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今回は「ユニクロの一体どこが凄いのか」について2020秋冬のラインナップを見ながら細かく説明していきます。
ユニクロ20年以上の名作「フリース」の凄さとは?
UNIQLO
フリースフルジップジャケット(長袖) 1,990円
ユニクロが10~20年のスパンで売り続けている名作。
基本的にユニクロのビジネスモデルはZARAやH&Mなどのファストファッションとは異なります。
ファストファッションは言葉通りトレンドアイテムを毎週のように作ってすぐ売り切るトレンド消費型の商品展開。
しかしユニクロは何十年も売れる定番品を作ることに重きを置いています。
ただ変わらずにおしゃれなものを作るのは実はすごく難しいこと。
だからユニクロも同じ素材を使いながらシルエットなどを細かく調節して今っぽく見えるように工夫はしているけれど、基本的なところは変えずに販売し続けています。
すると10~20年、老若男女問わず売れ続けるので、何億枚というとんでもない数量が売れるわけです。
そして1つの型でとんでもない数量が売れると、価格は極めて安くなる。
工業製品と全く同じ理屈で数を作れば作るほど単価は安くなります。
ただファッションではトレンドが強いからそれができなかった。
そんな中ユニクロではいかに長くモノを売り続けるかにフォーカスし、とんでもない数を売り続けているから他のブランドに比べて安くモノを良くできるわけです。
何億、何十億と売れると良い素材を使っても1型あたり1,000円台まで落とせる。
なのでZARAやH&Mとユニクロを比べてると、明らかにユニクロの方が素材感が良いんですね。
1,990円でこのフリースを出せるブランドは世界中探してもユニクロしかないと断言できます。
そこにはたくさんの点数が売れるから良いものを安くできるというロジックがあるわけです。
そして同じ素材を使い続けていても今のトレンドにもハマるよう工夫するのがユニクロの腕の見せ所でもあります。
ではこちらのフリースはどのように工夫されているかというと・・・結構驚きなのですが襟の中に芯を入れてある。
すると他のブランドのフリースよりも襟の立ち上がりが良くなり、小顔効果が生まれるんです。
顔周りに布があると対比で顔は小さく見えるわけ。
「八頭身」という言葉がある通り、頭や顔の大きさは体の基準点になっている。
私たちは無意識に顔の大きさで体のバランスを測っているんですね。
顔が小さく見えると全身のバランスが良く見える、ということは対比で手足が長くモデル体型のように見えるんです。
なのでスタイルを良く見せるには、足を長く見せるより小顔に見せる方が合理的。
そして小顔に見せるには顔周りに布を置くのが一番簡単な方法です。
このフリースは襟に芯を入れ立ち上がりを良くして顔周りを小さく見せてくれるわけですね。
あとは前身頃もすっきりとさせていますね。
フリースってお腹周りポコッとすることが多いでしょう。
そうならないようこのフリースは前身頃の布量減らしすっきりとさせ、インナーとして使いやすいように設計されています。
他にもポケット部分にはストレッチが効いたパイピングを施し、ポケットがヨレないよう工夫をしていたり、袖や裾周りにも同じパイピングをして風が入らない構造なのも特徴です。
このアイテムは20年くらい作り続けられているわけですが、使い勝手が良くなるようこうした細かい部分を毎年アップデートしているのがユニクロのすごいところ。
しかも1,990円という価格はやばいですね。
UNIQLO
ファーリーフリースフルジップジャケット(長袖) 1,990円
先程のフリースと比べ毛足が長くファーのような高級感が特徴。
こうした毛足の長い表情のある素材を使うとシンプルに合わせても地味にならないので、個人的にはこちらの方がおすすめです。
素材はペットボトルを砕いて糸にした再生ポリエステルが使われており、サステナブルも意識して作られています。
形も綺麗で素材感も良く、襟に芯地が入っていて綺麗に立ち上がるので是非試してみてください。
機能性・デザイン性とも追求された「防風」アイテム
UNIQLO
防風ファーリーフリースフルジップパーカ(長袖) 3,990円
続いては防風シリーズ。
毛と毛の間にフィルムを挟んであり、風を止める仕様になっています。
ローゲージなど粗編みのニットなど素材自体の保温性が高いものでも、風が入ってくる隙間があると暖かくならない。
なので体温を下げないためには保温性のある素材、そして風を通さないことの両方が大切なわけ。
でこの防風フリースは保温性のある暖かい素材であることと風を通さない機能性であることの二軸が成立しているので見た目以上にかなり暖かいです。
この手の保温性が高く防風機能のあるアイテムは、風を通さない代わりにムレが生じてしまうことがある。
しかしこのパーカーはムレやすい脇下をメッシュ素材にして、保温性は高いけれど通気性を高めてムレないようにしているハイブリットな作りを実現しています。
そしてすごいのはこのメッシュ素材にストレッチ効果があること。
例えば電車で手すりを掴むときなど腕を上げるときにストレスがなく運動性能が飛躍的に上がってるわけ。
さらにポケットの生地もメッシュで裏側と繋がっているため、ファスナーを開けると一気に通気性が上がるんです。
なので寒い屋外から暖かい屋内へ入ったときにポケットのジップを開けるだけで、風が入りムレを逃がしてくれるわけ。
脇下だけでなくポケットまで活用してムレを逃がそうとするこの発想と思考力が本当にすごい。
だから彼らは日本で一番の企業だし、おそらくあと数年でZARAを超えて世界一のファストブランドになると思うけれど、それはこのたゆまぬ努力と細かい配慮、そして商品開発の賜物だと私は思います。
UNIQLO
防風ボアフリースジャケット(長袖) 3,990円
先程のパーカータイプは機能性に特化していましたが、こちらはオーバーサイズで着ておしゃれに見えるトレンド寄りのアイテム。
あと胸ポケットの裏地がボア素材ではないんですね。
普通はボア素材の上から布をつけてポケットにするから、ポケットの裏地はボア素材なはず。でもこのボアジャケットはポケットの裏地をわざわざ別素材にしてあり、ポケットをモコモコさせずに綺麗なシルエットでスタイリッシュに仕上げられるわけ。
他にも襟周りは立ち上がりが綺麗で小顔効果が出るなど、細かいところまで考えて作り込まれて3,990円という価格は本当にすごいことです。
まるでテーラード?!美しく生まれ変わった「ダウン」たち
UNIQLO
ウルトラライトダウンジャケット(3Dカット) 5,990円
シームレスダウンパーカ(3Dカット) 14,900円
今回この2つのダウンで大きく変わったポイントが1ヶ所あります。
それは袖から肩、肩から反対側の袖にかけてアーチを描くパターンになっていること。
過去の製品より明らかに袖が立体的に曲線を描くように作られているんです。
実はこれテーラードジャケットと同じパターン。
良いテーラードジャケットというのは、袖が人間の腕の形に合わせて曲線を描いています。
なのでハンガーに掛けたり床に置いたりすると腕の周りにクシャっとシワがよるんですね。これは人間が袖を通したときに綺麗に見えるよう作られているから。
そして今回のユニクロのダウンジャケットも立体的で綺麗に見えるよう曲線を描くパターンを採用しており、まるで高級ジャケットのような綺麗なシルエットです。
なぜ今までこのパターンを採用しなかったかというと、当然ですがコストがかかるから。
平面的なアイテムよりも生地に無駄が生まれたり、縫い方に手間がかかるため、効率が悪くどうしてもコストが高くなる。
ただユニクロはこれだけ立体的なパターンだと例年と比べて絶対にコストがかかっているはずなのに、例年と同じ価格で販売しているんです。
これ本当に凄いこと。まだ今年ダウンを買っていない方は是非チェックしてみてください。
そしてウルトラライトダウンも今回立体袖になっています。
ただハンガーに掛けたときにシワが寄るので、見た目だけで良さが伝わらないのが難点。
なので是非袖を通してみてください。今までとの違いが明確に分かるはずです。
正直これまではインナーとしてしか使っていなかったけれど、今年のモデルはシルエットが綺麗になったのでこれならギリ一枚でもアウターとしても使えるかな。
インナーとしてもアウターとしても使える2wayになっていてすごくおすすめです。
ヒートテック素材とは思えない「暖パン」シリーズ
UNIQLO
ヒートテックウルトラストレッチスリムフィットジーンズ 3,990円
これはいわゆる「暖パン」ですね。
相変わらず良くできていると思います。
スキニーは一昨年くらいからちょっと変わったなと感じましたが、ヒートテック素材を使っているけれどあまりモコモコしない。
他のブランドで作られた裏地が暖かい素材のスキニーパンツは意外とモコモコしてシルエットが格好悪いことも多い。
しかしユニクロのヒートテックスキニーはモコモコとせず綺麗なシルエットが楽しめるので、「普通のスキニーだと寒くて耐えられない」という方はこれを選んでも良いかと思います。
UNIQLO
ヒートテックスマートスリムフィットパンツ 3,990円
スラックスタイプは足を通すと確かに暖かく、見た目にはヒートテック感がないすごい商品です。
これまでのヒートテックの暖パンは生地が厚くなりどうしても着膨れした印象だったけれど今回の生地はすごく良い。
暖かいのに高級ウール見えするスラックスなので、シルエットをシビアにチェックする人でも問題なく使えると思います。
いつもヒートテックのパンツはそんなにおすすめしないけれど、今回はアリですね。
UNIQLO
ヒートテックウォームイージーパンツ(丈標準76~79cm) 3,990円
こちらはアウトドア系のパンツですがこれもかなり考えられたアイテム。
一番驚いたのは、ポケットの繋ぎ目にゴムが入れてあること。
これをなぜつけたのか開発の方に聞くと・・・これ聞いてビックリ。
冬に手袋をつけると手が大きくなるでしょう。手袋をつけたままポケットに手を入れても引っかからないようにするためゴムでストレッチをつけたそうです。
もう脱帽モノですね。
確かにアウトドアのパンツでこうした仕様のアイテムはあります。冬場の山登りなどでは手袋をつけた状態がデフォルトなので。
でもそれを普段着のパンツに取り入れるのがすごい。
その話を聞いて「すごいですね」と反応したら、ヨーロッパではすごく評価されていると教えてくれました。
「この価格で本格アウトドアのパンツが手に入るのはすごいことだ」と反応されているらしいのです。
他にもウエストはウェービングベルト、股部分は180度の開脚が可能なガゼットクロッチ仕様で動きやすい。この辺りもアウトドアの基本ですね。
そしてこのパンツのパターンをよく見てみると横から見たときにカーブを描いています。まっすぐ平面的なパンツを作った場合、どうしても動きにくさが出てしまう。
ただこのパンツは横から見たときに人間の脚の形に合うよう、カーブを描くよう作られており立体的なので動きやすいわけです。
あとは太ももにあるサイドポケットも座ったときに使いやすいようカーブをかけて斜めにしてあるなど、本当に細かいところまで作り込まれています。
なのでおしゃれ着としても良いですが、ガチアウトドアで使う人にもおすすめです。
ここまでこだわって3,990円でしょう。これアウトドアブランドにあると2~3万円してもおかしくないクオリティです。
ということでユニクロの秋冬品の凄さをご紹介しました。
ユニクロからは一銭もお金はもらっていませんが、たまに商品開発の方と意見交換で質問をすると30倍くらいの答えが返ってくるのでやはりすごいんですよ。
是非わかってほしいのは日本でこれだけモノづくりを頑張っているメーカーがあるということ。
ここまで細かく追求しているブランドはやはり世界的に見ても稀有だと思うし、だからこそ世界的にも評価されて店舗数も増えているのだと思います。
店舗に行った際は是非商品を手に取ってユニクロのモノづくりの凄さを感じてみてください。
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ユニクロなどのファストファッションでおしゃれをする内容はもちろん、今のトレンドやファッション情報を網羅したもの。中にはQ&Aやコーディネート診断など個別の悩みにも答えるコンテンツも用意しています。
試し読みをして気に入らなければ初月解約で全く構いません。
タダで読んで辞めたければ当月で辞めてください。全く構いません。
私はこれで日本のメンズファッションを変えるつもりです。
10年以上かけて構築した論理であり絶対の自信があります。
騙されたと思って読んでください。
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