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「ファクトリーブランド」という単語をご存知でしょうか?
本サイトKnowerMagには、「ファクトリーブランド」で検索をされて来訪される方がとても多いのですが・・・実はしっかりとファクトリーブランドについて語っている記事は少ない。こりゃいかんと思いまして、ここで一度「ファクトリーブランド」について少し腰を据えて語ります。
ファクトリーブランドとは何か?
Photo by http://www.jacketrequired.jp/buyerblog/men/02121.jpg
そもそも「ファクトリーブランド」とは何か?雑誌などでも「ファクトリーブランドならではの〜」と既知の単語の様に書かれていますし、セレクトショップなどの通販サイトなどにも「〜〜というブランドのファクトリーブランドが〜」などと未説明で書かれていたり。アパレルは一見様を相手にすることの多い商売にも関わらず不思議と「説明をしない文化」が根付いているので困ったものです。
さて、「ファクトリーブランド」とは要するに「下請け工場が作ったオリジナルブランド」のこと。その様に認識すれば概ね間違いありません。
これだけじゃ説明不足なのでもう少し突っ込んで解説しましょう。
多くのブランドはアウターやニットから小物からソックスまで、フルアイテムで展開しています。ブランドファンは頭のてっぺんから足の先まで「同じブランドで揃えたい!」なんて思うもの。幅広い需要を拾うためにも、客単価を増加させるためにもブランドは実に多くのアイテムを展開するのが普通です。
しかしながら、コートやジャケットなどのアウターを作る技術と、レザーシューズやスニーカーなどの靴を作る技術は全く異なるものです。もっと言えばデニムを作る技術とカットソーを作る技術も違います。さらに言えば縫製をするシステムと、染色をするシステムと、素材を織るシステムも違います。もっと言えばデザイン画を描く技術と、デザイン画から型紙を作る技術も違います。
Photo by http://www.shoecream.net/brand/pictures/12aw_shoes_design_pelle01.gif
洋服は複数の異なる技術によって出来るものです。それをまさか一社で全て賄うことなどできません。ブランドは複数の下請け業社と取引します。多くの会社が関わり、一枚の洋服が完成するのです。
例えば靴製作は浅草の職人さんに発注し、カットソーは東北の工場に発注し、ニットは北陸のニット工場に発注し、と全国津々浦々に発注しブランドのフルアイテムが展開されるのです。
「下請け工場」、これがいわゆる「ファクトリー」です。
このファクトリーが独自に立ち上げたブランドのことを「ファクトリーブランド」と呼びます。
普段は手が届かない憧れのアイテムもファクトリーブランドなら?
ファクトリーブランドにはいくつかのメリットとデメリットが存在します。
大きなメリットの一つが物に対しての価格が手頃だということ。ブランドを介さないということはその分値段に跳ね返すことが出来ます。本来であれば発注元であるブランドが得るべき利益を省くことができます。デザイン料だったり諸々ですね。関わる会社の数が減っているのだから当然その分値段は安くなります。
これがまず大きなメリットです。例えば日本が誇る世界規模のトップブランド「コムデギャルソン」の靴を製作していたファクトリーの一つが立ち上げた「PADRONE/パドローネ」というブランドがあります。
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「ギャルソンの靴を製作していた」のですから当然品質や作りはそれらと大差ないものが作れるわけです。しかもギャルソンよりも当然安価で。「普段は購入できない世界規模のブランドであっても、ファクトリーブランドならば手が届く」なんてことも珍しくはありません。
しかしもちろんデメリットもあります。ブランドを介さないということはデザインが劣るということ。ファクトリーがデザインまで起こさなければいけないワケですが、デザイナーズブランドは当然「デザイン」でご飯を食べているワケで構造的にそこには及ぶべくありません。実際、言っちゃ悪いですが、ファクトリーブランドの中には「これ売れるワケないよ・・・」と思う様な酷く野暮ったいデザイン物などを作るところも。
しかしこのデメリットは「スタンダードな定番モノ」であればある程度は回避できます。誰もが一度は欲しがるような時代や流行に左右されないスタンダードなモノであればファクトリーでも作れるかもしれません。
もしくはそのファクトリー内に優れたデザインセンスの人材があるとか、あるいは「ファクトリーブランドを立ち上げるにあたって外部からデザイナーを起用した」とか、まあそんなケースもあるので一概にこのデメリットが機能するワケでもありませんね。
「良いものをより安く手に入れたい」というのは消費者が当然望むところ。上記の様に良いデザインさえ実現できれば、
手頃に商品を供給できるファクトリーブランドは市場において重宝されるワケです。
・・・ただ細い話になりますが、やはり「ファクトリー」が手がけるブランドだけに、宣伝が下手だったり、ブランドの戦略がしっかりと出来ていなかったり、卸す店舗がなかなか出来なかったりと、諸々の問題点はあります。「ブランド」も遊んでいるわけではありません。実に様々なノウハウがあって「ブランド」たり得ている訳であり、工場がそれらノウハウを全て把握していることも少ないでしょう。
そのため多くのファクトリーブランドは良品を作っていても知名度が低かったり、流通量が少なかったり、取り扱い店舗数が少なかったり、鳴かず飛ばずなところも少なくありません。(もっとも利ざやがブランドの下請けよりも良いはずなので、それでも満足なのかもしれませんが)
良質ファクトリーブランド一覧
ここで幾つか実際にファクトリーブランドを紹介しましょう。
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PADRONE/パドローネ
上述の説明の中でも登場したコムデギャルソンの下請け工場が立ち上げた靴ブランド。コムデギャルソンだけでなく大手セレクトショップのオリジナルや、デザイナーズブランドなど数多くの靴製作を手がけた有名ファクトリーです。ファクトリーブランド「PADRONE」としてデビューした2006年以来、市場に幅広く受け入れられすっかり「売れっ子ブランド」になってしまいました。一時は人気モデルは生産が追いつかないほどでした。
ファクトリーらしく職人技術を駆使したアイテムを多くリリースしており、アッパーのレザーの品質や靴そのものの耐久性などもそうですが、中物にコルクを使ってクッション性を高めたりと歩行性などにも配慮しています。
デザインはデザイナーを立てているわけでなくチームで運営。スタンダードなデザインのものが多いあたりはいかにも「ファクトリーブランド」です。ただメンズのシューズは基本的にベーシックなものが受け入れられます。(レディースはそうでもありませんが)
なので「靴のファクトリーブランド」というのはもしかして凄く相性が良いかもしれませんね。
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WRAPINKNOT/ラッピンノット
2012年からスタートした新進気鋭のファクトリーブランド。「ニットの聖地」と呼ばれる新潟県五泉市において、50年以上の歴史を持つ日本有数のニットファクトリー「ウメダニット」が立ち上げています。
国内の多くの産業は中国生産の安価品に押され生産規模が縮小。下請けだけでは食べていけないと工場が立ち上がり、利ざやの大きい自社製品つまり「ファクトリーブランド」を作るというある意味ネガティブなケースからスタートしたブランドも多々あります。
「WRAPINKNOT」も同様。「ニットの聖地」五泉市であっても生産数が減少していき、自社でデザインし自社で販売していく体制を整え、不況を耐えようと判断した訳です。(五泉市は他にもファクトリーブランドが幾つか生まれています)
「WRAPINKNOT」は一般的なファクトリーブランドとは異なり、デザイナーを招致し、デザイナーズブランドとして成り立たせる道を選びました。コレクション形式でデザインを発表。技術とデザイン性が高く評価されSTUDIOUSやWISMなど有名セレクトショップでも多く取り扱われる人気ブランドとして成長しつつあります。
Photo by http://image.rakuten.co.jp/news-web/cabinet/basisbroek/ted_topdp_1.jpg
BASISBROEK/バーシズブルック
こちらは日本ではなくベルギーのファクトリーブランド。洋服マニアが「ベルギー」と聞くとあんなハイブランドやこんなデザイナーズブランドを連想しますが、それら一流メゾンのパンツ生産にも携わっていた有名ファクトリーです。
海外のメゾンを手がけていたと聞くとさぞ高価なのだろうとイメージしますが、そこまででもありません。展開しているパンツなどは1万円そこそこの値段ばかり、ライトアウターなども展開していますがそちらも2万円ほど。海外ブランドの割にかなり良心的です。
他にも数多くのファクトリーブランドが存在します。毎週配信のメルマガでは度々名前が出るものばかり。興味があれば是非そちらも購読ください。
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