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今回はユニクロのウルトラストレッチスキニーフィットジーンズを前編・後編に分けてレビューしてきます。ユニクロが展開する中で一番細いジーンズですが、色・加工すべて含めて6種類あります。前編ではこのジーンズの凄さをとことん解説していきます。
最初の一本に黒スキニーを選ぶ理由
ユニクロ
ウルトラストレッチスキニーフィットジーンズ 3,990円
まずこのスキニージーンズ、何が良いかというと単純に細いのがすごくいいんです。
細いと何が良いかというと・・・もちろん今のトレンド的にはワイドシルエットが流行ってはいますが、やはりジーンズに関しては細身が一番使いやすいのは間違いありません。
私もMBになってから8年間くらいずっとファッション初心者がまず買った方がいいものとしてこの黒スキニーデニムを提唱しています。
それはなぜかというと、ドレスとカジュアルのバランスの話に繋がるんですが、基本的にメンズファッションというのは大人っぽさが必要です。
近くのコンビニに行くようなスウェットやパーカー、スニーカーなどのカジュアルなスタイルだと本当に子どもっぽくやんちゃな印象でおしゃれになりづらい。
逆にスラックスやジャケットだけだとビジネスウェアに見られてしまい、おしゃれとはまた違った印象になってしまう。
なので大人っぽい印象と子どもっぽい印象、この中間くらいに位置するのがおしゃれという概念なわけです。
しかし日本人は欧米人と比べると童顔・短足・胴長・顔でかという体型も顔の造りも子どもっぽい要素がすごく多い。なので大人っぽさをプラスするためにドレスとカジュアルのバランスを7対3くらいにするのが理想的だとお話しています。
・・・そうは言ってもドレスウェアは結構窮屈なものなので、毎日スラックスやジャケットや革靴を着続けるわけにもいかない。チノパンやジーンズやスニーカーなど楽なカジュアルウェアに逃げたくなるわけです。
じゃあTシャツとジーンズとスニーカーでおしゃれはできないのかというとそんなことはありません。大人っぽく見せるというのは何もデザインの話だけではないからです。デザインだけでなく、シルエットや色でも大人っぽく見せることができます。
簡単に言うとシルエットや色をスーツスタイルに寄せてあげれば、大人っぽいドレス感が備わっておしゃれに見えるわけです。
だから「黒」の「スキニー」ジーンズを選びましょうというわけ。ジーンズは本来作業用に作られたカジュアルなアイテム。それをスラックスのように細身にすると大人っぽさが増すします。上下細身であるスーツにシルエットが寄っているからその分大人っぽくドレスライクな印象になる。
そして色もなぜ黒なのかというと、黒はスーツの色だから。
デニムによくある薄めのインディゴカラーなどはスーツには存在しないわけです。冠婚葬祭やフォーマルウェアでは基本的に黒を好む。
なのでジーンズという楽で毎日穿けるワークウェアを少しでも大人っぽくするため、色とシルエットを「黒スキニー」にしてるわけです。おしゃれである条件の中に大人っぽさが必要という中で、ラフなものを穿きたいからデニムを選ぶのはいいけれども、細身の黒を選ぶと大人っぽくおしゃれにキマりますよという話ですね。
ユニクロスキニー素材のすごいところ
で、ウルトラストレッチスキニーに話を戻すと、ユニクロの素材はここ数年本当に文句のないレベルです。今ユニクロは日本の2大デニムメーカーのひとつ「カイハラ」とタッグを組んでデニム素材を共同開発しています。それだけ努力してデニムの開発に本気で取り組んでいるブランドは日本でもユニクロぐらい。そしてカイハラの素材は基本的に結構高いので3,000~4,000円でジーンズを作れるような素材ではないんです。
カイハラの社長がインタビューで
「ユニクロとハイブランドのデニムの違いってどこにあるんですか」
という質問に対して
「何も変わりませんよ」
とあっけらかんに答えてたのが印象的でしたが・・・
それくらいユニクロのデニム素材はハイブランドに比べてもそこまで見劣りするものではないって言っても過言ではないと思います。
もちろん何十万円もするようなトップブランドのデニム素材と比べると差はあるでしょう。ただ3,990円という価格帯でこのデニム素材を出せているのは世界中探してもユニクロしかないと断言できます。
この素材を例えば東京のデザイナーズブランドが使ってスキニーデニムを作ったとなると、15,000円くらいにはなるでしょう。ユニクロデニムのクオリティはそれくらいだと思ってもらって間違いありません。
特にこのダメージ加工のモデル、3,990円で販売していますが普通のメーカーが出したら2万円してもおかしくないぐらいのクオリティです。ダメージって加工の手間がすごくかかるので実はめちゃくちゃお金がかかるんです。なのでなぜ他の種類と同じ3,990円で販売しているのわからないくらいありえない値段です。
というわけでユニクロジーンズの素材のクオリティーは海外の中堅ブランドやハイブランドにも見劣りしないと言っても過言ではないと考えて問題ないでしょう。
シルエットの美しさを語ろう
そしてウルトラストレッチスキニーのもうひとつ良いところはシルエットです。
ユニクロの素材の信頼性はここ数年本当に疑うべくもなくすごく良いものになっていますが・・・。
ただ一つユニクロには欠点があって、それは万人にウケるように作らなければならないということ。
なぜ万人にウケるよう作るのか。それはユニクロでは10年スパンくらいで長く大量にモノを売るというビジネスモデルを採用しているから。そうすると大量のロットを構えられるんです。
例えばZARAやH&M、GUなどのファストファッションは、新しいアイテムをどんどん入れ替えて販売していくビジネスモデル。なので1つのアイテムを仮に半年に一回、何千本か売って終わり、という感じになります。
対してユニクロの場合、例えばヒートテックなら何億枚という数を10年以上かけて長く売っていくんです。そうなると単価が思いっきり下げられます。
なぜユニクロだけこんなに良い素材で作れるのかというと、おじいちゃんから子どもまで穿いていて10年後も同じ商品が売れてるから。そうした定番品を作り、ロングスパンで大量に売ることにフォーカスしているから、極上の素材をめちゃくちゃ安く出せるんです。
ただそれにはデメリットももちろんあって、10年くらいかけて売れるものを作ろうとするとデザインが犠牲になってしまう。なぜかというとトレンドをそこまで意識してはいけないからです。
おじいちゃんから子ども、ファッションに興味のない人が思いっきり細いスキニーを穿くと「なんだこれ、めちゃくちゃきつくて穿けないな」と思ってしまう。穿けないと思われると買われなくなる、つまり売れなくなるわけです。
誰でも買える商品に特化した中でおしゃれを表現しなければユニクロのビジネスモデルは崩壊してしまいます。だからめちゃくちゃ細いスキニージーンズをユニクロでは今まで作れなかった。
スキニーは先程も説明した通り細ければ細いほど大人っぽくカッコよく見えます。
ですがあまりにも細くしすぎると「窮屈だしこれは俺が選ぶ商品じゃねーや」と買わなくなる人が出てくる。
そこでユニクロがどういう解決策を導いたかというと、カイハラとの共同開発で伸縮率を思いっきり高くしたデニム素材を作ったのです。伸縮率とは文字通り伸びる力、ストレッチ性のことですね。
ストレッチ性を極端に高めると何が良いかというと、細くてもストレスを感じなくなります。
つまり細いスキニーを買わなかった人たちに「まぁ細いけど入らなくはないな、いけるな」と思ってもらえるわけです。
スキニーは細い方がかっこいい、そんなのは当たり前の話です。
でもユニクロは価格を落とすために「みんなが穿ける」範疇の中でおしゃれを表現しなければならなかった。だから裾が極端に細いスキニーデニムを今まで作れなかったんです。実際以前のデニムはそのために裾幅が甘かったですから。
そのシルエットのデメリットを克服するためにカイハラとの共同開発で細くてもみんなが穿ける伸びるデニム素材を作った。
こうした限界ギリギリの中で戦ってるのがユニクロというブランドのすごさです。
デメリットを払拭する試行錯誤のすごさ
素材もよく、難点であったシルエットも細くできた。しかし伸びる素材を使ったことでまた1つデメリットが生まれます。それは素材の印象がデニムではなくなってしまうこと。
穿きやすさを追求して伸縮率の高い素材を使うと、化学繊維の量が増えてしまう。ストレッチ性がどうやって生まれるかというと基本的にはポリウレタンやポリエステルなどの伸びる化学繊維を生地に混ぜ込みます。
化学繊維の量が増えるほど当然よく伸びるようになりますが、その分デニム特有ゴツゴツした美しい風合いがなくなっていく。
ストレッチ素材を入れて伸びれば伸びるほどツルッとした表情になり、要はタイツやスパッツのようになってしまうわけです。
スキニーデニムが細くてもかっこいいのは、ごつごつとしたデニムの風合いがあるから。
その風合いがなく、つるつるしたスパッツのような素材でグッと細くするとエガちゃんのタイツみたいになってしまう・・・なかなかあのタイツが「めっちゃおしゃれ!」と思う人たぶんいないと思います。
ただあのシルエットのままデニムの風合いなら不思議なことにかっこよく見える。だから素材感もシルエットもすごく大事なんです。
シルエットを細くしてストレスフリーにするためストレッチ性を高めようとするとデニムっぽさが失われる・・・何かのメリットを活かすと別のデメリットが生まれる、こうしたトレードオフの関係になっています。
そしてユニクロとカイハラの共同開発では、ストレッチ性が高いまま素材にデニム感が残ったスキニーを作り出した。実はウルトラストレッチスキニーには化学繊維7%という限界レベルで入っていてゴムのようにかなり伸びるんです。
本来化学繊維が7%も入っていたら風合いはデニムというよりスパッツになるはず。でもこのスキニーはゴツゴツしていてデニム感がちゃんとある。だから細身の黒でもスパッツにならないんです。
これはほんとにすごいことです。こういう素材はもちろんユニクロ以外にもあります。私もオリジナルでスキニーを作ったときはこれと似たような素材感でしが、こんなに安く出せません。
化学繊維を使ってデニムらしい風合いがちゃんと残る素材を使ったスキニー。それは本来なら3,990円でやれることではありません。
これ本来なら1万円でも買うべき商品です。私だったら15,000円までなら買っちゃいます、それくらい本当にすごい商品です。
そして細かいこと言うと、すごいところはもっとあります。
例えばブラックカラーにはボタンのパーツに黒が使われていて、色落ちした明るい色にはシルバーが使われていたりカラーマッチしてあるんです。
他にも裾の裏側をひっくり返すとチェーンステッチになっています。
チェーンステッチとは名前の通りチェーン状に糸が繋がっているステッチのこと。これの何がいいかというと、色落ちしたときにクネクネと裾が波打ってきれいな加工感が出るんです。
実はシングルステッチの方が耐久性は高いと言われていますが、チェーンステッチでも耐久性が極端に低いわけではないので困る人はいないと思います。
チェーンステッチは専用のミシンでないと縫うことができない特殊なもの。なので手間もかかっていますし、オンラインストア限定でチェーンステッチのままで裾上げもしてくれます。
最初から色落ちしているタイプ以外のものは、チェーンステッチなら色落ちしていく最中に裾の加工感がきれいに出るので、裾上げの際にオンラインストアでやってもらうと満足度がより上がるかなと思います。微々たる差なので、裾の色落ちまで気にしないという人は店舗でシングルステッチのまま裾上げしてももちろん問題ありません。
そんなわけでウルトラストレッチスキニーフィットジーンズを紹介しました。後編ではこのジーンズ6色を穿き比べて印象の違いを確認してみますので、ぜひそちらもお楽しみに。
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タダで読んで辞めたければ当月で辞めてください。全く構いません。
私はこれで日本のメンズファッションを変えるつもりです。
10年以上かけて構築した論理であり絶対の自信があります。
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