層のブランドが真似をしてデザインをする
↓
一段下の階層のブランドの顧客さんが着はじめる
↓
高くて買えない人のために 二段下の階層のブランドが真似をしてデザインをする
↓
二段下の階層のブランドの顧客さんが着はじめる
↓
↓
↓
大量生産型のお店でも並び始める
このような流れで流行は降りてきます。
これを私は「流行のシャワー効果」と昔から呼んでいます。
もう一つ例をあげましょう。
ちょっとメンズファッションを知っている人なら「Diorhomme/ディオールオム」をご存知でしょう。
2000年代中盤〜後半にかけてメンズファッションに強烈なインパクトを与えたブランドです。
2004年頃まではそれこそDOLCE&GABBNAなどの”ギラギラ”したラグジュアリーブランドがトレンドでしたが、ディオールオムの登場により流行は激変。
女性のように細いパンツに、極端に短い丈のジャケットなど。
それまでの「力強いラグジュアリースタイル」の反動から「ナイーブで頼りないようなカジュアルスタイル」がトレンドとして君臨しました。
こちらは2005年のDiorhomme。
スタイルはもちろんですが、ここで後生に大変な影響を与える一大トレンドが生まれました。
「スキニーデニム」
なるほど。と思った方も多いでしょう。
今でもユニクロなどでは「スキニー」「スキニー」とうるさいですが、
その源流はまさに海外コレクション、Diorhommeから来るのです。
近年の「流行のシャワー効果」の中で最も長くシャワーを流して、かつ最も下層までたどり着いているトレンドではないでしょうか。
もちろんそれまでも細身のデニムは存在しましたが、
「肌のように細く」というくらいのモノはなかなか見つけられませんでした。
当時は特にストリートファッションの名残もまだ多く、「メンズのボトムはゆるめ」という感覚が根強かったように思います。
それをディオールが一気に変えてしまい、その名残がまだ根強く残っているわけです。
どうでしょうか?
「流行のシャワー効果」をなんとなく理解できたでしょうか??
しかしここで大事なことが一つ。
模倣に模倣を繰り返して最下層に降りてくるわけですが、
模倣に劣化はつきものです。
何度も録画したビデオテープのように、
何度も繰り返した伝言ゲームのように、
少しずつ少しずつ源流から離れた、デフォルメされたデザインになっていくのです。
細部が無視され
素材使いが無視され
本来の意味が無視され
ただひたすら「なんとなく似てる」だけになるのです。
そうなってしまうともう「オシャレ」ではなくなります。
ただなんとなく似ているだけの偽物に成り下がってしまうのです。
しかしもちろん、
「コピーではない本物」を着る必要は全然ありません。
そういったオリジナルは大変に高価です。無理に手を出す必要はありません。
ただオシャレになるためにやらなくちゃいけないことは
「なるべく劣化していないコピー」を見つけることです。
それは意外とユニクロにもあったりします。
昔はユニクロなどの大量量販店なんて、本当にくだらないものばかりでした。
フリースばかり。どうにもオシャレにできっこないだろ、って商品ラインナップでした。
ですが今は違います。
情報処理が発展し、海外コレクションのトレンドなどに敏感な人も増えてきました。
前述の「流行のシャワー効果」は近年間違いなくスピードUPしています。
ユニクロもそういった感度の高い人が増えてきたことを見越して
デザイナーズブランドとのコラボレーションなども強化、
通常展開品も「これユニクロ??」と思えるようなオシャレなものも増えてきました。
しかし、いくら存在するとはいえ星の数ほど多い洋服の中から、
「なるべく劣化してないコピー」を見つけることが・・・
今のあなたに出来ますか??
履いてパリのディオールに入っても恥ずかしくないくらいのスキニーデニムを、
またはそのような履き方を、コーディネートを、
あなたは出来ますか?
いいですか、
「見つけることができる」ようになるには「知る」ことです。
「知ら」なければ見過ごし、手に取ることもできないのです。
違いが分からなければオシャレなアイテムを手に取ることもできません。オシャレなスタイルをすることもできません。
また、それが感覚的に分かるようになるには莫大なお金と時間を費やして失敗と成功を繰り返す他ありません。
しかし、そのノウハウを教えてくれる人がいれば別です。
私は長い長い成功と失敗の経験の中で
オシャレを会得してきました。
それを「論理」として皆様にノウハウを提供しようと言うのです。
それがkowerMag。
どうですか、我ながらいい話でしょ(笑)
今回のお話はパリ・ミラノのコレクションなど、少し雲をつかむようなお話でしたが
もちろん、
今からオシャレをはじめる中高生。
壁にあたってしまった大学生。
もう一度オシャレをして奥さんを見返してやりたい旦那さん。
そんな人をサポートできるように話を進めていくつもりです。
また、
ディオールの次のトレンドがまだ見つからない人。
リックオウエンスやアン・ドゥムルメステールなどを着ていたけど飽きてしまった人。
マルジェラの最近のクリエイティビティの無さがどうにも気に入らない人。
そんなハイセンスなオシャレさんももちろんサポートしていきます。
オシャレはとても楽しいもの。
お気に入りの服を着て街を歩いたりするのはとても気分がいいものです。
いつか、KnowerMagの読者さんと私でオフ会なんかも楽しいかもしれませんね。
アドバイスも直接できるでしょうし。
おっとだいぶ横道に逸れちゃいましたね。
とにかく今回は「流行のシャワー効果」のお話でした。
また次回をお楽しみに。
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