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ユニクロの「感動ジャケット」ご存知ですが。
このアイテム何と5,990円でセミオーダーができるんです。
今回はこのユニクロの感動ジャケットが5,990円で手に入る仕組みをビジネス的観点を交えつつ解説していきます。
セミオーダーなのに値段が変わらない?!感動ジャケットの魅力とは?
UNIQLO
感動ジャケット(ウールライク・Mサイズ・着丈68~72cm・袖丈55.5~64.5cm)セットアップ可能 5,990円
この感動ジャケット、実は最近すごく売れているらしいのです。
これは実際ユニクロの方から伺った情報なのですが・・・外出自粛が始まりリモートワークが広まってからすごく売れるようになったそう。
感動ジャケットは元々ユニクロの名作品番でした。クールビズが浸透し、特に都市部だとネクタイを締めてシャツを着てジャケットを羽織っているかっちりとしたスーツ姿の人はかなり少なくなった。
ビジネススタイルでもジャケットは着るけれどネクタイ締めない、そもそもジャケットを着てないクールビズというスタイルが一般的に浸透し普通のことになりましたね。
その流れの中でちゃんとしたスーツを着なくていいなら、仕事をする上で楽な服がほしい、でもカジュアルではなくきちんと見えするものがいい、ということで感動ジャケットの人気が高まったわけです。
ストレッチ性が高く家の洗濯機で洗えてスウェットのような感覚で着られるくらい楽。なのに見た目はフォーマルなジャケットに見えるし素材感も化学繊維っぽくなくウール見えする。こうした特徴を備えているのが感動ジャケットでこの機能性と見た目で5,990円と価格が安いことも強みです。
そしてリモートワークが広まった昨今、オンライン会議でTシャツだとさすがにまずいからジャケットぐらいは羽織りたい、でも椅子に座ってお茶を飲んで家でゆったりしている中でスーツのジャケットは着たくない。
そうしたリモートワークの需要に適しているのがこの感動ジャケットというわけ。
外出自粛で外に出なくなり洋服がいらなくなってアパレル業界全体が不況に陥った中でマスクなど売れているアイテムがありますが、感動ジャケットもそのひとつ。
それだけでも十分すぎるのにそこに畳み掛けるようにセミオーダーサービスが始まりました。
まず大前提としてスーツというのはぴったりジャストサイズで着るのが美しいとされています。普段着のスタイルならビッグシルエットなどシルエットをいじることはありますが、フォーマルの世界では自分の体にぴったりフィットしているのことが美しいとされています。「着崩す」という概念がスーツには存在しないわけです。
だからスーツはオーダーしてまで自分の体にフィットするものを作るのが基本ですが・・・当然オーダースーツは値段が高い。職人さんが一人ひとりに合わせて肩幅や着丈、袖丈を調整してくれるのでオーダーサービスというのは既製服より値段が高くなって当然です。
ところがこの感動ジャケットはオーダーなのに1円も値段が変わらない。これはどういうことかというと、ユニクロの感動ジャケットはフルオーダーではなくセミオーダーなんですね。一から作るのではなくいくつかの基本サイズがあり、その中から袖丈と着丈を調整できるという仕組みになっています。
そしてこのセミオーダーでほとんどの人の体型はカバーできる。
思い返してみると既製服というのは大体皆サイズが合ってないんです。だって日本人全員をS,M,Lの3サイズで分類できるわけないでしょう。
当たり前ですがSとMの中間の人もいるしMとLの中間の人もいる。
じゃあどのくらいサイズの種類があればいいかというと、基本的にはセミオーダーのシステムならほとんどの人に当てはまるサイズの分類ができるという感覚ですね。
私もセミオーダーやフルオーダーのスーツを色々と作った上でわかったことですが、大概はセミオーダーで割と満足のいくスーツができます。
オーダーなのにすぐ届く驚きのシステムとは?
そしてユニクロの感動ジャケットがセミオーダーという方式を選んだことによる驚きのメリットがいくつかあります。
まず1つはセミオーダーでも値段が変わらないこと。
そして2つ目が何と購入後わずか数日で届くことです。これ本来はありえないこと。
注文してから袖や着丈を直す時間がかかるはずのセミオーダージャケットがなぜ数日で届くのか。
本来オーダースーツはフルオーダーの場合、これは極端な例ですが長くて1年かかるところもあるくらい。パターンオーダーだとしても2~3ヶ月、セミオーダーでも短くて本来1ヶ月はかかります。
なのにこの感動ジャケット、セミオーダーなのに顧客わずか数日で届くんです。オンラインで注文したときに「この商品がカートに入っているから発送が数日遅れます」ということがない。
なぜそんなことができるのか。
実はこれすごいシステムなのですがユニクロでは考えられる全てのサイズをあらかじめ作って用意してあるんです。なので厳密に言うとセミオーダーではないんですね。
どういうことかというと、この感動ジャケットのセミオーダーはS,M,Lなどのサイズ展開の中から着丈と袖丈を選べるサービス。
で全サイズの着丈と袖丈のバリエーションが全部で135種類あり、ユニクロではあらかじめ135種類全部を作って在庫を確保してあるんです。
言い換えれば135サイズ展開の感動ジャケットと言っても間違いではないわけですね。
何度も繰り返すけれど通常セミオーダーは注文を受けてから作って納品するところ、ユニクロでは考えられうる135種類全てのバリエーションをあらかじめ作って在庫として持っておき、注文を受けたら在庫から発送するという方式を採用しているわけ。
これは常識を覆すような驚くべきことなんです。
逆に言うとセミオーダーでこういうやり方をすればすぐに発送ができるから、商品を待つ必要がなくなりますよね。セミオーダーを躊躇する主な理由は時間かかるから。
すぐ欲しいのに注文を受けてから縫い合わせて発送するため、一ヶ月くらいのスパンがかかる。それが待てないから買わないという話になってしまいますがユニクロの感動ジャケットにはそれがない。
ではなぜ他のセミオーダーのサービスがこの方式をとらないのか。
それは在庫リスクが極大化してしまうからです。
あまりピンとこないかもしれませんが・・・実はサイズというのは増やせば増やすほど在庫リスクが高まります。
つまりフリーサイズの1サイズ展開のものより、S,M,Lの3サイズ展開、さらにXS,S,M,Lの4サイズ展開の方が在庫のリスクが高まるわけ。
これはよく考えてみればわかることで、例えば店頭で洋服を販売するときにフリーサイズなら迷わずに買ってもらえる。ところがS,M,Lの3サイズ展開で例えばLサイズの在庫がなくMサイズを試着したお客さんがいたら「もしかしたらもう一個大きい方がいいのかも、やっぱりやめとこう」となる可能性が高い。
このようにサイズ展開は増えれば増えるほど在庫が残る確率は高まります。
これは統計的に明らかなことでアパレルの販売をしている人なら誰でも知ってること。
だから靴なんかは売り切るのがすごく難しいんですね。
ご存知の通り靴はサイズ展開すごく多い。0.5センチ刻みでパーッとサイズがあるから在庫リスクが高く完全に売り切ることがすごく難しい。だから靴屋さんはいつも在庫で困るんです。
例えば25.5cmしか在庫が残っていない商品があるとそれをピンポイントで買う人って出てこない。
基本的には複数のサイズの中から「自分にはこれが合うから買う」という判断をするのが消費者心理。
なのでポツンと1つだけサイズが残っていると「もう少し大きい方がいいのかもしれない、だから買わない方がいいかな」と購入をあきらめる人がすごく多いわけ。
幕の内弁当が流行るのと一緒です。
日本人は幕の内弁当が好きだけれど、それは幕ノ内弁当には色んなおかずが入っていて楽しめるから買う。
コンビニはたくさんの商品が並んでいるから、その中から一つのものを選んで買う。
なので例えばコンビニで水が一本しか売っていないと全然売れなくなってしまうんですね。
色んなものの中から1つを選ぶことが非常に大事なのであり、サイズもそういうこと。
サイズ展開を増やせば増やすほど購買意欲を高められるんです。
ただその分在庫リスクがどんどん高まっていくというデメリットとのバランスをとるのが非常に難しいところ。
つまり135サイズを展開をしているユニクロの感動ジャケットは極めて在庫リスクが高いんですね。
在庫が残るとどうなるかというと当然利益が圧迫されます。100着作った内の30着しか売れなかったら70着が無駄になるわけだから、その分の製造コストが利益を圧迫し利益がどんどん減っていくわけ。
なのでできれば在庫リスクは下げたいもの。
だから例えばレディースの小規模なブランドなどではフリーサイズだけにしてサイズ展開を極小にし在庫リスクを少なくして利益が取れるようにするのが基本なんですね。
そんな中135サイズ展開でリスクを大きくとって戦うのは大手であるユニクロならでは。
例えば少し前にヒートテックの競合版としてZOZOが「ZOZOヒート」を展開していましたが、あれ実は1,000サイズくらい用意されていたのですが見事にコケました。
なぜコケたかというと、モノ的には別に悪くなかったけれどサイズ展開が多すぎて在庫リスクが極大になり赤字になってしまったから。
あれはやってはいけないことなんです。
1,000サイズも作るとどうしたって在庫が残るわけだから、その残った在庫をどうするかまで考えておかないとビジネスが回らなくなってしまう。
恐らくユニクロの感動ジャケットは135サイズ展開して綺麗に売り切る自信があるのでしょう。
優秀なMDがいて「これくらいの枚数をこれくらいの期間で売れば大体在庫はゼロになる」と計算していると思います。中小規模のデザイナーズブランドでは怖くて絶対にできないことなので本当にすごいことです。
これは明らかにユニクロのサービス品だと私は思います。
セミオーダーなのに値段が1円も変わらずすぐ届き、在庫リスクをものすごく抱えてくれているはずなのにそれを消費者側にお金として求めていない。
ユニクロ側からはあまりこういうことを声高には言わないけれど、これは完全のサービス品だと思いますしおすすめせざるを得ない。
ただ正直こういうことをされると本当にデザイナーズブランドがかわいそうなのでできればユニクロさんはもうちょっとサービスを抑えて頂きたいとは思いつつも我々消費者的には素晴らしいアイテムだと思います。
着こなしとしてはこうしてビジネススタイルとしてももちろん使えます。
ジャストサイズでぴったりにすればかっこいいフォーマルスタイルが完成する。
あえてセミオーダーのサービスを利用してビッグサイズにしてみるのもアリですね。
ワンサイズ大きくして袖丈も着丈も長めにしててちょっとゆるめに着ると普段着っぽいジャケットスタイルが作りやすくなります。
このようにシーンに合わせて使い分けるのもおすすめです。この感動ジャケットはパンツとセットでスーツとしても使えるのでぜひ活用してみてください。
ということで今回はユニクロのセミオーダーができる感動ジャケットをご紹介しました。
このジャケット何度も言うけれど本当にすごい商品です。在庫リスクがあるのに値段を変えていない、セミオーナーなのに数日で届くなど・・・あり得ないことづくしなのでこれは見逃さない方が良いと思います。是非チェックしてみてください。
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私はこれで日本のメンズファッションを変えるつもりです。
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