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近年「ファッション難民」が急増している様に感じます。
ファッションを教えてくれる人がいなくなった
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90年代まではショップスタッフがきちんと機能していました。おしゃれな販売員がいて、彼らが服の着こなしを教えて、正しくおしゃれをすることができる。本サイトの様に論理化された理屈を述べることはできなくても、感覚的にでも「おしゃれを教える」人が確かに存在していました。
しかし近年、通販売上が拡大。アパレル業界のEC(通販)化率は実に10%に届く勢い。「最終的には50%を超える」なんてことも噂されるほどわずか数年で著しい伸びを記録しています。フリーシッピング(送料無料)の流れも強くzozoなどを始め多くのショップが送料無料(購入金額などの条件付きも多いですが)を導入、また不良品や誤発送じゃなくても返品可能なサイトも出てきており、「自宅にいながら試着感覚で注文・返品できる」時代となりました。
そうなると店舗の「試着が可能」というメリットが極端に薄れてきてしまいます。「注文品を返品するのに返送料がかかるじゃないか」と思うかもしれませんが、自宅から店舗に行く交通費や駐車場料金と比較すればおそらく多くの場合 通販に軍配があがるでしょう。こうるさい店員がいない分、消費者にとっては通販の方が楽に試着できるくらいかもしれません。
また通販への需要が加速しているといっても、全くの新規客が通販に流れている・・・つまり「パイが増えている」状態なら良いのですが、実際は「店舗のお客様がWEBで買うようになっている」というケースも多く、「パイの奪い合い」をしているような状態。通販需要が拡大すればするほど店舗の売上は相対的に落ち込んでいき、お金が回らなくなります。経営者は当然、販売員を雇うよりも販売員の教育体制を整えるよりも、通販向けにWEB技術者を揃えたりWEBマーケターなどを育成する方向にシフトしがち。店舗にお金が落ちない分、昔のようなおしゃれを教えてくれる「カリスマ店員」は育ちにくくなっているのです。
この様に「人と会わずに洋服が買える」「ショップスタッフが育ちにくい」ため、「おしゃれを教えてくれる人」が急速に減っているのです。
結果ファッション難民が生まれます。
ファッション難民は「雑誌に載っているまま」「WEBサイトのコーディネート」の服装をそのまま真似したりする様になります。真似することは悪いことではありませんが、多くの場合「コーディネートの機微」まで真似を出来ずに失敗してしまいます。着丈や袖丈などの違い、小物使いなどの違い、デザインのわずかな違い、色使いの違いなどまで注目できません。それは「本質」を理解せずに猿真似をしようとするからです。
そもそも洋服なんてシンプルなものです。上着とインナーとパンツと靴と小物、それだけのものです。大まかに言えばたったそれだけで、大きな変化のつけようがないのです。しかしだからこそ細かい部分が大きな差となるのです。
アマチュアがギターで曲をコピーしても、どうしても本物の演奏とはかけ離れたものに聞こえてしまいます。全く同じギターを使い全く同じスタジオ環境で弾いたとしても同じには聞こえないでしょう。それは微妙なアクセントやタイミングなどが異なるからです。音符は全く同じでも細かい部分が違うから、こだわるべきところが分からないから、本物とまるで違って聞こえるのです。
洋服も同じです。「白シャツと黒パンツ」のスタイルを見て「かっこいい!真似してみよう!」と思っても、白シャツが「オックスフォード」なのか「ブロード」なのかで印象はまるで違います。黒パンツが「スキニー」なのか「ストレート」なのかで印象が変わります。ロールアップするorしない、シャツのボタンはどのくらい開けるか、などの着こなしでも大きな違いが出ます。
本質や論理が分からなければこれらは真似できるものではありません。
もし万が一、「完コピ」できたとしてもそれだけです。他のパターンを作ることができません。「白シャツと黒パンツ」が何故かっこよく見えるのか?が理解できていなければ、バリエーションを増やす時にトンチンカンな合わせをしてしまうでしょう。今まではそれをショップスタッフが止めてくれていました。「そうじゃなくて、これにはこれがオススメだよ」と。
ファッション難民という意味では、「クールビズ」も悪しき慣習です。「クールビズ」が多くの会社に導入されてから、都内の電車には「ノーネクタイ」のおじさんがやたらと増えました。会社はただ単に「ネクタイしないでビジネスカジュアルを推奨します」というだけ、ファッションロジックもノウハウも何も持ち合わせていないおじさんはただ単に「スーツのネクタイはずせばいいのか」と皆こぞってネクタイを外したスタイルで街を歩いています。これでは「ビジネスカジュアル」ではなくただ単に「だらしないだけ」のスタイルになってしまっています。
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スーツはネクタイがあってこそ美しく成り立つものでした。ネクタイは「お腹や腰」を隠す効果もあります。ジャケット中央に位置するネクタイはお腹のふくらみや、パンツのウエスト部分を隠してくれて、日本人中年のだらしないお腹と胴長短足体系をごまかすことに一役買っていたのです。ノーネクタイのシャツとスーツのスタイルでは体型を誤魔化しきれずルーズに見せてしまいます。「ビジネスカジュアル」ならせめてパンツと同色のニットをシャツの上に着て、パンツとニットをひとつながりに見せて脚長に見せる・・・とか誰かが教えれば良いのに。
そんなファッション難民が増えるに伴って「パーソナルスタイリスト」なる存在が近年徐々に増えてきています。要するに「買物同行」です。自分が販売員の代わりにショップスタッフの代わりに、着こなしのアドバイスをしながら「間違いない買物」が出来る様に手取り足取り教えますよ、とそういったサービスです。
ごく一部のショップスタッフなどが「辞めてパーソナルスタイリストとして食べている」なんてケースも。個人で独立して行っているケースがほとんどです。人を一人拘束してしまうため金額は高く、富裕層向けな側面も強いですが、確実に需要は拡大しています。
場当たり的でない抽象概念を教える必要性
私は「簡単におしゃれが分かるツール」としてメルマガで情報を配信していますが、そこでは「猿真似コピーしておしゃれなる」様な内容ももちろん用意していますが、「ロジック」を教えて抽象化されたおしゃれの概念を理解できるように構築しています。
多くの人は学ぼうとする側も、また教えようとする側も「具体的」なことばかりに終始しがちです。
「パソコン教室」などはその最たるものです。MicrosoftWordで文章を作る手順は教えてくれますが、ただそれだけです。教えられたことしか出来る様にはなりません。しかし本当にパソコンが出来る人は、初めて使うソフトでもある程度どこを動かせば何がどうなるかを瞬時に把握し操作できるものです。
この差は「具体的」なことしか理解していないのか、
それとも「抽象的」なことまで理解しているのかの
違いにあります。
「抽象的」とは要するに方程式の様なものです。複数の事柄に当てはまるような「定理」のことを指します。中学生の時の数学を思い出せば理解できるはずです。二次方程式など何か一つの公式を覚えるだけでありとあらゆる問題が解ける様になったはずです。妙なグラフの問題から文章問題まであらゆる問題をケーススタディとして解いた覚えがあるはずです。あれが抽象概念です。
「具体的」とは掛け算を丸暗記するのと同じです。要領の良くない子は「9×9=81」を「くくはちじゅういち」という言葉で覚えてしまいます。要領の良い子は「抽象的」にも理解するので、「9×9=81」を「9が9個あるから81になる」とちゃんと覚えます。すると「くくはちじゅういち」を忘れたとしても「9が9個あるんだから・・・」と思い出すことができます。一方で「くくはちじゅういち」を丸暗記している子はその言葉を忘れたら最後です。
具体とは場当たり的な「単一の答え」、
一方で抽象とは単一の答えを導くための「定理」です。
ファッション中毒を「具体的」に教えても意味がないと考えています。それはとても場当たり的でその場でしか機能しないものだからです。論理や定理などの「抽象概念」を教えればあらゆる場面で応用できます。あたかも数学の例題を解くかのように。
無論「具体的」に教えることは簡単ですが、「抽象的」に教えることは楽ではありません。数学の様に分かりやすくケーススタディなどを踏まえて解説する必要があるでしょう。毎週配信のメルマガは日本で唯一「抽象概念」を用いたロジカルなファッション指南を行っています。
これが販売員が機能しなくなった今、「ファッション難民」を救うことになると信じています。日本最大手のメルマガ配信スタンド「まぐまぐ」において常に読者増加率1位を記録。スタートして1年半程度で、3年以上も継続している様な並み居る強豪を抑えて現在読者数ランキングでは4位を記録(堀江貴文氏が2位)。自著「最速でおしゃれに見せる方法」はamazon全体のランキングで3位を記録しています。反響の大きさから世の中の需要をひしひしと感じています。
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